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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

和みのマッコイ♪

2006-11-11 17:42:08 | Weblog

新車を買うって、やっぱりウキウキしますねぇ~♪ 後はお金の工面だけですが……。

ということで、本日はこれにしました――

McCoy Tyner Plays Ellington (impulse)

懐かしの連想ゲーム!

マッコイ・タイナーと言えば、すぐさまジョン・コルトレーンでしょう。とにかく精力絶倫! 垂れ流し寸前のフレーズが洪水のように押し寄せる、その醍醐味がマッコイ・タイナーのピアノスタイルでしょう。

実際、ジョン・コルトレーンとの共演以外でも、マッコイ・タイナーの人気盤は、ほとんどがそういうスタイルで押し通した作品ばかりです。

しかし、本質はどうなんでしょう? 例えばジョン・コルトレーンのバンドの一員として録音された、歌手のジョニー・ハートマンのリーダー盤では、ビル・エバンスっぽいアプローチを聴かせてくれましたが、そんな繊細な感覚なんて、全く無視されていたのが1970年代だったと思います。特に日本のジャズ喫茶では、その傾向がモロに……。

ですから、このアルバムは私にとって、長い間、ノーマークの1枚でした。

内容はタイトルどおり、ズバリとデューク・エリントンのソングブック♪ 録音は1964年12月7&8日、メンバーはマッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) のトリオに、曲によってウィリー・ロドリゲスとジョニー・パチェコのパーカッションが加わっていますが、録音日が2日に渡っているので、どっちがどっちなのか、判別出来ません――

A-1 Duke's Place
 ド頭の演奏にしては、ちょっとタイトルで戸惑いますが、実はお馴染みの「C Jam Blues」と同じ曲です。ちなみにデューク・エリントンのバンドでは、ボーカルバージョンになると、この曲名が使われていたようです。
 ここでの演奏は重いベースと軽快なパーカッションに導かれ、暗めなマッコイ・タイナーのピアノが、芳醇なブルースフィーリングを醸し出していきます。
 エルビン・ジョーンズは控えめですが、それでも要所でキメの一撃を放つなど、やはり存在感がありますねぇ~♪ 短い演奏なのが勿体無いところです。

A-2 Caravan
 デューク・エリントンのヒット曲と言うよりも、我国ではエレキバンドのザ・ベンチャーズの十八番として、私の世代ならば誰もが知っている曲でしょう。
 ここでの演奏はパーカッションの存在を存分に活かしたアレンジで、エキゾチックな部分と迫力の4ビートを上手く融合させたリズムアレンジが自然体で、なかなか好ましい仕上がりです。
 マッコイ・タイナーのピアノからは暗く饒舌な響きが溢れ出していますし、エルビン・ジョーンズも自己主張を忘れていませんから、つい、ボリュームを上げてしまいます。

A-3 Solitude
 原曲はゆったり感が魅力の名曲ですが、ここでは純粋ピアノトリオで軽妙洒脱♪ アップテンポでスインギーに演奏するマッコイ・タイナーが、なかなか本領発揮だと思います。
 それは歌心と猛烈早弾きのバランスの良さ♪ バックのエルビン・ジョーンズもネバリのブラシが冴え、またジミー・ギャリソンのベースも堅実な土台作りに腐心しています。
 ちなみに、このトリオは当時のジョン・コルトレーンのリズム隊でしたが、日に日にフリー化していくリーダーとリズム隊の人間関係は良好では無く、特にマッコイ・タイナーは困惑させられていたそうです。う~ん、確かにこの演奏を聴くと、このピアニストの保守性というか、本当にやりたかったのは、こういう和みのハードバップだったのかなぁ……、と思います。
 いやぁ~、本当に素敵な演奏なんですよ♪

A-4 Searchin'
 再びパーカッションが加わったグルーヴィな名演です。
 全員が絶妙のタメとモタレに撤し、なおかつスイングを心がけたノリが楽しい限りです。
 もちろんマッコイ・タイナー独自のスケール練習的なフレーズや暗いブロックコードの炸裂もありますが、それ以上に歌心が大切にされているので、嫌味になっていません。チャカポコのパーカッションが本当に効果的ですねぇ~♪

B-1 Mr.Gentle And Mr.Cool
 ジミー・ギャリソンがベースでリードするリフとマッコイ・タイナーの暗いピアノが絶妙にマッチした、これなんか如何にもジャズ喫茶的な演奏だと思います。
 全体にグルーヴィな雰囲気が横溢していますし、厳しい中にもリラックスしたノリが、もう最高です。もちろんエルビン・ジョーンズも恐怖の一撃とポリリズムの乱れ撃ち! シダー・ウォルトン(p) あたりが好きな人にも、たまらんはずですよ♪

B-2 Satin Doll
 お馴染みの人気曲がパーカッション入りで、ノリノリに楽しく演奏されています。
 マッコイ・タイナーのピアノからは、ジョン・コルトレーンとの共演で聴かせているフレーズが連発されますが、何故か疲れる雰囲気ではなく、あくまでも和み感が強調されています。
 ちなみにこの曲はリーダー自身のお気に入りらしく、このアルバム以前に吹き込まれた「ブルースとバラードの夜=通称ブルバラ(impulse)」でも演奏していますが、個人的には、こちらのバージョンが好みです。なにしろエルビン・ジョーンズが叩いていますからねぇ~♪

B-3 Gypsy Without A Song
 ラテンリズムを複合して拡大解釈したようなビートと魅惑のテーマメロディがビシッとキマッた力演です。
 全篇で、これぞマッコイ・タイナーという「節」がたっぷり出ていますし、エルビン・ジョーンズの強力なブラシ、エグ味が強いジミー・ギャリソンのベースがピアノトリオの醍醐味をたっぷり聴かせてくれます。

ということで、これはマッコイ・タイナーとしては目立たないリーダー盤ですが、なかなか味わい深い仕上がりだと思います。

ちなみにこのトリオが翌日、ジョン・コルトレーンの「至上の愛(impulse)」のセッションに参加したのは有名なエピソード! 全くどっちが本音か分からなくなるような、素晴らしい日々だったわけですねぇ~。

そして、ついに翌年、ジョン・コルトレーンのバンドを辞めたマッコイ・タイナーは、自分のトリオで活動しようと目論んだそうですが、全く仕事の無い状態に追いやられてしまいます。それは、このアルバムのようなリラックス路線を追求したのでしょうか?

まあ、世間の目は、あくまでもジョン・コルトレーンのバンドレギュラーとしてのマッコイ・タイナーに価値を見出していたのでしょう。

結局、マッコイ・タイナーは、そんな壁に突き当ったのでしょうか? 1967年になってようやくブルーノートと契約出来た後は、コルトレーンの遺産継承者のような演奏に邁進するのですが、それゆえに人気が沸騰しても、どうも本音はこの作品のようなハード&リラックス路線だったような気がしています。

それは聴いていただければ分かりますが、とても魅力的な演奏です。

そしてマッコイ・タイナーは1980年代中頃から、第一線から引いたような印象になりましたが、発表される作品は明らかに、このアルバムの路線を継承していると思います。

本日、久々に聴いて、ジャズの楽しさを再認識してしまいました。

コメント (2)
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