山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

冬の労働

2010年02月05日 00時53分10秒 | Weblog
 いままでずっと弁天町駅まで15分歩いていたが、去年の秋、中古の自転車を買ってからは、朝、ついつい自転車に頼るようになってしまった。6時45分に出ていたのが、5分、10分遅れる、自転車があるからまあいいかと思ってしまう。
 駅の自転車置き場で150円を係りのおじさんに払う。今年の冬は例年になく寒い。朝早くから立ったままの仕事はつらい。下から寒気がしみこんでくるだろう。
 ときどき、関西スーパーに買い物に行く。屋上の駐車場から道路に下りる時、出口に警備の人が立って、人や車の接近を知らせて制止してくれる。ありがたい。だから安心して道路に出ることができる。この警備の人も寒い中、立ちっぱなしだ。自転車置き場は高架下だから雨は大丈夫だが、こちらは雨の日はとくに冷えるだろう。ほんとにごくろうさんだ。
 寒い日の野外労働は体にこたえる。わたしは若い時3年半ほど新聞配達をしていた。新聞配達は、自転車をこいだり、走ったりするので、寒い日でも体はあたたまる。また大阪はありがたいことに、冬は雨がほとんど降らない。
 新聞配達をしていて一年で一番いやな季節はいつかというと、冬でも夏でもなかった。春だった。春の三月だった。気候がよくなるのにと思われるだろう。実は、冬は雨が降らないが、三月は案外雨の日が多い。雨でもカッパを着るからいいのだが、手がぬれるのがこたえた。1時間も手が濡れ続けると、やがて指が動かなくなる。こわばってしまう。指を曲げる動作が思うようにならない。とくに親指に力が入らなくなると、手の機能はがた落ちになる。五本の指の中で親指が他の四本と向かい合って微妙な動きをしてくれている。雨にさらされつづけると、これが機能しなくなる。で、結局、新聞が折り曲げられないのだ。
 今のポストは二つ折りにされた新聞をさらに二つに折って、大きいまま入れることができる。40年ほど前の大阪市内の家のポストは、道路に面した壁に幅15センチくらいの穴(ポスト)があって、そこに突っ込んで家の中に入れるのだ。だから二つ折りの新聞をあと2回折って入れていた。左手は自転車のハンドルをもったまま、それを右手だけでおこなっていたので、指の動きがままならなくなるとまったく作業にならなかった。手は真っ赤になり、指はやや曲がった状態で硬直し力が入らない。三月はほんとにいやだった。
 冬の寒さより、三月の雨が私にはつらい思い出になっている。
コメント
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