マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

中華そば九兵衛荒本本店の中華そば+肉めし

2023年07月21日 07時52分47秒 | 食事が主な周辺をお散歩
大阪・東大阪に中華そばの中華そば九兵衛荒本本店を知ったのは、ずいぶん前になる。

大阪・中央区に立地するビル内施設が会場の写真展。

わが家は奈良・大和郡山。

場合によっては、近鉄電車に地下鉄を乗り継いで出かることもあったが、今は新型コロナウイルスがまん延する時代。

さすがに電車は、無理と判断した自家用車利用。

会場近くに停める駐車場から下りたら、そこは市内中心部。

人通りの多い中心街。

マスクは必須の都市中心街。

写真展を拝見した帰り道に探す昼の食事処。

往路の行程にあれば、丁度いいが、車を駐車できる駐車場を持ち合わせていない食事処はパス。

評判の高い食事処。

美味しそうな食事を提供、食べたくなる食事を提供する食事処。

わざわざコインパークを探してまで食べようとは思わない駐車場のない食事処はごめん被る。

たまたまネットに見つかった中華そば九兵衛荒本本店。

往路の幹線道路にある同店舗。

駐車できる台数は、それほど多くない。

同店舗手前にあるラーメン横綱は、広い駐車スペースを保有しているが、いつも見るその状況は、絶えず満車の状況。

人気の高い全国規模的なチェーン店は、未だに入店したことがない。

奈良県にまったく見ないラーメン横綱

そのことも一因であるが・・・。

ラーメン店話題は、中華そば九兵衛荒本本店に戻そう。

東西を走る大幹道を走った令和2年9月15日。

富士フイルムフォトサロン大阪を会場に展示していた「日本の祭りフォトコンテスト2019」

コンテスト主催は、カメラのキタムラ

カメラのキタムラの奈良南店には、17年間もお世話になっていた

拝見した帰り道に見た中華そば九兵衛荒本本店。

気がついたときは、次の、次の信号。

今さら戻ることもできなくて、断念したが、実は、手前にあった大阪大将高井田店で半チャンセットを食べ終わったばかり。

わざわざ戻って確認することもない。

次回の写真展帰りに立ち寄った言い訳だが、その日はお店が休みだったら・・と、いう心配はあるが。

と、いうのも、その日、帰り道にぶらぶら探した中華そば九兵衛の長田店は、ひとっ子一人もいない。

しかも電灯が消えているお店に、こりゃぁ休みしか考えられない臨時の休店。

そんなこともあったので、忘れないように予めネット情報を探していた中華そば九兵衛荒本本店のFBを見つけた。

フォローにしておけば、常に最新の中華そばにありつけるだろう、と判断し設定した。

ときおりアップ、公開される新作ラーメンあり。

新店舗情報もあれば、テレビに紹介されるなどの情報もある。

大阪・本町の富士フイルムフォトサロン大阪、そして車を停めていた大阪・市営安土町駐車場を出発し、ようやくたどり着いた中華そば九兵衛荒本本店。

地道に時間がかかる大阪の交通量に信号待ち。



午後12時15分に出発した車は、12時50分に着いた。

大都会から地方都市の東大阪まで35分もかかった。

とにかく、荒本本店が休店日じゃなかったのが、嬉しい。

入店して、さぁ、何を食べてみようか。

東大阪経済新聞社が取材した記事がネットにアップされている。

平成2年1月29日。

それまで営業していた「麺屋TRY」を、屋号を新たにリニューアルオープンした「中華そば九兵衛本店(東大阪・荒本北)」。

店内、自家製麺にこだわる「中華そば九兵衛本店」。



麺は北海道産の「はるゆたか」と、三重県産の「伊勢の響」に全粒粉の「ロイヤルストーン」。

つるつる、もちもちの中細麺。

スープは、京都府産の京赤地鶏に国産の親赤丸鶏をじっくり、8時間以上も煮込み、魚介系の素材を使用した小豆島産の「醤油たれ(飛魚・鰹節・昆布)」とモングル岩塩の「塩たれ(いたや貝・鯛煮干し・鰹節)をブレンド。

