OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

山本リンダの素敵な暴走

2013-06-03 15:03:44 | 歌謡曲

どうにもとまらない / 山本リンダ (キャニオン)

昭和47(1972)年6月、以降の我国歌謡界を変えてしまった傑作レコードが発売されました。

それが本日掲載した山本リンダのシングル盤で、特にA面曲「どうにもとまらない」の社会現象になったほどの強い印象は、既に40年以上の時が流れた現在でも失せていないと思います。

なにしろイントロから炸裂するラテンビートのパーカッション乱れ打ちから当時の流行最前線だったブラスロック系リフとディストーション効きまくりのギターが爆発すれば、蓮っ葉な歌詞をエグ味を交えて歌いまくる山本リンダのアクションが実に狂おしく、まさに曲タイトルどおり、ど~にもとまらなくなるのは世の中の飢えた(?)野郎ども!

しかも彼女の衣装が当時としては破天荒とも言える「へそ出し」だったんですから、冷静に見れば大袈裟と思える振り付けをさらにオーバーアクションで演じる姿は痴態狂態!?!

と、決めつけられるギリギリ感がありましたですねぇ~~♪

そしてもうひとつ、絶対的な魅力の根源が、山本リンダというアイドルが突然、ここまでやってしまったっ!

そういう「ぶっ飛んだ」感性の暴力的フィーリングです。

特に持ち前の個性だった、例の「舌ったらずな唱法」をガラリと変えた大変身は忽ちにして注目を集め、お笑い芸人のネタにもされるほどの革新性が!?

ご存じのとおり、その頃の彼女は歌の世界では些か迷い道が続いていましたし、それゆえに「仮面ライダー」のような特撮ドラマに出たり、芸能活動の起点となったモデル業に戻ったりでしたから、再び歌の世界で驚異の大ブレイクを果たしてみれば、やっぱり存在感が違います。

また、楽曲としての「どうにもとまらない」は阿久悠の作詞もさることながら、作編曲を担当した都倉俊一の分かり易さ優先主義とそれを支える用意周到な仕掛が冴えわたり、例えばストリングの使い方がリズム中心の曲メロを上手く活かす結論を導いているのは流石だと感服!

ですから山本リンダがどんなにセクシーな動きをやろうとも、歌そのものを疎かには出来ない仕組みが設けられているんじゃ~ないでしょうか。

そしてこの大ヒットを契機に、我国芸能界には「セクシーアクション歌謡」というジャルンが誕生し、続々とフォロワーが登場していくのですから、その威力は絶大だったというわけです。

ちなみにサイケおやじが山本リンダの「どうにもとまらない」に初めて接したのは、ちょうど今頃のある休日、某イベント会場でキャンペーン出演していた彼女が生ライプで演じてくれた新曲としての幸運な出会いでした。

と言うよりも、その時は「山本リンダ」がそこへ出るという事実すら知らず、何んとなく(?)現れた彼女の露出度の高い衣装と暴虐とも思えだエロアクションで歌われたのが、ラテン&ブラスロックなアップテンポ曲ということで正直、唖然とさせられた記憶があるんですねぇ~~!?!

だって、サイケおやじの世代では「山本リンダ=こまっちゃうナ」という図式の甘えん坊な女の子アイドルでしたからねぇ、そりゃ~、年齢的にキツイ時期に入ってしまえば、大人の歌をやらざるをえないとは分かっていても、ここまでやるかっ!?

という受け止め方をするのが、やっとだったんですよっ!

しかし同時に、忽ち「どうにもとまらない」の虜になったのも揺るぎない真実であり、あたらめて山本リンダのスタア性を認識させられました。

ということで、今更サイケおやじか稚拙な筆を弄するまでもなく、「山本リンダ=どうにもとまらない」は歴史的事実になっているでしょう。

そういう場面に立ち会えた幸せも、確かにあると思っています。

コメント (6)
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