山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

権力と一体化すすめる吉本、第4の権力の周縁部を形成する

2019年12月01日 21時21分49秒 | Weblog

 厚生労働省の「人生会議」なるものの宣伝機関として吉本興業が莫大な対価と引き換えに醜悪なポスターをつくり、世間のひんしゅくを買った。吉本新喜劇の小藪千豊が鼻からいっぱい管を付けた病人の姿をする写真ポスターだ。これが4070万円の契約料だ。理解できない金額だ。小藪の異様な姿で人をひきつけ、笑いも取ろうとしたのかもしれないが、病人とその家族を苦しめること必至の代物だ。批判が集中したのは当然だ。

 吉本は権力から法外な利権を頂戴するまでになっている。2019年4月、安倍首相は吉本新喜劇の舞台に突然登場した。総理大臣がお笑いの舞台に何の役もなくちん入することがどれだけ異常なことか。6月には、何人かの吉本芸人が首相官邸を訪問しギャグを披露した。その様子が何度も放映された。吉本と安倍首相がどれだけ親密かを示している。800億円余の資金を持つ政府の外郭団体「クールジャパン機構」の事業に吉本が深く食い込んでいる。大阪城公園の木を大量に切り倒して劇場を三つ作る、映像事業、教育事業にも手を出すなど、いかがわしさが増している。そこには安倍晋三なる人物の戦後レジームの転覆という戦後民主革命に対する反革命のねらいがあると私は見ている。戦後レジームの出発であるポツダム宣言は読んでいないが、それにもとづく憲法に嫌悪感を抱く彼はその破壊を現にすすめ、明文改憲をねらっている。その戦略に吉本との関係があるのだ。関西のテレビでは、朝から晩まで吉本芸人の出ない時間はない。吉本芸人に関西人とくに大阪人の脳は占領されている。洗脳することも不可能ではない。維新の会への吉本の集団的な肩入れとその影響威力の広がりを考えると、来るべき憲法改悪の国民投票で吉本芸人を使って少なくとも関西では安倍改憲に洗脳することはできないことではない。洗脳とまではいかないとしても、改憲世論を広げるために利用できることは見やすい。もともとお笑いとは、権力風刺が基本だ。だが吉本のお笑いではもうこれがない。弱い者いじめの芸が吉本芸だ。テレビには毎時間、何人もの吉本芸人が出ているが、おしなべて権力追随だ。ひどいのは、都構想住民投票で反対派攻撃をくりかえしたたむけん、韓国の悪口ばかりをくりかえす千原せいじ、ほんこんなどが先頭をきる。非吉本系の芸人は「桜を見る会」問題でも良識的、民主主義的発言が目立つが、吉本系は権力融和的だ。安倍首相の芸人戦略が効いている。立法、行政、司法権力に加え、マスメディアが第4の権力といわれる。情報提供を一手に仕切るマスメディアが国民の意識を左右する力を持っていることを指す政治学概念だ。私が思うに、この第4の権力の周縁部にまとわりついて、その粘着力によって国民の意識をからめとり、ゆがめる役割を果たしているとみている。大阪の政治意識の変遷を見るとこのことを強く思う。

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