一週間以上も熟成させてつくったスープ。

そりゃ美味いはずだ。

また、食材にもこだわりが・・・

チャーシュー肉は、宮城県産の日南もち豚ロース。

鶏油は、京都府産の京赤地鶏に、青ねぎは京都府産の九条ねぎ。

白ねぎは国産とあった。

インスタに、店舗がアップした情報がいっぱいある。

いつ知ったのか、しらないが、関西テレビ放送局の番組「よーいドン」の取材も入ったようだ。

券売機のメニューをみていても、どんなラーメなのか。



わからんので、写真画像を壁一面に貼ってある調理の姿を、ざっと見て選んだ九兵衛の味のベースになる中華そばに決めた。

一杯が700円の中華そば。

なんと、どでかいチャーシュー肉が2枚。

刻み葱もどっさりに、これまた珍しい長細いメンマがある中華そば。

この値段でやっていけんのかい、と思った中華そば。

それだけじゃぁ、満腹にはならんだろうと思って発券した300円の肉めし。

同時に、というか間髪、数秒の間をおいてカウンター席に配膳してくれた。



その時間、ほぼ4分。

むっちゃ早い配膳に胸の高鳴り。

見た目からして旨そうな中華そばに肉めし。

大きな鉢に比してやや小さい椀。

ミニサイズ的な大きさ。

径でみれば半分くらいか。

まず、はじめに口にしたのは、熱々スープの中華そば。

麺の仕立て方が実にきれい。

まるで清流のようなフォルム。

ラーメンチェーン店では見られない、見せ場を整えてくれたが、なんせチャーシュー肉は大きいわ、大きく刻んだ九条ネギも多い。



おまけに長細いメンマもどっさりあるから、その見せ場は、ほんの僅か。

僅かであるが、最初のひとくち。

うんまいやん。

麺がうまい。

熟成醤油スープの味にのって、喉を通り過ぎていく。

旨味が口の中にうま味をさらに膨らます極上のスープ。

香味豊かな、とても濃いスープに舌が驚いとる。

つるつる、つるつる。

もう箸は、停まってくれませんやん。

ごくごく呑めるよwなぁ。

しかも、である。

でっかい、でかいレア的チャーシュー肉が、めっちゃええやん。

食べ応えある、と胸キュンしそうになレア的チャーシュー肉。

穂先が長いメンマも併せもった旨さ。

細長(※ほそなが)メンマの食感が口の中が楽しく、美味さを味わった。

最後の方になって、突然にほしくなったニンニクの香り。



おっと、中華そばばかりに、集中しておくにはいかない、肉めしがある。

ごろごろにでかいまた、別もんだと思った角切りゴロゴロチャーシュー肉。



噛んだら肉汁ブチュー。

なんぼでも食べられる、うまかーたっぷりの肉めし。

たれ汁というか、油がどっぷりのチャーシュー肉汁たれがしみ込んだご飯が、まためっちゃ旨い。

海苔の風味も重なった味。

家では、到底できない味に、どっぷり。

当初、箸をもって、口に駆け込んでみようと、思ったが無理、無理・・

一般的な丼ぶりならガツガツいけるが、九兵衛の肉めしは、無理、無理・・

だから、レンゲを用意してくれていた肉めし。

おそれいりやした。

醤油たれで煮込んだ激旨の肉めしをガツガツ食べる。



肉量がむちゃ多いし、とろとろほどける大きい角煮の肉に、味の濃いシナチクも七味もほしくなる。

この量、この味で250円。

考えられないクオリテイ高い肉めしの価格設定。

もし、できるんなら、頭だけ欲しい。

そう、肉めしの頭(※つまり、脂ののりがたまらんゴロゴロチャーシュー肉)だけを、持ち帰って食べたい。

中華そばも肉めしも食べきった満腹気分。

いやいや、漢字は、” 満腹”でなく、“満福”。

そう、大満足した中華そば九兵衛荒本本店の肉めし(の頭だけ)の持ち帰り、つまりテイクアウトできますか、と尋ねたら、ぜんぜんできますよ、と言ってくれた。

店主のありがたいことばに、追加注文したテイクアウトゴロゴロチャーシュー肉。



今日、食べた値段と同一代金を払ってお店を発った。

そのさい店主に、伝えた「ありがとう、奈良まで持ち帰った今夜はこの肉めしを酒の肴にしていただくよ」と・・いったら、「奈良の京終(きょうばて)から、山越え通いしている」、と返答してくれた。

なんだ、店長は、奈良の住民。

また、写真展の帰り道に食べたくなったら、この道を走って来るよ・・・

(R3. 6.22 SB805SH撮影)

