まあまあビックリしたね。
夜明け前の空が、壊れた蛍光灯のように、
ピカピカ光って止まらないんだ。
どこで光っているのか、分からない。
稲妻が見えない。
それほどの、厚い雲。
一緒に轟く太鼓のドラムロールも止まらない。
3時45分から4時25分まで。
秋田市全域が赤もしくは赤紫で染まった。
ここは北の端だからまだいい。
中心部の市街地はまだ、いやこれから本番のようだ。
生まれてから60数年(ちょっとごまかした)、
こんな稲妻は見た記憶がない。
明るくなって、雲の切れ間から、
途切れた稲妻の切れ端が見えた。
これが「ノアの洪水」に違いない。
ノア達は、これを経験したんだ。
不思議と停電は起きない。
嵐のあとの風は、
涼しくて気持ちが良かった。