■どうにもとまらない / 山本リンダ (キャニオン)
昭和47(1972)年6月、以降の我国歌謡界を変えてしまった傑作レコードが発売されました。
それが本日掲載した山本リンダのシングル盤で、特にA面曲「どうにもとまらない」の社会現象になったほどの強い印象は、既に40年以上の時が流れた現在でも失せていないと思います。
なにしろイントロから炸裂するラテンビートのパーカッション乱れ打ちから当時の流行最前線だったブラスロック系リフとディストーション効きまくりのギターが爆発すれば、蓮っ葉な歌詞をエグ味を交えて歌いまくる山本リンダのアクションが実に狂おしく、まさに曲タイトルどおり、ど~にもとまらなくなるのは世の中の飢えた(?)野郎ども!
しかも彼女の衣装が当時としては破天荒とも言える「へそ出し」だったんですから、冷静に見れば大袈裟と思える振り付けをさらにオーバーアクションで演じる姿は痴態狂態!?!
と、決めつけられるギリギリ感がありましたですねぇ~~♪
そしてもうひとつ、絶対的な魅力の根源が、山本リンダというアイドルが突然、ここまでやってしまったっ!
そういう「ぶっ飛んだ」感性の暴力的フィーリングです。
特に持ち前の個性だった、例の「舌ったらずな唱法」をガラリと変えた大変身は忽ちにして注目を集め、お笑い芸人のネタにもされるほどの革新性が!?
ご存じのとおり、その頃の彼女は歌の世界では些か迷い道が続いていましたし、それゆえに「仮面ライダー」のような特撮ドラマに出たり、芸能活動の起点となったモデル業に戻ったりでしたから、再び歌の世界で驚異の大ブレイクを果たしてみれば、やっぱり存在感が違います。
また、楽曲としての「どうにもとまらない」は阿久悠の作詞もさることながら、作編曲を担当した都倉俊一の分かり易さ優先主義とそれを支える用意周到な仕掛が冴えわたり、例えばストリングの使い方がリズム中心の曲メロを上手く活かす結論を導いているのは流石だと感服!
ですから山本リンダがどんなにセクシーな動きをやろうとも、歌そのものを疎かには出来ない仕組みが設けられているんじゃ~ないでしょうか。
そしてこの大ヒットを契機に、我国芸能界には「セクシーアクション歌謡」というジャルンが誕生し、続々とフォロワーが登場していくのですから、その威力は絶大だったというわけです。
ちなみにサイケおやじが山本リンダの「どうにもとまらない」に初めて接したのは、ちょうど今頃のある休日、某イベント会場でキャンペーン出演していた彼女が生ライプで演じてくれた新曲としての幸運な出会いでした。
と言うよりも、その時は「山本リンダ」がそこへ出るという事実すら知らず、何んとなく(?)現れた彼女の露出度の高い衣装と暴虐とも思えだエロアクションで歌われたのが、ラテン&ブラスロックなアップテンポ曲ということで正直、唖然とさせられた記憶があるんですねぇ~~!?!
だって、サイケおやじの世代では「山本リンダ=こまっちゃうナ」という図式の甘えん坊な女の子アイドルでしたからねぇ、そりゃ~、年齢的にキツイ時期に入ってしまえば、大人の歌をやらざるをえないとは分かっていても、ここまでやるかっ!?
という受け止め方をするのが、やっとだったんですよっ!
しかし同時に、忽ち「どうにもとまらない」の虜になったのも揺るぎない真実であり、あたらめて山本リンダのスタア性を認識させられました。
ということで、今更サイケおやじか稚拙な筆を弄するまでもなく、「山本リンダ=どうにもとまらない」は歴史的事実になっているでしょう。
そういう場面に立ち会えた幸せも、確かにあると思っています。
これは~毎週必ずみてました!
当時の最先端ファッションやよく水着にもなってくれてたし~
私はどうにも路線後半の燃え尽きそうや困っちゃう路線に回帰?した「きりきりまい」が好きです。
あの声で直接会って某宗教に誘われた事がありましたけど、クラッときましたね。
ふたごのリリーズにも誘われてクラクラッときました。
あれ、こういう感じ、どっかで経験したことがあるなあ、と思ったら小山ルミでした。
小山ルミが結婚してアメリカへ渡る前に録音したものは、軽い声と本格的な声を組み合わせた高度な音楽でした。
リンダほど一般的でないので、殆どの人はわからないと思いますが、小山ルミの魅力はつきないので、音楽好きなら是非とも経験してほしいものです。
コメントありがとうございます。
「仮面ライダー」でのリンダはホットパンツでフェンシングみたいなアクション、やってませんでしたっけ?
妙に色っぽくて、当時の男子には「性の目覚め」だったかもしれませんねぇ~♪
それとリリーズも、そうだったとは知りませんでした。
またリンダの仏壇のCMも、懐かしいですね(笑)。
コメントありがとうございます。
仰るとおり、小山ルミは山本リンダ以前にセクシーアクション歌謡に先鞭をつけていたんですが、例えば「グットがまんして!! 」や「さすらいのギター」あたりにしても、衣装はキワドイんですが、振付がイマイチ、物足りませんでした。
どっちかと言えば、欧陽菲菲と由美かおるの折衷路線を狙っていたのかもしれません。
そして山本リンダが再ブレイクした時は、なにか洋楽カバーの正統派歌謡ポップスにシフトしていたんですから、直接対決が無かったのは残念でした……。
拙プログには小山ルミについて幾つか掲載してきましたので、よろしければ、ご一読願います。
「こまっちゃうな~」の頃が、僕が小1か小2くらいでしたが、そこから「どうにもとまらない」までの期間は歌手活動をしていたのでしょうか?まったく記憶がありません。
元々モデルさんでしたっけ?ならばモデル活動をしていたのかな?
コメントありがとうございます。
歌は世につれ、世は歌につれ、云々言われるとおり、時代を思い出させる魔法があります。
ブラモデルも小学生時代は、それなりに作ってましたよ。
山本リンダはずぅ~~っとレコードは出し続けていましたが、「こまっちゃうナ」があまりにもイメージ強烈でしたから、以降が目立ちませんでした。
でも、良い楽曲も、しっかりあるんですよ。
それらも追々、ご紹介していきますね。