今日は快晴でしたねっ♪ 朝はそれなりに寒かったんですが、日中はポカポカと♪
しかし、ちょっと用事で行った郵便局で高圧的な対応に接し、逆ギレしそうでした。民営化も間近いはずのところが、こんな客あしらいをしていいのか!?
あまりのバカらしさに、最後場は、ついには笑ってしまいましたよ。関西では、そういう奴のことを「スカタン」と言うらしいです。側にいた別なお客さんが、そう教えてくれました。
ということで、本日はこれにしました――
■Hampton Hawes Trio And Quartet 1951 - 1956 (Fresh Sound)
ハンプトン・ホーズは西海岸で活躍した黒人ピアニストで、ビバップ~ハードバップを基調にしながら、自分だけの「節」を持った才人でした。
もちろん当時のジャズメンに付物の麻薬癖や徴兵で、良い時期に活動出来なかったこともありますが、様々な発掘音源も含めて、やはり全盛期は1950年代だったと思います。
この2枚組CDは、当にその時期を楽しめるブツで、公式音源に加えて様々な発掘音源を集大成してあります――
CD-1:Live Sessions
01 Buzzy
02 What Is This Thing Called Love
03 Bud's Blues
04 Another Hair Do
05 All the Things You Are
06 Blue Bird
まず以上の6曲は、1951年9月22日、クラブ「ヘイグ」でのセッションです。
メンバーはハンプトン・ホーズ(p)、ハーパー・クロスビー(b)、ローレンズ・マラブル(ds) のトリオで、アナログ盤では以前「East West Controversy (Xanadu)」に収められていた快演♪
全篇でバド・パウエル直系のビバップ魂が炸裂していますが、ハンプトン・ホーズは、すでに独自のフレーズを随所で聴かせています。
録音状態はチリチリと雑音がありますが、各楽器のバランスが良く、またマスタリングも秀逸なので、普通に聴けるレベルです。
演目も十八番のブルースから歌物まで、絶好調の得意技がたっぷりと味わえるのでした。
07 I'll Remember April
08 Where or When
09 All God's Chillun Got Rhythm
続く3曲は、1952年2月12日、「サーフクラプ」でのセッションです。
メンバーはジョー・モンドラゴン(b) とラリー・バンカー(ds) を従えてのトリオで、これもアナログ盤では「Hampton Hawes Memorila Album (Xanadu)」に収められていたものです。
音質は前の6曲と同様の普通に聴けるレベルです。
肝心の演奏は、ハンプトン・ホーズのビアノスタイルにバド・パウエルばかりではなく、特に「I'll Remember April」に顕著なように、ジョージ・シアリングあたりの洒落たフレーズが混じってきているのが確認出来ます。
もちろん「All God's Chillun Got Rhythm」はビバップの快演ですが、やや元テープにヨレがあるみたいで、音質が劣るのが残念……。
10 Jumpin' Jacque
11 Don't Get Around Much Anymore
12 Hawes' Paws
13 It's You or No One
14 Buzzy
この5曲は1952年9月9日、クラブ「ヘイグ」でのセッションです。
メンバーはジョー・モンドラゴン(b) にシェリー・マン(ds) の強力トリオですから、ここでは非常に溌剌とした演奏が展開され、ブルースフィーリング満点のネバリ、ヒネリの効いた早弾き、ブロックコードの黒っぽさ等々、ハンプトン・ホースの真髄がたっぷりです。
また意表を突いてスローな展開を聞かせる「It's You or No One」も、劇的なアレンジが憎めません。
ちなみに、この音源も前述した「Hampton Hawes Memorila Album (Xanadu)」に収められていたものですが、雑音が軽減されたマスタリングが良好♪
15 Just One of Those Things
16 Again
17 What a Difference a Day Made
18 Blue Bird
これもクラブ「ヘイグ」でのセッションで、録音は1952年12月23日、メンバーは前5曲と同じトリオです。
もちろん演奏は快調ですが、演目のアレンジがより緻密になっている印象です。
