山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

知の共同体をめざして

2009年07月11日 23時17分19秒 | Weblog
 今日、夕方から、この3月まで淀川・東淀川の学校に勤めていて、時をみはからってあつまり意見交換をしていた友人たちと、転勤後、久しぶりにあつまり、親しく交流をした。そこでも橋下知事の教育破壊、つまり教育費は削りながら点数競争に全生徒を投げ込む、このかつて見ない非教育的措置に非難が集中した。同時に今の日本の新自由主義による社会の根本からの破壊、共同性の破壊についても危機感を共有した。
 久しぶりに会って、職場ははなれても、時には顔を合わせ、議論をしようということでは、たちまち一致した。おおげさにいえば、知の共同体を作ろうということ。まあ、普通にいえば集まって、勉強し、議論をしようということだ。いやな世の中、こんなことをいいあって、それはいい、やろうやろうなどというときが、一番しあわせだ。8月の盆明けの休みに泊り込んで、それぞれが報告し討論しようということになった。勉強は希望だ。
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橋下知事の府立大破壊

2009年07月11日 08時35分09秒 | Weblog
 橋下知事は衆議院選挙が近づいて、連日、大変なはしゃぎようだ。
 その一方で、大阪府立大学に存在価値があるのかと論断して、大阪市立大と統合させるなどとこの間いいつのってきた。大阪市立大学を勝手にどうこうするということ自体、普通の常識の持ち主ならとてもいえないことだが、そこは橋下さん。尊大さでは右に出るものがいない。
 今日の(09・7・11)の『朝日』大阪市内版に「私大関係者招き府立大存廃論議
 知事」という記事がのった。記事は「存廃論議が起きている府立大について、橋下徹知事は10日、府庁に私立大関係者を招いて意見交換をした」と書き出す。存廃論議が自然に沸き起こっているかのように書くのはどうか。言っているのは、橋下さんだけなのに。
 招かれたのが、近大・関大・大阪工大関係者。私大関係者だけを招いたのがミソだ。狙いは見え透いている。知事は「自己責任を元に大学経営をしている皆さんに、府が大学をやる意義があるのかご意見をうかがいたい」といった。記事は続けて書く。「『入試の広報や学生の就職支援が弱い。大学のアイデンティティを持つことを考えた方がいい』『職員の数が多すぎるのでは』などの指摘が相次いだ。橋下知事は『組織マネジメントを改善しなきゃいけないし、大学の役割もはっきりしていないことがわかった。府立大へ厳しく迫っていきたい』と応じた。」
 今の私大の入学勧誘の宣伝の激しさ(電車の宙吊り広告など)が理想像だとはとてもいえない。国公立が勧誘などしなくていい。高校生に学問内容を丁寧に知らせるだけでいい。就職についてはむずかしい。以前、大阪外大の同窓会報をみて、驚くほど就職率が低くてびっくりした。私大でも難しいだろう。最近は就職率を発表しているのかどうか。全学生の進路の完全把握はとても無理だ。でも就職支援は私大の方が手厚いことは容易にわかる。信用にかかわるから。学生のためにも就職支援を強化するのは必要だ。支援をすればいいだけであって、存廃とは関係ない。
 職員の数を私大関係者がいったことをうけて、知事は攻撃をかけてくるだろう。「迫っていく」と宣言したのだから、各種施設を廃止に追い込んだときのテクニックを使うのだろう。係長クラスの職員の年俸をやり玉にあげて、こんなんをほうっておいていいんですか、などとやることは目に見えている。
 大学組織を切り刻もうと狙うだろう。学問研究と教育の必要から組織を考えるのではなく、特定の政治目的から組み替える。まさに新自由主義の大学経営=大学破壊だ。
 この記事のなかで、私大関係者が「府立大の理工系は強く、産学連携にも積極的」と評価したとある。橋下知事が統廃合を言い出したポイントは、府立大は何をやっているのかわからない、値打ちがないという意味のことだった。理工系は強いといわれたのだから、これまでの知事の論はくつがえされた。他の学部は理工系のような値打ちの現れ方はしないから、慎重な見方が必要だ。
 この記事を読んで、そもそも府立大のことを議論するのに、私大関係者だけという意図的な人選にいかがわしさを感じる。それぞれの学問系列の専門家が議論するならわかるが、ある狙いをもった設定なのだからまゆつばもいいところだ。
 学問や文化と対極にある橋下知事がやろうとしていることは見え透いている。大学関係者の発言がほしい。藤本義一さんらが中心になって、大学人をあつめて広範な議論をおこすことを願う。

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