第15回フォトサークルDAN選抜写真展in富士フイルムフォトサロン大阪

2023年07月20日 07時54分51秒 | しゃしん
久しぶりの写真展。

会場は大阪・中央区にある富士フイルムフォトサロン大阪。

前年は、コロナ禍の緊急事態宣言解除後に開催された第14回フォトサークルDAN選抜写真展はセーフだった。

展示会場は、その後も別の写真展も開催されていたが、今春になって再び緊急事態宣言に巻き込まれた。

我が家は高齢95歳のおふくろが介護のために在宅中。

私の行動によって、うつされ、うつすことにでもなったらえらいことになる。

なにかが起こればたいへんなことになる。

宣言はその後も繰り返され、その都度予定していた写真展は中止に。

今回も開催時期が危ぶまれていたフォトサークルDAN選抜写真展

宮崎壽一郎氏が主宰されるD.A.N.プランニング/フォトサークルDAN会員の人たちが撮影した珠玉の作品展。

第15回の案内状に、「いつ中止されるかわからないから、会場の富士フイルムフォトサロン大阪の開設状況を逐一、見ておかれるように」、ということだったが、運よく、といえばいいのかわからないが、コロナ非常事態宣言が解除されたことによって開催に相成った。

会場の案内に「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、富士フイルムフォトサロン 大阪は臨時休館しておりましたが、令和3年6月4日(金)より再開いたします。再開にあたりましては、自動検温器を含め、十分な感染症予防策を講じております。ご来館のお客様は、政府・自治体等公的機関の要請を踏まえ、ご自身の健康状態をご考慮の上、ご来館をご判断いただきますようお願いいたします」。

ご来館時には「新型コロナウイルス感染症への対応について”を必ずご確認ください」と、あった。

自宅からは一般道。

地道の阪奈道路から生駒山越え。

東大阪に入ってからも地道であるが、阪神高速の水走ICからは有料高速道利用。

会場近くにある大阪市安土町駐車場入り。

たんまに遭遇するハイルーフ車はお断り。

雨の日はてき面のハイルーフ駐車エリアは満車。

平日30分が300円の駐車シシテムに従事する担当者に聞けば、残り10台。

ぎりぎりセーフだった入庫時間は、午前10時29分。



駐車棟の外に出たそこはうなぎを提供する名代宇奈とと大阪本町店

一度は、味わってみたい美味しそうな、うな丼にうな重。



機会が合わなくて、未だに涎を垂らしたままだ。

大阪本町店はテイクアウトができるようだ。

次回、タイミングが合えば、持ち帰りで食べてみようか。

久しぶりにお会いできた宮崎さん。

作品を見たら、またコメントを、といわれてじっくり見る。

今日は、忘れないように老眼鏡を持ち込んだ。

えーあんばいに見える作品もあるが、逆に、シュアなピントが邪魔する作品もあるが、ちょっとしたことでグンと良くなる作品も・・。



岡田亘さんの「薄雲を背に」。

撮影地はマリンピア神戸の吊り橋。

吊り鎖付近に黒いシミが3カ所もある。

大橋守さんの「初春の彩り」。

撮影地は奈良・月ケ瀬。

背景に桃色の梅の花。

ピントを合わせた前景の白い梅が被って、どっちを撮りたいの、と疑問を抱く。

どっちかに重きを置けば、はっきりする。

杉山啓子さんの「木漏れ日の慈愛」。

撮影地は奈良・東大寺。

映像が素晴らしい。

手前の瑞々しい苔に合わせたピントは実に鮮明。

背景が、ぼかしの丸筒が面白い。

本田康一さんの「早朝の寺院」。

撮影地は奈良・長谷寺。

遠目で見れば美しいが、近づくとピン甘の雪風景。

もっとぼかしたほうがグッと引きつく。

同、本田康一さんの「望郷」。

撮影地は奈良の藤原京跡。

せっかくの夕景が美しいのに、右手前の樹木を大きくしすぎて夕景を殺している。



秋元眞さんの「清涼薫風」。

撮影地は兵庫。

壺の滝の描写は絶賛。

手前のキノコに苔、バックに流れる瀧水と相成って絶景の清涼感。

同じく秋元眞さんの「見附島DAWN」。

撮影地は石川見附島。

これもまた、せっかくの赤く焼けた夕景を殺すようにとらえた巨大なシルエットで描く見附島が大きく被っており、せっかくの作品が・・。

船を撮りたかった、と作者のコメントであるが、そうであるなら左手の鳥居も含めて、レンズをもっとアンダーにできるなら、また水平地に保てるなら、船、鳥居ともシルエットに浮かんで幻想的になると思われる。

