OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

洋食屋の平山三紀が好き♪

2009-09-05 11:44:15 | 歌謡曲

ビューティフル・ヨコハマ / 平山三紀 (日本コロムビア)

日本歌謡史に燦然と輝く大名曲「真夏の出来事」を歌ってしまったことで、平山三紀は永久に不滅の存在になっていますが、果たしてその事が良かったのか、否か……?

なんて書いてしまうと、きっと世界中の皆様から顰蹙でしょうねぇ。はい、お叱りは覚悟していますし、「歌ってしまった」と書いたのも、それゆえの覚悟です。

というのも説明不要かと思いますが、「真夏の出来事」はソウルミュージックを色濃く滲ませた洋楽ポップスの傑作歌謡メロディですし、その完成されたアレンジと演奏、悲しい出来事が起こらないように、直向きに瞬間を生きようとする女心の刹那の気持を綴った歌詞を、クールに感情移入した平山三紀が畢生の名唱♪♪~♪

それには素直にシビレて、私も大好きです。

さて、ここで少し話は変わりますが、世界中で一番、いろんな国の料理が食べられるのは日本だと言われています。

しかし我国で提供される諸外国の料理は、多かれ少なかれ、その味が日本人向けに改良されている内幕は言わずもがなだと思います。

それが究極に行ったのが、レストランではなく、洋食屋で出される料理だと思いますが、昭和も後期になると、「洋食屋」はダサいので、例えなんであろうとも「レストラン」の方がお洒落だという世相になりましたですね。

ところが更に年月が流れると、所謂「B級グルメ」の再発見に伴い、「洋食屋」の味わいが懐かしさとともに、新鮮な存在として注目されはじめました。

で、「真夏の出来事」は「レストラン」、そして「ビューティフル・ヨコハマ」が「洋食屋」じゃなかろうか?

というのが、本日の結論です。

この曲は「真夏の出来事」の前、昭和45(1970)年11月に発売されていた平山三紀のデビューシングルでしたが、当然のようにヒットしていません。

もちろん作詞:橋本淳、作曲:筒美京平という、「真夏の出来事」以降にも素敵な楽曲を彼女に提供し続けたゴールデンコンビなんですが、その曲調や歌そのものが、「真夏の出来事」と比較して、古臭いのは確かでしょう。

ご推察のように、この「ビューティフル・ヨコハマ」は、いしだあゆみの代表曲「ブルーライト・ヨコハマ」の続篇ともいうべき位置付けでしょう。当然、作詞作曲は前述のゴールデンコンビですが、異なる大きな味わいは、「ビューティフル・ヨコハマ」は「コブシ」がなければ歌えない楽曲だという点じゃないでしょうか。

実際、平山三紀の歌いまわしは完全に「コブシ」が全開しています。

が、しかし、流石は橋本&筒美!

重いビートの土台を固めるエレキベース、絶妙のアクセントに使われるタンバリン、ホーンセクションのイナタイ雰囲気の良さ、薄めのストリングも素晴らしいアレンジだと思いますし、何よりもエグイ味わいの平山三紀の声質を最初っから想定したと思われる曲作りの妙が、聴くほどにジワジワと効いてきますが、いかがなもんでしょう。

繰り返しますが「真夏の出来事」は、あまりにも洗練されていました。それゆえに、その後に「ビューティフル・ヨコハマ」を聴くと、なんてダサイ……!? これが正直な気分でしょう。

以降の彼女は、さらに洋楽テイストを強めた楽曲を歌い続け、それはロックやソウルしか聴かない青少年にも末長く愛され、また昭和歌謡曲を追体験される皆様からも、絶大なる支持を獲得しています。

しかし私は、もちろん「真夏の出来事」は大好きですが、「ビューティフル・ヨコハマ」路線の彼女の「コブシ」を、もう一度ど聴かせて欲しいと念じつつ、今日まで来てしまいました。

「真夏の出来事」が「レストラン」、「ビューティフル・ヨコハマ」が「洋食屋」という構図を強引に描き出したのは反省するところです。

しかし、やはり古いタイプのサイケおやじは「洋食屋」を、こよなく愛しているのでした。

ビュ~ティ~フルな、お話ねぇ~~♪

コメント (2)
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