松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

佳菜子スマイルが帰ってきた、佳菜子クライというべきか

2013-12-23 08:22:19 | スポーツ

女子のショートはすさまじかった。ジュニアの宮原知子が高得点を

たたき出した時点から、それは始まっていた。有力選手全員がジャンプを

決め、ほとんどノーミスで来ていた。小さい宮原のあとに見た今井遥の滑りは

異常に速かった。スピードスケートか、というほどに。これで60.63を出しても

6位だから表彰台をねらうには厳しいだろう。

最後から2番目に滑った村上佳菜子の演技で感動は頂点に達した。

実況の場違いなコメントがそれを物語っている。

「渾身のショートプログラム。佳菜子スマイルはどうなんでしょうか。

涙とともに、微笑み返し。」意味が分からん。

泣きながら戻って山田コーチに抱き付く。この泣き顔が埼玉スーパーアリーナの1万人の

観客の笑いを誘った。おそらくスクリーンに大写しにされているのだろう。

決してバカにした笑いじゃない、温かい笑いだった。

キスアンドクライでは自分の映像が流れ、それを見ていた自分に切り替わると

再び笑いが起こり、村上佳菜子は笑ったり泣いたり、とにかくクシャクシャだ。

点数が出るとコーチに祝福されながら今度は大泣き。「ウーッ、ウーッ」と声に出して

泣きながら山田コーチに抱き付く。「泣いているんだか、笑っているんだか」と実況。

はっきり泣いているじゃないか。この場面はキスアンドクライの名場面として永久に

残るだろう。佳菜子クライとして。

そのあとの鈴木明子もまた冷静だった。どうしてみんながみんな、こうも自己ベストの

滑りができるのだろう。それは各自のコメントにも表れていた。

ここが最高の舞台だからだ。

最高の舞台で、最高の観客に囲まれて演技ができる。

できる場に居合わせた幸運がそうさせたのだと思う。

ただひとり、高橋大輔だけはステージに立てる状態ではなかった。

結果はどうあれ、この最高の舞台で踊れたことに

彼もまた満足していることだろう。

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