田中英一さんの「鬼さんこちら」。

撮影地は兵庫・神戸市北区山田町。

コメントに”民族”はないでしょ。

“民族”と“民俗”では大違い。

パソコン操作に誤記する人、とにかく多い。

同、田中英一さんの「吐水龍」。

撮影地は滋賀の故宮神社。

バックの紅葉が色も葉の形も明瞭なので手水の龍が台無し。

また、できるならシャッター速度を早めるかにして、水ビッシャ感でもあれば・・。

杉山啓子さんのテーブルフォト映像見て、最近のテレビで放映されたコンパクトで折りたたみもできる撮影ボックスが欲しくなった。

300円ちょっとで買える優れものの撮影ボックス。

ネットをぐぐってみたら、あるある・・・。

たくさんある。

で、見つけた330円均一ショップのスリーコインズ3COINSで売っているスマホインスタ撮り専用のLEDライト付き箱がほしくなったょ。

撮影方法も伝えているLED付きボックス

ちなみに併設展示がもある。

自作のテーブルカレンダーをくださった岡本佐市写真展 旅の風にのって~卒寿を過ぎた私の思い出~



帰り道に思い出になりそうな、シーンを求める。

(R3. 6.22 SB805SH撮影)

コロナ感染対策に締めていた大和郡山観光VGC観光案内所を再び開放

2023年07月19日 07時03分05秒 | 大和郡山市へ
先月の5月23日にも訪れていた大和郡山観光VGC観光案内所

常時、開放しているのではなく、大和郡山観光VGC(ボランテイアガイドクラブ)が、滞在される火・木曜に日曜日と祝日。滞在時間は、午前10時から午後3時まで

所在地は、旧城下町の一角。

大和郡山市今井町。

南北を貫く藺町線(※いのまちせん)・中央に立地している。歴史的に使命を果たした由緒ある「箱本十三町(※はこもとじゅうさんちょう)」。

箱本」は、江戸時代の郡山藩・郡山町中に設けた町人の自治組織。

地子(※土地に対する税金)免除の特権を与えられた本町・今井町・奈良町(ならまち)・藺町(いのまち)・柳町(やなぎまち)・堺町(さかいまち)・茶町(ちゃまち)・豆腐町(とうふまち)・魚塩町(うおまち/しおまち)・材木町((ざいもくちょう)・雑穀町(ざこくまち)・綿町(わたまち)・紺屋町(こんやまち)の箱本十三町。城下町の中心部。

本町、魚塩町からはじまった城下町形成。

全国津々浦々にある城下町も同じような町名で形成されている。

のちに箱本組織が地区拡大したため、最初の組織を内町十三町と呼び、新たに追加組織された地区組織を外町と称した。

ちなみに、車町蛭子神社の十日えびす行事を取材した際に、拝見した重要古文書

天正拾九年(1591)十一月十五日のお定書『車町家持定之事』に、極めて重要なキーワードを見つけた。

車町は、後に免除となった外町のひとつ。

その件、「天正15年11月30日に倒れ、天正19年1月22日死去後に中納言こと秀保が城主になる時代に、地租を免除した」とあった。

いわゆる箱本制度である、箱本十三町・地子免除の一端を示す重要な古文書である。

『車町家(※本家家持16軒)約定之事』については「大和郡山城ばーずあい ―図説 城郭と城下町― 城下町百話【町 寺社地】上」が詳しいので、参照されたい。

その名称を冠に付与した「箱本十三町案内所」。

HPに大和郡山市内、特に城下町を中心に巡る観光マップを装備している。

来訪される場合は、目的に見合ったマップ資料を選び、足を運んでいただきたいが、予めダウンロードし、目的地のルートを頭に描いておけば、より効果的だが、旧城下町内は、一方通行が多く、不慣れな方は迷うこと度々。

