山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

橋下知事、違法な権力行使

2010年02月10日 12時16分07秒 | Weblog
 2010年2月2日付け『毎日新聞』に、「進学特色高 知事『入れ替えを』 3年に1度 府教委に指示」という見出しの小さな記事がのった。全文引用しよう。
 
 難関大への進学指導を強化するため、府教委が11年度から府立高10校で始める「進学指導特色校」について、橋下知事は1日、私学関係者の会合で「3年に1回判定会議を開き入れ替えをすべきだ。教育委員会に指示した」と述べた。
 昨年6月、北野、茨木、大手前、四条畷、高津、天王寺、生野、三国丘、岸和田、豊中を進学指導特色校に選定。橋下知事は「(入れ替え制を導入すれば)本当の意味で公公、公私の競争が生じる。質の高い日本一の教育をめざしたい」などと持論を述べた。進学指導特色校は府内全域から、1校につき160人を募集。10校共通の試験や勉強合宿、大学との連携などに取り組む。

 この進学特色校自体が、去年3月退任し、副知事に昇任した前教育長が、最後に知事の意向をうけてねじ込んだ施策だった。
 この記事ではっきりわかるように、重大な問題は、入れ替えを「教育委員会に指示した」と明言したことだ。知事に教育委員会が所管する事項に指示命令をする権限はない。ところが当初は教育委員会も指示には抵抗のそぶりを見せていたが、いまやまったく言いなりになっている。
 このたびの記事で、「教育委員会に指示した」ことがはっきりした。『毎日』は貴重な仕事をした。『朝日』にはこの記事はなかった。
 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」は知事の権限と教育委員会の権限を明確に分けている。
 
  第三章 教育委員会及び地方公共団体の長の職務権限
 (教育委員会の職務権限)
第23条 教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるもの を管理し、及び執行する。
 1 教育委員会の所管に属する第30条に規定する学校その他の教育機関の設置、管理及び  廃止に関すること。
 5 学校の組織編成、教育課程、学習指導、生徒指導及び職業指導に関すること。
第24条 地方公共団体の長は、次の各号に掲げる教育に関する事務を管理し、及び執行す  る。
 1 大学に関すること。
  第四章 教育機関
 (教育機関の所管)
第32条 学校その他の教育機関のうち、大学は地方公共団体の長が、その他のものは教育委員会が所管する。

 法律はすっきりしている。知事は府立高校を所管する権限をもたない。組織編成、教育課程、管理運営に関し、「指示」する権限はない。指示したというのは明らかな越権行為、違法行為だ。直ちに撤回すべきだ。指示された教育委員会は抗議し、撤回を求めるべきだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする