■静舞 / 岡田奈々 (キャニオン)
女性アイドルは「清純派」「ツッパリ」「お嬢様」「ぶりっ子」等々、様々なウリのポイントがあるわけですが、その中のひとつとして比重が高いと思われるのが所謂「妹キャラ」かと思います。
で、本日の主役たる岡田奈々は15歳だった昭和49(1974)年にデビューした時から、まさにそれを大きな魅力として忽ちブレイク!
大きな目が印象的な愛くるしい面立ちとスレンダーな肢体が、まさに理想の妹像として、テレビドラマでもそういう役柄が多く、サイケおやじの周囲にも彼女のファンが大勢いましたですね。
ただし個人的にはロリ趣味が無い所為でしょうか、それほど当時の岡田奈々は気になる存在では無かったんですが、流石に昭和52(1977)年に突発した監禁事件には驚愕させられましたですねぇ~~~~。
なんとっ! 狂信的ファンと思われる男が彼女のマンションの窓から侵入し、一晩の監禁ですから、その間に何が行われていたかは容易に推察出来るわけで、当然ながら「清純派としての岡田奈々」は人気に陰りが……。
ちなみに確か犯人は捕まっていなかったと記憶していますが、記者会見の生放送とか、事件の顛末についての曖昧な状況説明が尚更に世間を騒がせてしまったんですねぇ。
あぁ、当時を思い出しても両手に大怪我をさせられた彼女の痛々しい姿は、もちろん心情的にもツライものを察して余りあるものでした。
しかし岡田奈々は、その事件を契機としてアイドルよりは本格的な女優業へと歩みを進め、息の長い活動を続ける事になるのです。
さて、そこで掲載したシングル盤は昭和55(1980)年10月に発売された1枚で、とにかくボサノバ歌謡のA面曲「静舞(クワイエットダンス)」は最高ですよっ!
当然ながら佐藤健の作編曲は、時代の要請として最先端のモダンなフィーリングを導入していますが、基本のメロディは王道歌謡曲に洋楽AORを巧みに混ぜ込んだ素晴らしさですし、三浦徳子の綴った歌詞が、これまた胸キュン性感度は良好♪♪~♪
そしてなによりもグッと惹きつけられるのが、幾分拙い岡田奈々の節回しで、特に最初のスローなパートの危うい感じがインテンポしてからのせつなさに繋がるんですから、これは用意周到と言うよりも、完全に彼女の資質を活かしきったプロデュースの勝利でしょう。
バックの上手すぎるジャズフィーリングもイヤミがありませんし、まさに切々と歌う岡田奈々は最高~~~♪
実はご存じの皆様も大勢いらっしゃるはずですが、この時期の岡田奈々はテレビの2時間サスペンスドラマ「江戸川乱歩の美女シリーズ / 魅せられた美女」のヒロインとして好演♪♪~♪ しかも劇中では人気歌手役でしたから、ラストシーンを締め括るのが、この「静舞」でありました。
詳しくは前述の拙稿「魅せられた美女」に書きましたが、とにかく健気に歌う彼女の姿には、本当に魅せられてしまいますよ♪♪~♪
う~ん、やっぱり彼女は「守ってあげたい」タイプの美女だと思いますねぇ~~♪
サイケおやじが本気で岡田奈々のファンになったのは、この時からです。
ということで、こんなせつないボサノバ歌謡も、また夏には必需品でしょう。
あっ、それと件の「魅せられた美女」のDVDも、ぜひっ!