12年前まで勤めていた市営の施設、市民交流館に電話が鳴った。

「ここがどこだかわからない。どこをどういけば・・・いいのでしょうか」など、問い合わせ電話がしょっちゅうかかった。

一方通行を逆進していた車内から求める電話。

当時のカーナビの精度もあるが、難儀される方のほとんどが、カーナビの指図を無視して走行していたようだ。

現在は、スマホ情報を活用されるのが、いちばんであろう。

マップを参考に、予めポイントを決め、駐車場の位置も確認しておくことも大事だろう。

なお、もっと、もっと詳しく知りたい方は、「大和郡山ばーずあい」が最も詳しい。

情報の多さ、さまざまな角度、視点から提供してくださった「大和郡山ばーずあい」に感謝するしかない。

観光案内所が開放されたなら、隣接する付属施設の「語り部の館」も入室できるのでは、と思って出かけた。

訪れた観光案内所。入室し、ご挨拶したらお久しぶり。

なんと、平成25年12月に取材した元藩医家の神農さん行事の家族さんだった。

第5期大和郡山観光VGCの一員であるKさん。

雑穀町にお住まいするお家行事。

年中行事は数々あり、いずれも丁寧にされている。その一部も取材させていただいた。

年末・大晦日は三宝飾り

正月の元日に行われるサンニンサン。

「サンニンサン」と呼んでいるお家の神さんに正月迎えの三膳御供。

8月のお盆は、先祖迎え

懐かしい話題に盛り上がり。

今日の来訪目的は、「語り部の館」に展示している鍛冶町発掘調査報告である。

語り部の会が、管理する報告資料を展示している。

本日は、代表不在であったが、応対してくれた8期性の男性が、開錠。



入館させてもらった。

2階の会場いっぱいに拡げた展示物品は、鍛冶町発掘調査に出土した土管などを解説したパネルだ。

都市計画道路建設に伴う発掘調査。

その場は、城下町を取り囲んでいる外堀の内側辺りの東南角地。

郡山城と城下町を取り囲んでいた外堀跡付近の発掘調査で、外堀の内側に築かれていた近世の土塁(御土居(おどい))や、素焼きの土管をつないだ排水施設が見つかったと発表した。

排水施設は現在も機能しており、市は「当時の土木技術や土管の製作技術の優秀さを示している」と評価している。

都市計画道路の建設に伴う発掘調査。

現場は外堀の東端部分にあたり、調査面積は計約240平方メートル。

土塁は幅約15メートル~約18メートル、高さは約2.5メートルあり、出土品などから17世紀前半に築造され、18世紀前半に大がかりな修復が行われた可能性が高いという。



土管をつないだ排水管は2カ所で確認され、土塁の中を直角に貫くように通した暗渠(あんきょ)。

土管は常滑焼(愛知県)とみられ、江戸後期~幕末に製造されたもの。

2カ所とも造り替えた形跡があり、使われなくなった古い方の排水管が残っていた。

土管1本の長さは約49~64ンチ、直径は約14~19センチ。

一部は漏水防止のため、土管の継ぎ目部分を漆喰で固めてあった。

排水管は、城下町の家々の生活排水などを外堀に流すためのものだが、現在も雨水が流れていることが分かっている。

市都市計画課文化財保存活用係は「排水施設が、およそ160年から200年もの間、現役で機能しているのは驚き。土塁の状態も良く、郡山藩がちゃんと維持管理をしていたのだろう」としている。

旧郡山城下の東端(※同市北鍛冶町)で、江戸時代後期から幕末ごろ(約200~160年前)に土塁の下に敷設された地下排水施設の土管が見つかったと発表した。

愛知県の常滑焼とみられ、今でも排水機能を果たしている現役の土管だった。

市は「当時の土木技術や土管製作技術の優秀さを示す貴重な資料」と評価し、現地説明会も開いたそうだ。

道路整備に伴う発掘調査で確認された外堀に水を流す地下水路(※暗きょ)があると想定し、調査を進めた。



大和郡山市都市計画課文化財保存活用係が郡山城御土居から発掘調査した江戸後期・幕末のころに製作した2本(赤焼きと真焼き)の「常滑焼土管」現物を展示していた。

その他、資料として「地籍図で見る大正時代の鍛冶町」、「戦後の鍛冶町の変遷」、「絵図で見る江戸時代の鍛冶町」、「郡山城御土居の発掘調査」、「春日若宮神社と鍛冶商人(春日若宮神社の遷座/鍛冶町と春日若宮神社のつながり)」、「鍛冶町について(鍛冶町の位置/鍛冶町に住んだ人/近代以降の鍛冶町)」、「鍛冶町大門の構造」を一枚、一枚を拝見。

















