山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

弁護士なのに的はずれ橋下氏

2008年10月03日 11時08分45秒 | Weblog
 光市の事件について、弁護団に対する懲戒請求をテレビを通じてあおった橋下弁護士に対し、広島地裁は800万円の損害賠償を命じた。
 弁護士に対する懲戒請求は、刑事事件での告訴・告発にあたるもので、気に入らないからといって懲戒請求すべきではない。判決が「マスメディアをつかって広く懲戒を呼びかけることは許されない」と断じたことは当然のこととはいえ、スッとした。これまで弁護士であることを振り回し、テレビを利用して人を扇動してきた橋下氏をにがにがしく思ってきた私には、胸のつかえが少しとれた。
 橋下氏が、刑事弁護のあるべき姿をねじまげて世間に広めたことは、裁判員制度発足直前の現在、深刻な事態を招いている。今のテレビのセンセーショナルな犯罪報道の洪水のなかで、これにどっぷりつかっている人が裁判員となったらテレビが判決を誘導するということになりかねない。テレビと橋下弁護士のような人が大きな力をもっているもとでの裁判員制度は、中止とは言わないが、発足を延期すべきだ。断じて延期すべきだ。
 テレビが、犯罪を感情的にあつかえばあつかうほど視聴者を獲得できるとばかりに、声をはりあげる。たとえば、みのもんた氏。テレビである方向に誘導されたらひとたまりもない。橋下弁護士がテレビであおったら何千人もが懲戒請求するのだから。
 このようなテレビの犯罪報道の現状を放置しておいて、裁判員制度を発足させることは、人権保障に重大な事態をまねく。テレビのニュースがワイドショー化し、ワイドショーがニュースを主なネタにしている現在、世論はテレビに誘導される。法律で規制してはいけないが、良識が貫徹するようにしないと恐ろしい。
 それにしても橋下弁護士、現大阪府知事は、「弁護士であるにもかかわらず、まったく的はずれだ」といわれたのに、あまり恥ずかしいとも思っていない様子で、私には理解しがたい。
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