山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

「引きこもり研究は今」

2016年05月14日 21時30分13秒 | Weblog
 今日(2016・5・14)『日本の科学者』6月号が届いた。特集テーマは「ひきこもり研究は今」。論文は「ひきこもりの人びと―精神科医の経験から」漆葉成彦、「ひきこもり周縁の若者たちのフリースペースをつくる」原未来、「教育現場からの支援」鎌田ユリ、「ひきこもりは日本特有の現象か」藤本文朗。
 この特集は著名な障害者教育学者の藤本文朗さんが提案し、実現したものだ。じつは藤本さん自身、現在50歳のひきこもりの子を抱えているそうだ。ひきこもりになって10年余りだそうだ。藤本さんは自閉症や登校拒否の研究者として活躍し、長年相談活動をしてきたのに、自身の子が引きこもってということで、ずいぶん悩み、一時うつ病にもなったそうだ。そのつらさは想像を超えるものがある。それをのりこえ、『ひきこもる人と歩む』(新日本出版社、2015年)を共同出版し、今回の特集につながった。
 「HIKIKOMORI]は、オクスフォード英語辞典2015年版に収録されたそうだ。「KAROSHI」「OTAKU」などとともに日本発の共通語になった。事態の深刻さはわたしも理解している。保護者、関係者、研究者の努力には頭が下がる。でも風邪をひいたから投薬をして治るというたぐいのものではない。悩みの深さの前に軽い言葉は慎まなければならないほどだ。
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