自ずとわかってくる城下町における鍛冶町の役割が見えてくる。

なお、発掘調査は、鍛冶町にある年中行事には触れていない。

数年間に亘って調査した、鍛冶町と関係が深い外堀外、東側の地になる野垣内町に鎮座する春日若宮神社の年中行事。

両町に氏子総代が就き、行事を執行する両町の鎮守社である。

一部ではあるが、年中行事は、私が取材した伝統的行事をここにリンクしておく。

その一つに、大和郡山市内に今も継承している大晦日の夕刻までに行われる砂の道習俗がある。

県内においても、数少なくなった貴重な習俗である。

その砂の道習俗を担っているのは、北、中、南の鍛冶町自治会の人たち。

そう、野垣内町に住まいする人たちでなく、鍛冶町に住む鍛冶町自治会の人たちである。

その砂撒きをする前日の晦日は、しめ縄かけ

中央に、伊勢海老を掲げるのも珍しい。

また、かつては多くの鍛冶仕事をしていた鍛冶師が住まう町。

近年にはたった1軒になった、という鍛冶町。

県内事例では珍しく、鍛冶師の祭り行事にフイゴ(※鞴)の祭りがあったようだ。

今は、完全に廃れてしまったが、私が取材した平成21年12月8日のフイゴの日。

鞴の文字も消えていたが、崇める「正一位八要姫稲荷大明神」の幟を立てる

鍛冶師の儀礼は消え、幟旗だけを立てるようにしたのだろう。

参考までに挙げておくが、12月8日は、鍛冶師のまつり

仕事休み、感謝する日でもある。

今も現役の野鍛冶師が行うフイゴの祭りを参照していただきたい。

尤も、城下町での暮らしに必要な刃ものは、包丁、鋏などの生活用具に江戸時代のころからは、戦乱のない時代の武士が携行する刀。

農の営みは、城下町の外。

引き合いは多かった、と思われるのだ。

ちなみに、春日若宮神社の行事取材は、平成19年10月12日に行われた秋祭からはじまった。

さて、発掘調査である。



中には大量に出土した生活用具。

実用的に使われていた絵付け茶碗にプリント茶碗。



子供の遊ぶ道具のおはじきにサイコロとか陶製のままごと道具もある。

他に、目的がわかる稲荷社に用いられたと推定できる狐形土製品。



金属製の蓋とか、さまざまな文様のタイル。



多数のガラス製品にゴム栓付き目薬容器。





白磁の祝い杯は春日若宮神社の正遷宮記念に配布されたもの。

地区名の野垣内・三鍛冶(※北・中・南鍛冶)の記銘があった。

この記念杯は、他の資料から大正十三年(1924)とわかっている。

また、資料に鍛冶町に暮らす職人、商人らの諸職。

※鍛冶屋・鉄屋・金物屋・綿屋・壺屋・油屋・米屋・豆腐屋・畳屋などもあった。



実際、郡山城下町の諸職人は63種にもなるそうだ。

会場から階段を下りたところにも展示物を並べていたが、これらはどうやら、直接関係するものではなかった。

滞在した時間帯は、午後12時半から1時過ぎ。

短時間であったが有意義な資料を拝見。

室内は明るくなく、暗いがため、私のガラホ携帯画像では、ここまで・・・

ご容赦願いたい。

(R3. 6.20 SB805SH撮影)

ニューヤマザキデイリーストア院内店の特盛ソース焼きそば辛マヨ

2023年07月18日 07時13分32秒 | あれこれテイクアウト
嘔吐症状が酷いとこまではいってないのだが、自宅で療養しても一向に治らないおふくろ。

医師の判断はどうでるのか、不安もあったが、定期的に診てもらっていたT病院・内科医師のY先生は、なんせ95歳のお年ですから、と検査入院扱いにしてくださった。

医師、看護師に介護のみなさんがついておれば安心できる。

医療関係者に任せるしかない。

そう思うと、ほっとする。

精神的にまいっているのは、家族。

どこの家もそうだと思うが・・。

お昼の時間は過ぎていた。

先にとうさん、行ってきてと言われて、買いに来たお昼の食事。

病院内にあるコンビニエンスストアは、営業時間は決まっているが、ほんとうに助かる。

棚に並んでいたお昼の弁当。



思わず、手にしたコンビニ弁当は焼きそば。



イートインテイクアウト508円で買った特盛ソース焼きそば辛マヨが、むちゃ旨い。



味は、こくうま。

食感は、コシのあるもっちり麺。

強めの油こてこてソース焼きそばが、むちゃ旨かった。



決め手は添え付けのからしマヨネーズ。



お腹は、あまり減ってなかったけど、がっつり食べた。

(R3. 6.18 SB805SH撮影)

