アレですね。今、相撲界を支えているのが、解説の北の富士さんですね。
あの方は自由です。フリーです。それがボクへの慰めになっています。
ビデオが流れて実況席に映像が変わります。北の富士さん、横向いて外野とやり合っています。アナの質問に「えっ、なんでしたっけ?」
遠藤が朝乃山に勝ったことで俄然、遠藤がレースの主導権を握りました。それで遠藤に話を振ると北の富士は、三賞の有力候補だね、としか言いません。優勝争いの本命を聞きたいアナに対して、その話はのらりくらりと、はぐらかします。このことでボクは思ったネ。彼もまた、遠藤に期待しているんだ。(北の富士コラムでは、はっきり言っている。貴景勝に迫る存在。)
白鵬の休場について北の富士さんは、平幕遠藤との一番が大きかったという。二つほど難儀な名前の病名を発表したが、それよりは精神的なダメージが大きいという。「おそらく手の内を全部見られてしまって、まったく付け入る隙がなかった」それがまた、屈辱的な負け方でしたからね。
白鵬が35歳で、鶴竜が34歳。引退するとしたら、ほとんど間をおかないで横綱が居なくなる。そして辺りを見回せば、実力者は日本で生まれた純粋日本人力士ばかり。目の前がパッと明るくなった。なんだあ、モンゴルは横綱だけだったのかあ。あとは取るに足らないロートルばかり。新人が育ってない。あー、ついにオレの考える黄金期が来たのだ。なんと長いトンネルだったことだろう。
ところでもしオレが横綱で、輝くばかりの賜盃を収集した大横綱と呼ばれる力士だったら。この先、負けたり勝ったりしながら、地位にしがみつくだろうか。
誰とは言わんが彼は、今そういうことを、しきりに考えているので、あるまいか。