こう暑いとつい、冬の寒さの方がまだいいと思う。
冬は、うんと厚着すればいいからだ。
外から帰ったら、暖かい部屋が待っているし、
風呂に入る楽しみもある。
吹雪の中でじっとしていれば寒いが、
体を動かしていれば、汗もかいてくる。
その点、夏はどうしようもない。
一瞬の太陽は我慢できるけれど、
焼けた肌は帰って来ない。
火傷に等しい皮膚の叫びは、夜も眠れない。
じゃあ外出しなければいいじゃないかって?
それじゃ、夏の意味が無い。
オレだけ、こんなに皮膚が弱くなったのかな。
焼けた皮膚が再生するのは、先祖が爬虫類なおかげだ。
オレは、爬虫類の出来そこないか。
朝早く配り物をしている近所のおじさんは、
夏の方が楽だと、簡単に言う。
冬になったらオレも、
そう思うのだろうか。