OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

渥美マリの刺激と鮮烈

2013-06-28 14:47:38 | 歌謡曲

■好きよ愛して / 渥美マリ (大映レコード)

昭和元禄の風景で今も強い印象を残しているのが、街中に堂々貼られていたストリップ興行やエロ映画のポスターでした。

そしてもちろん劇場の前には出し物を煽る巨大な看板やスチールが飾られていましたから、サイケおやじにも少年時代から日常的にそれらが刷り込まれていたわけですが、しかしそれにしても本日の主役たる渥美マリの登場は衝撃的!

と言うのも、ご存じのとおり、彼女の出ている大映作品が「いそぎんちゃく」「でんきくらげ」「裸でだっこ」「しびれくらげ」等々、なかなか日本男児の妄想を刺激しまくりの秀逸なタイトルでしたし、それが昭和44(1969)年頃から連続ヒットした事で、一般芸能誌や様々なマスコミに「渥美マリ」の名前が氾濫し、加えて水着やセミヌードのグラビア&ポスターが人気を集めていましたからねぇ~~♪

ただし件の映画の内容は、後の日活ロマンポルノに比べると格段にエロス性感度は低く、また渥美マリが完全に脱いでいたわけではありません。なにしろ肝心の場面は脱ぎ要員の代役になっていたのが定説であり、また前述の水着写真にしても、不思議と分厚い布地のビキニとか、直截的なスケベさはなかったわけですが……。

しかし渥美マリのナチュラルなフェロモン発散の佇まいは、やっぱりエロいっ!

それを思わざるをえない事は、例えば掲載したシングル盤のジャケ写からも、滲み出ているわけです。

まあ、今となっては大袈裟なメイクはさておき、面立ちや皮膚の質感までもが、エロいっ!

と言っては失礼でしょうか?

否、それを肯定するしかないのが、当時の渥美マリという女優の真骨頂だったと思います。

なにしろ高校を中退してまで大映の演技研究所に入り、そのまんま翌年、18歳で大映と専属契約以降は、まず人気特撮映画「ガメラ対宇宙怪獣バイラス(昭和43年)」にちょい役での出演がデビュー作ながら、良く知られているように、実は彼女の両親が同社の大部屋俳優であったという血筋からして、既に魅力がいっぱい♪♪~♪

告白すれば、サイケおやじはリアルタイムでそのガメラ作品を観ていますが、その時は渥美マリを意識させられる事が当然無かったのに、後に彼女の大ブレイクを知っての再鑑賞では意識しまくりの態勢があったとはいえ、ガールスカウト役が逆に不思議なほどのセクシーな佇まいに映っているのですから、驚かされますねぇ~♪

そして同期(?)の南美川洋子、八代順子とセットによる所謂性典路線で売り出され、殊更妖艶な佇まいと演技力で忽ち注目されたというわけです。

う~ん、当時を思い出しても、「妊娠」「セックスドクターの記録」「初体験」等々の諸作ポスターは、未だ中学生だったサイケおやじの目から脳裏に焼きつけられましたですねぇ~~♪

もろちん前述した軟体動物シリーズの主演作は、その後に制作公開されたわけですが、既に歴史になっているように、渥美マリも売れてしまえばお決まりの「もう、脱がない」宣言……。

現実的には経営破綻していた大映から逃げるように去っていきました。

ところがそれからの彼女は、どういうわけか精彩を欠き、精神的にも不安定だったと言われているとおり、芸名を変えたり、テレビにも積極的に出演しながら、結局はフェードアウトしています。

そして逆に、ポスト渥美マリというか、代役的に起用された松坂慶子や関根恵子=現・高橋恵子がスタア女優に伸し上がったのですから、世の中は儘なりませんが、それでも一時は救世主として大映を存続させる働きがあったのですから、松坂慶子や関根恵子にしても、タラレバの世界で語られるべき因縁は打ち消せないでしょう。

さて、そこでようやく本日の1枚なんですが、彼女が人気絶頂だった昭和45(1970)年の発売で、これは人気女優ならば当時の慣例として出された2枚目のシングル盤です。

ちなみにデビュー盤は日本初のヌードジャケットがウリだった「可愛い悪魔」で、なかなかの売れ行きだった事から勢いも強かったのでしょう、ここではエレキ&ピートポップスの典型的な昭和歌謡曲に仕上がっているんですが、肝心の渥美マリの歌唱力が???

その意味で作詞:白鳥朝詠&作曲:中村泰士のソングライターコンビが、かなりのプロの仕事の手際良さとでも申しましょうか、かえってターヘな歌が結果オーライじゃ~ないでしょうかねぇ~。

ということで、話はちょいとそれますが、大映という映画会社は完全主義者の集まりと言われるほど、深みのある作風だったんですが、昭和40年代に入ると映画産業そのものの不振から、それが裏目となり、何時しかエログロ風味の強い通俗物や怪談作品、あるいは「大魔神」や「ガメラ」シリーズに代表される特撮物ばかりがヒットしていたのですから、若い肉体派女優を積極的に求めていた社内事情も納得されるところです。

渥美マリは、まさにそうした時代にアクセス出来た存在であり、誰よりも輝いていた時期が短かったがゆえに、忘れられない女優だと思います。

掲載の私有盤にしても、当然ながら後追いの中古ゲットなんですが、以前の持ち主が相当に聴いていたらしく、レコードが微妙に白っぽくなっているのですから、彼女も幸せですよねぇ~。

あぁ、今夜は彼女の主演作DVDを観ようかなぁ~~。

コメント
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