OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

鹿島とも子の不可逆

2013-06-01 15:12:51 | 歌謡曲

あなただから許せるの c/w スキャンダル / 鹿島とも子 (東宝)

鹿島とも子の事を思う時、胸が苦しくなるのはサイケおやじだけでしょうか。

今更言いたくはありませんが、しかし、ど~しても世間は彼女が世界中を震撼させたオウム真理教事件に関わり、逮捕された騒動を忘れていないでしょうし、現在のあまり恵まれていない生活状況が報道されたりすると、なんともせつなくなってしまうんですねぇ……。

それは鹿島とも子があまりにも素晴らしい芸能の資質を持ち、日劇ダンシングチームのトップスタアから、さらに飛躍していた昭和40年代中頃の輝きを知っていればこその思い入れに他なりません。

とにかく男好きのする美貌とナイスバディで魅せるダンスと歌の素晴らしさは、「妖艶」という言葉意外に表現する術が無いほどで、日米ハーフという出自も真っ当なベクトルを指示していた証左かと思います。

もちろんサイケおやじはリアルタイムのテレビ深夜番組で舞い踊る鹿島とも子が大好きでしたから、歌謡曲のレコードを出してくれた事は大歓迎!

本日掲載のシングル盤は、まさにその中の1枚として、昭和48(1973)年に発売されたセクシーアクション歌謡の決定版♪♪~♪

つまり当時の山本リンダや夏木マリ等々と同じ路線上にある、ブラスロックやニューソウルを巧みに歌謡曲へ混ぜ込んだ仕掛けが、鹿島とも子にはジャストミートなんですねぇ~♪

それはとにかくA面「あたなだから許せるの」に針を落した瞬間から襲いかかってくるアップテンポのウネリが絶品の仕上がりで、咆哮するブラスとリズム&リードで冴えまくりのギターに煽られながら、逆に演奏をグイグイ引っ張っていくが如きボーカルのノリがたまりません♪♪~♪

ちなみに千家和也の綴った歌詞に秘められた(?)エロスのエグ味が、馬飼野俊一の附した曲メロの中で表現される時、主役の鹿島とも子は多分に意図的と思われる「さらりとした感触」優先主義のようですから、決して脂っこくないところは特筆物でしょう。

また、その意味でB面の「スキャンダル」がニューソウル丸出しのワウワウリズムギターやチャカポコのパーカッションに彩られながら、これまた素っ気無く歌われてしまえば、逆にフェロモン過多な雰囲気の横溢を感じてしまうのですから、罪深いですよ、これはっ!

過言ではなく、全くジャケ写どおりの歌と演奏が楽しめるわけです。

そして聴いていると、サイケおやじは今も歌って踊る彼女の姿が目に浮かぶという心眼状態♪♪~♪

あぁ~、尚更にせつなくなってしまいます……。

ということで、実はこのレコードも中古でゲットしたんですが、ご存じのとおり、彼女は翌年だったでしょうか、深い関係にあった男との交際がマスコミに報じられ、しかも妊娠していたという真相から、一時的に活動をストップしていたんですが、そんなこんなから当時、デッドストック扱いと思われる鹿島とも子のレコードが中古屋に出回り、サイケおやじはその機会に幾つか入手した中の1枚が、このシングル盤でした。

また、これも悲しい出来事でしたが、確か昭和57(1982)年頃の事故によって脊椎損傷の重傷から踊れなくなり、それがきっかけとなってオウム真理教へ……!? という流転があるのですから、人生は厳しく、険しいです。

幸せに対する基準は十人十色ではありますが、ど~しても彼女の場合は天性の美しさと素晴らし過ぎる芸能センスを持ち併せたがゆえに、それを使い果たしてしまった感がサイケおやじには拭いきれません。

う~ん、何かこのシングル盤収録の両面曲タイトルが暗示的とさえ思ってしまうほどです。

決して「運命のいたずら」と言いたくはありませんが、やっぱり辛いのが本音であります。

コメント (2)
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