地産地消・産直のお店や道の駅などによく見かけるようになった生キクラゲ

2023年07月17日 07時49分05秒 | 民俗あれこれ
近場に店舗を構えている産地直送よってって大和郡山店。

なにかと買う、必需品の食料。

野菜に果物。加工食品に肉、魚介にさまざまな総菜。

見て廻るだけでも楽しい。

最近でもないが、仏さんの花も買うようなった。

出かける度に、発見する新しき売り物。

なかでも、必ず買ってしまう生キクラゲ。

食の人数が少ない我が家では多くの量は困っちゃう、だ。

とにかく少量入りの商品。

今回も買ってきた2品のキクラゲ。

一つは、160円売りの三重県産の「木の子の里生きくらげ」。

黄色のラベルに目が動いた。

イノコ行事ねはん行事などの調査、取材に度々訪れることがある三重県名張。

名張のイノコ行事調査にわかった対象地域。

初瀬街道沿いに集落がある安倍田(あべた)に結馬(ケチ若しくはけちば)、井出(いで)、黒田(くろだ)、矢川(やがわ)地区。他に上三谷、竜口を含めた地域全体が、かつては「錦生村(にしきおむら)」で、あった。

地元の人たちは、「にしきう」と、呼ぶ錦生村。

その「錦生(にしきお)」を、冠に商品名が「錦生キクラゲ」。

まさか、産地であったとは・・・

事業者は、安倍田に立地の「木の子の里 錦生事業協議会」。

生産する4品目のキノコ。

シイタケにハタケシメジ、アラゲキクラゲ、乾燥アラゲキクラゲのキノコが、三重県県「みえの安心食材」に2021年に認定されている。

現地を存じているだけに、買わずにおれない「木の子の里生きくらげ」の生キクラゲ。

キクラゲの生産販売事業者は、もう一つある。

大阪・富田林(とんだばやし)産の生キクラゲは、130円売り。



やや少量生キクラゲは、生産者の名も表示した純国産菌床栽培

そう、近年は、さまざまな事業者や、農業生産が初めてだという生産者さんもおられる。

テレビでもある人のドキュメントを放映していたのも伺える、生きくらげ栽培の現況である。

ちなみに、ほとんどが菌床に植え付けたキクラゲは、私の家の庭に自然発生した「アラゲキクラゲ」

モノは試しに、と思って調理した「アラゲキクラゲ」。

あれこれ調理した料理は、どれもこれも美味い

やがて、ほんまものの「アラゲキクラゲ」は消えた。

が、こうして、地産地消・産直のお店や道の駅に売っているなら、新鮮だし、綺麗に売られている。

ためらうことなく、買ってきた生産者さんたちが栽培した活きのいい生きくらげ。

店舗売りに見た、あれこれ入れ替わる新しき生産者たちも販売する生きくらげ。

今後、大手スーパーから中小スーパーまで、より市場が拡大するであろう

(R3. 6.13 SB805SH撮影)

まぐろ処一条の骨付き本まぐろの中落ちせせりが絶旨

2023年07月16日 07時10分29秒 | あれこれテイクアウト
2週間の間をおいて、再び登場した通販の楽天市場を通して買っていたまぐろ処一条の冷凍骨付き本まぐろ。

前回は、大の大きさが2枚。

今回は、残りの中サイズの3枚。

解凍処理から始まる食べよい状態にもっていく作業手順は、前回と同じ

一度、体験したら、まぁ慣れたものだ。

段取りもつくようになった解凍方法。

慌てることは一つもない。

カチンコチンの冷凍骨付き本まぐろの解体は、解凍処理からはじまる。

その解凍にあたり、軽量をしないとあかんそうだ。

計って、何?すんの、疑問符が、頭の中に浮かんだが、未だに謎・・・だが、骨付きだけど、これ1枚で180g。



解凍に温めの湯。

1リットルのぬるま湯に大匙2杯の塩に2分漬け処理。

ペーパータオルを用いて、骨付きまぐろを綺麗に拭き取る。



いっぱい付着している屑を綺麗に拭う。

水分も綺麗に拭いとって、ペーパータオルで包む。



骨付き本まぐろの下処理は、こうしてから冷蔵庫に再び寝かす。

寝かすこと4時間余り。

お昼の食事を済ませて、昼寝。

ぼちぼち起きてみるか、といったかどうか、わからないが、骨付きまぐろが、まな板にのぼった。

下処理の第2弾は、調理だ。

包丁でなく、道具はスプーン。



骨と骨の間にある赤身のまぐろをスプーンでせせる。

身離れが、えーもんだから下処理しやすい。

そいで、そいで剥ぎ取るせせりの作業。

新鮮なまぐろだから、いやな臭いは。これっぽちもない。

二つの下処理を終えたら、大きなお皿に盛る。



その量、多く、盛り盛り・・。

もう、あとは食べるだけ。

めっちゃ旨そうな、とろとろすきみの赤身まぐろ。



かーさんも、おふくろも口にしないすきみの赤身まぐろ。

ここに、ごま油と卵黄を落としたら、まぐろユッケになる。

そんなこともせずに、食べきった独り占めのとろとろすきみの赤身まぐろ。

今夜の酒が美味しく呑めた。

(R3. 6. 5 SB805SH撮影)