ハンプトン・ホーズはスタンダード曲での歌心が豊かですし、ドラムスのツッコミとベースの絡みも、秀逸♪ 個人的にはジワジワと盛り上げてハードバップになっていく「What a Difference a Day Made」が気に入っています。
ちなみにこの音源も前述した「Hampton Hawes Memorila Album (Xanadu)」に収められていたものの復刻です。
CD-2: Studio Sessions (except live tracks #16-18)
01 Night and Day
02 Where or When
ディスク2はスタジオ録音が中心で、この2曲は1952年春に録音されたディスカバリーからのSPが元ネタです。
メンバーはハンプトン・ホーズ(p)、ハリー・ババシン(b,cell)、ラリー・バンカー(ds,vib) という、興味深々の顔ぶれ♪ そして多重録音も使った完成度の高い演奏になっています。
とはいえ、そういう仕掛けは、イノセントなジャズ者が忌み嫌うところ……。しかしこれが最高の気持ち良さで、全員が素晴らしいソロとアンサンブルを聴かせてくれるのでした。
2曲とも、聴かず嫌いは損をするという見本のような演奏です。
03 Jumpin' Jacque
04 Don't Get Around Much Anymore
05 It's You or No One
06 Thou Swell
この4曲もディスカバリーのSP音源かと思われますが、録音は1952年9月10日、メンバーがハンプトン・ホーズ(p)、ジョー・モンドラゴン(b) にシェリー・マン(ds) という事は、ディスク1のトラック「10」~「14」と同一メンバーによる翌日の演奏ですから、悪いわけがありません。
実際、全てが最高で、ハンプトン・ホースというピアニストの完成形が、ここで聴かれると思います。
07 Terrible T
08 Fanfare
09 Just Squeeze Me
10 I'll Remember April
11 Hamp's Paws
12 Move
13 Once in a While
14 Buzzy
以上の8曲はプレスティッジ音源なので、珍しくはものではありません。
録音は1952年12月、メンバーはハンプトン・ホーズ(p)、ラリー・バンカー(vib)、クラレンス・ジョーンズ(b)、ローレンス・マラブル(ds) で、その編成からMJQ的な雰囲気もありますが、それ以上に濃いめの味付が楽しめる、ストレートなモダンジャズになっています。
特にハンプトン・ホーズは全盛期のフレーズを弾きまくり♪ 緻密なアレンジも楽々こなし、過激な音使いも楽しめるという、何気なく凄い演奏ばかりだと思います。
15 I Hear Music
徴兵や麻薬のせいでブランクが空いた後の演奏で、録音は1955年5月2日、メンバーはハンプトン・ホーズ(p)、レッド・ミッチェル(b)、メル・ルイス(ds) という、西海岸のオールスタートリオです。
ちなみにこのトリオは、同日行われたパシフィック原盤によるバド・シャンクのリーダーセッションでのリズム隊で、この演奏は同社のオムニバス盤に、ひっそりと収められていた隠れ名演です。
う~ん、やはり全盛期のハンプトン・ホースは、物凄い勢いです♪
16 All the Things You Are
17 I Got Rhythm
18 How High the Moon
この3曲は、1956年5月15日、ニューヨークの「エンバーズ・クラブ」でのライブ録音で、メンバーはレッド・ミッチェル(b) とチャック・トンプソン(ds) という、全盛期のハンプトン・ホーズ・トリオ!
もちろん、あのコンテンポラリー・レーベルの名盤「Vol.1~3」と同一のグルーヴが満喫出来ます♪
ちなみにこの音源も、前述した「Hampton Hawes Memorila Album (Xanadu)」に収められていたもので、録音状態も普通に聴けるレベルですので、最高の演奏を、じっくりと、お楽しみ下さいませ♪
ということで、全て既発音源ばかりですが、ハンプトン・ホーズの全盛期と私が勝手に思い込んでいる時期の演奏が、これだけ纏めて聴けるブツはありがたいところ♪ 音質も極上ではありませんが、普通に聴けるので、問題無いと思います。
皆様良くご存知のとおり、ハンプトン・ホーズは徴兵されて日本に進駐していた頃、守安祥太郎(p) や秋吉敏子(p) をはじめとした我国のジャズメンの多大な影響を与えていますが、その前後の録音をこうして聴くと、こんな超一流のジャズピアニストが兵役とはいえ、来日していたのは奇跡と感じます。