松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

デジタルリマスター版「映像の世紀」第9集「ベトナムの衝撃」

2015-09-27 18:43:47 | 日記・エッセイ・コラム

「映像の世紀」デジタルリマスター版、第9集「ベトナムの衝撃」を見ました。このシリーズは以前からありましたが、同じものを高画質化したもので、昔のモノクロ映像のフィルムが、非常に輪郭がはっきりして、立体感が出ています。1995年から96年にかけて放送された時、何かに録画しておいたはずですが、今回また録っておきました。

 北ベトナムのホー・チ・ミンが、同胞をアメリカ帝国主義から解放するというスローガンを掲げ、南ベトナム領内に「民族解放戦線」が結成されたのが、1960年12月。私が小学校に入学したばかりの頃でございます。南では仏教徒が弾圧され、僧侶の焼身自殺の様子が流れます。事前に予告されたので、始めから終わりまで記録されています。燃え上がる炎を前にして、信徒が駆け寄り、一人、二人と地面に頭をつけ、祈りを捧げます。こうした映像が南ベトナム情勢の悪化を世界に伝え、アメリカのベトナム政策に対する批判が高まることになります。(ナレーションの通り)この時、ゴ・ディン・ジェム政権のゴ・ディン・ニュー夫人の言ったことが強烈です。「仏教徒たちが何をしました? 彼らがしたことと言えば、僧侶の一人をバーベキューにしただけ。あのバーベキューも矛盾してるわよ。反米運動なのに、アメリカ製のガソリンを使うなんて。」

 1963年11月、この政権はアメリカの黙認のもと、クーデターにより失脚しました。この時の大統領がケネディで、新政権を強化することによって、2年以内にベトナムから手を引く決意でした。しかしあの通り、狙撃されてしまいます。

 ボクたちは、歴史を目の当たりにしていたんですね。キング牧師の暗殺、黒人差別のごたごたがあって、1965年2月7日、トンキン湾事件をきっかけに、ジョンソン政権は初めて北爆を開始。中学生の時、ナパーム弾のさく裂する音を、ラジオで聞いて、ショックを受けた記憶があります。

 捕虜となった解放戦線の兵士が、南ベトナム国家警察の本部長の前に引き出され、頭を撃ち抜かれました。この路上での処刑は、世界に計り知れない衝撃を与えました。アメリカがついているのは、正義の側なのか、という疑問が一層深まることになりました。(これもナレーションの通り)1975年4月30日、サイゴン陥落。後にも先にも、アメリカが負けた唯一の戦争。それを目撃していたんですね。ただ、自分は就職するために必死で、それどころではありませんでした。

 茶の間に居ながらにして、歴史の瞬間を目撃できた世紀。えっ、照ノ富士が優勝決定戦で鶴竜に負けた? へえ、相撲やってたんだあ。まだ日本人は、参加してる?

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