山上俊夫・日本と世界あちこち

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安倍首相、ついに、突然辞めた。国民は健忘症に陥ってはならない!

2020年08月28日 22時33分31秒 | Weblog
 安倍首相が8月28日、首相辞任を表明した。健康上の不安から辞任表明に至った。これに対して、一部、いさぎよい辞め方だという評価をする人がいる。物事を正確にとらえることを妨害する物言いだ。気をつけなければいけない。安倍首相のやったこと、責任を負うべきことにどう責任をとったかで評価しなければならない。
 安倍首相はリーマンショックから脱し、東日本大震災からの復興への上り坂、経済的に有利に時期に政権に付いた。アベノミクスなるものをふりまいた。もうあとかたもなく、アベノマスクに姿を変えた。安倍首相は、つねづね「悪夢の民主党政権」といって品のない悪罵をなげつけた。リーマン・大震災が悪魔の時代なら、コロナで経済・社会が崩壊したのは「悪夢の安倍政権」となる。
 200兆の莫大な国債発行を事実上日銀引き受けさせ、株高を演出し政権浮揚をはかった。将来に負荷を負わせながら短期的・私的な欲得につぎこむ。これはのちのち、「悪夢の安倍政権」と呼ばれることになるだろう。
 安倍政権は、地球儀俯瞰外交が売りだった。たしかに世界80ヵ国ほど夫婦で訪問した。外交費で相当な手土産をばらまいたことだろう。世界から忌避されているトランプにへこへこと取り入り、戦闘機、イージスアショア(撤回に追い込まれたが)押し付けられ数千億もの無駄遣い。
 痛恨の極みだといったが、拉致問題のやる気のなさは拉致被害者家族を裏切るものだった。安倍氏は対話を徹底して否定し、北朝鮮政府の瓦解、または転覆に期待する立場をとりつづけた。まじめに被害者をとりもどす姿勢ではなかった。むしろ、この問題がこじれた方が選挙に有利という態度だった。その典型が2017年衆院解散だった。
 「北方領土」問題も同様。プーチンと28回対談したというのが自慢。北朝鮮と違って、こちらはウラジミールと媚びを売り、経済援助に後ずさりして国際法的に正面から領土を論じる気迫もなかった。手玉に取られていた。
 過去の自民党政権と違って、安倍長期政治の悪質さは、政治の私物化が際立ったこと。森友・加計学園問題で象徴的にあらわれたお友達優遇政治。さらに桜を見る会でも、じつにせこい内容の私物化を数知れずやる。公文書隠ぺい、改ざんという民主政治の土台破壊を平気でおこなう。
 責任を痛感、説明を尽くすなどといいながらいっさい責任を取らない。その厚顔無恥は相当なものだ。辞任によって、これらは闇に葬ったまま以後責任を取らないのだろう。
 安倍首相で唯一よかったのは、憲法改悪が実現しなかったことだ。7年8か月は平和憲法にとって最大の危機だった。9条改悪を許さない世論と運動がついに平和憲法を生かし続けた。国民にとって、憲法闘争の7年8か月はじつに意義のある期間だった。
 
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