近々、ネットオーションから海賊版商品が追放される噂がありますね。
ネット販売とかも規制されるとツライものがありますけど、実際問題として海賊版はイケナイものですから……。
ということで、本日はなんとなく、これを聴きました――
■La Fiesta / Claude Williamson (Interplay)
フュージョン爛熟期~4ピート復活期には、ベテラン達からの久々の便りというようなアルパムが、時折ひっそりと発売されていました。
この作品もその1枚で、主役は西海岸派の白人ピアニストとして根強い人気のクロード・ウィリアムソンです。しかも演目が比較的新しめのジャズオリジナル曲というあたりが泣かせます。
録音は1979年8月6日、メンバーはクロード・ウィリアムソン(p)、サム・ジョーンズ(b)、ロイ・ヘインズ(ds) という、存在感抜群のトリオです――
A-1 La Fiesta
チック・コリア(p) が書いた説明不要のオリジナルで、スパニッシュモードに彩れた旋律が、限りなくジャズ者の琴線に触れまくる名曲です。
ここでの演奏はクロード・ウィリアムソンが極めて正統派なピアノスタイルで真っ向勝負していながら、テンションの高いロイ・ヘインズのドラムスやサム・ジョーンズのグイノリ・ベースに煽られて、徐々に突っ込んだ雰囲気になっていくあたりが、スリリングです。
その問題のロイ・ヘインズはドラムソロまで演じていますが、激しさと抑制のバランスが崩れそうで崩れない、微妙な違和感が魅力です。
A-2 The Love Of Child
クラシックの小品のようなクロード・ウィリアムソンのオリジナル曲です。
スローな展開で演じられるソロピアノの世界なんですが、意外に聴かせてくれますねぇ。クラシックの素養が感じられるピアノタッチが潔い響きです♪
A-3 First Trip
ベースの巨匠=ロン・カーターが書いた、これも名曲ですが、初っ端からロイ・ヘインズのビシバシのドラムスが曲をリードして、クロード・ウィリアムソンの洒脱なピアノが冴え渡る名演になっています。
ちなみにこの曲はハービー・ハンコック(p) のバージョンが有名なので、どうしてもそのイメージから逃れられない宿命とはいえ、このバージョンもそれなりに素敵な仕上がりだと思います。
それはバド・パウエル直系のビバップスタイルを基調にしながらも、新しいフレーズやコードバリエーションを積極的に取り入れて進化した、当にクロード・ウィリアムソン、ここにありの証明です。
演奏はクライマックスでロイ・ヘインズのシャープな変態ドラムソロもあって、溜飲が下がります。
B-1 In Your Quiet Place
キース・ジャレット(p) が書いた泣きの名曲で、カントリーゴスペル味がたまりませんが、クロード・ウィリアムソンは、そこを大切にしつつも、正統派ジャズの手法で料理しています。
もちろんサポートするサム・ジョーンズはツボを外していませんし、擬似ロックビートを叩くロイ・ヘインズのイモ寸前のグルーヴが、逆にイイ感じ♪ 本当に何時までも浸っていたい世界ですねぇ~♪
B-2 Nica's Dream
ご存知、ホレス・シルバー(p) が書いたオリジナルで、モダンジャズでは決定的な人気のある名曲なので、幾多の優れたバージョンが存在していますが、これもそのひとつだと思います。
まずクロード・ウィリアムソンがスローな展開で思わせぶりを演じ、続いてラテンピートでのテーマ提示が、やはり哀愁を誘います。ただしロイ・ヘインズのドラムスがヘヴィ過ぎるような……。
B-3 Black Forest
オーラスは1950年代の同時期に、クロード・ウィリアムソンのライバルとして西海岸で活躍していた黒人ピアニストのハンプトン・ホーズによって書かれた、比較的新しめの名曲が、なかなか意味深に演奏されています。
まず前半は思わせぶり、中盤からは快適な4ビートに方針転換♪ サム・ジョーンズの野太いサポートを受けてグルーヴィな展開となっていくのです。あぁ、こういう普通のノリが大切にされているあたりに、私はリアルタイムの発売当時、ワクワクさせられたものです♪
ということで、今となっては全然どうって事ない演奏かもしれませんが、なんとなく忘れがたいアルバムになっています。
ちなみにジャケットカバーはデビッド・ストーン・マーチンですから、現在ではオリジナル盤がジャケ買いの対象となっているとか……。
いやはやなんとも……、ではありますが、気が向いたらジャズ喫茶でリクエストしてみて下さいませ♪