松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

秋田の人間も見直した、雪見露天風呂の風情

2014-02-05 08:43:32 | 日記・エッセイ・コラム

ちょっと雪が降ったくらいで、都会では喧噪の日々のようだ。

小倉は雪を知ってるから、自傷気味にコメントしている。

きのう見た秘湯温泉の旅は、雪国の人間にも沁みる映像だった。

場所は奥小安の阿部旅館と泥湯温泉。定番の乳頭温泉でなかったのがいい。

Photo


おじさんと女の子の二人連れでレポートするのだが、

女の子はこれも定番のタオルを巻いて入っていく。両肩に湯を掛けながら

しかしお湯の成分・感覚についての感想がない。なぜか、発想が貧困な

せいもあるだろう。私はあのタオルが邪魔している気がしてしょうがない。

あんな恰好して、入ったことがないので、どんな感覚かは分からない。

しかし全身に温泉を感じるのとは、明らかに違う気がする。

ま、いいでしょう。温泉は効能も大事だが、身体を温めるだけで

気分が違うことが、最近分かったから。

その露天風呂だが、さすが秘湯を守る会の宿、天井のタルキも見事。

立て替えても、昔の材料は極力残す。

外を見れば、厚く積もった雪以外のものは何もない。山も木々も雪を

被って、しんしんと上からも降ってくる。

もう一つ大事なのは、文明を感じさせる物音がひとつもしない、

ということだ。雪が音を吸収することもあって、自分の声以外は

何も聞こえない。この静寂性。静寂性を作る景色。

これを見ていて、太平洋側の人が、あこがれる気持ちが分かった。

同時に、雪国に住む自分にも、秘湯の良さが伝わってきた。

真っ白な雪は、何者にも変え難い。白銀の世界なんて形容する

必要などない。この自分の心と正反対の、静かにたたずむ圧倒的な

量の雪。これには相手は語らねど、語りかけてくるような

胸にせまるものが、あるに違いない。そう思えた。

泥湯温泉のほうも、一軒宿だが、こっちの雪の量もすごい。

夏場しか行ったことがないが、イオウの黄色に染まった川原毛地獄方面

からは、有毒なガスも流れてくる。流れてくるというよりは、低い場所に

貯まる。そのために命を落とした旅行客もいる。

イオウの香りならいいが、硫酸系の香りがしたらヤバイと

思った方がいい。

自然と人間はいつも、危険と隣り合わせなのだ。

コメント
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