県内をあちこち行くたびに、菅江真澄に会うのでもしかして、真澄さんがオレに会いたいのかな、なんて考えた。
確かに彼のことを調べようと思ったら、県立博物館があるし便利な場所にいることは間違いない。
それで手始めに博物館の菅江真澄資料センターへ行ってみた。センター内は撮影禁止になっている。もったいぶっちゃって。どうせ置いてあるのは写本じゃないか。自分が見たいと思ったのは、真澄が初めて秋田県に入って来た時の記述だ。酒田から小砂川に入り、象潟へ寄って宿泊しているはずだ。
自分の見たいところを探して、映像で見られる検索閲覧室がある。パソコンが2台。スイッチ・ON。入らない。係員に申し出下さい。あー、めんどくさい。係員は遠い。どうせ見ても、読めないかも知れないから、まいいや。
ジュンク堂に現代語で書いた解説本があったから、今度あれ買ってこよっ。私より先に買わないでね。
収穫なしで、真澄の墓を探しに行った。低気圧通過中の凄い濡れ雪の中、知らない小路を進む。うわ、こんな階段を登るのかいな。
私の前には犬の足跡しか無かった。この時期に墓場へ行く人がいるわけがない。ズボズボ埋まりながら、遠くにそれらしい看板が見えた。
なんにも持って来なくてごめん、と真澄さんに謝りながら、自分の足跡をたどり車まで戻った。