夏の果物、瑞々しさの雫の粒が浮くすももが甘美味

2023年07月15日 07時35分41秒 | だんらん
13日の買い物は、新鮮な地産地消商品が並ぶ産地直送よってって大和郡山店。

その日の買い物の目玉は生きくらげでもあるが、水分補給に食べたい夏の果物探し。

そろそろやってくるすももの季節。

コロナ禍の現在、採れたて新鮮なすももを供える行事がある。

その名も、ズバリの「すももの祭り」。

正式名称は「スモモの荒神さん(※令和5年6月28日、4年ぶりに開催)」。

他府県の行事は、存じていないが、奈良・大和のすもも行事といえば、橿原市の小綱町(※しょうこうちょう)で行われる「スモモの荒神(※こうじん)さん」しか思い浮かばない。

すももは、酸っぱい。

そう思っている人は、少なくない。

ほとんどの人たちの口が、「スッパーーイ❣」である。

それを覆してくれたのは、お家の畑で栽培していた農家さんからのもらいもののすもも。

そりゃぁ、もうすべてが、みな甘――い、すももだった。

平成23年から4年半も勤務した接骨鍼灸院。

患者さんを自宅にお迎え。

治療を終えたらお送りする送迎ドライバーに従事していた。

治療のお礼に、市内・額田部北に住むMさんは、どうぞ、と院に届けてくれた箱詰めのすもも。

院長の計らいで、院に勤めていたみなに分け分けしてくださったすもも。

そのすももがめっちゃ甘かった。

瑞々しいすももの皮は薄く、そのままガブリと口にした。

それ以来、すももの大ファンになっちまった。

市場に、度々みるようになったのは、数年後。

それ以来、鮮度のいい、すもも。

大きいすももよりも、ややこぶりのすももが美味いとわかった。

室内に保存しているうちに、一部のすももから、徐々に赤っぽく変化する。

熟す過程に、冷蔵庫に移して冷やす。

そのすももが、めっちゃ旨い、とわかってきた。

13日に買ってきた産直よってって売りのすもも。

生産者は、地元、大和郡山の農家のSさん。



1週間後、丁度の20日に食べたすももが、めっちゃ旨く、皮ごと丸々食べきった。

洋もの、アメリカ産のソルダム・プラムをすももだと思って買っている人たちがいる。

味の好みは人それぞれであるが、まったく違う品種。

味わいも舌触りなど、まったく異なる品種。

すももより大きいソルダム・プラムも口にしたが、私自身は、日本産のすももにしか手は動かない。

(R3. 6.13、20 SB805SH撮影)

コンクリ水路の隙間から出現したナガミヒナゲシ

2023年07月14日 07時13分17秒 | 自然観察会(番外編)
毎週の月曜、木曜はごみ収集の日。

回収してくれたゴミ収集車を見送った次は、おふくろ。

毎週2回の通所・デイサービス施設の送迎車に乗って出かける。

2件の見送りに、気づいた夏の花。

ピンク色の花が咲いてした、そこはごみ収集の場からほんの少し離れた位置に咲いていた。

毎年に咲いていたのか、それとも、この年だけなのか・・だれも気にしていないピンク色の花。

よくみりゃ、何本も、何本も咲いた痕跡がある。

蕾のように見えるが、これは痕跡。

ひなげし?、ソレともポピー?。

ではなく、おそらく帰化植物のナガミヒナゲシ

突然の出現に、危険な外来植物と、勝手な決め判断する人が多いような気がする。

原産地は、地中海沿岸。

タネが詰まった果実の形が長めが特徴のナガミヒナゲシ。

そのタネの数多く、繁殖力の強さに、飛んできた種によって、道端のあちこちに拡がる。



日本で最初に発見されたのが、昭和36(1961)の東京都世田谷区。

そのころの私は10歳。

所得倍増計画に国土開発の時代。

3年後に控えている東京オリンピック施設の建設。

植木等さんが歌ったスーダラ節。

「わかっちゃいるけど・・やめられない」が流行った時代以前に異入したナガミヒナゲシ

輸入の園芸種ではなく、輸入したなんらかの作物にくっついた種子が混じっていたとか・・

早い時代から日本の気候、環境に馴染み、適応したナガミヒナゲシ。

なぜか山間地に見ることがないような気がする。

(R3. 6. 6 SB805SH撮影)

矢野建彦遺作展~大和路をみつめて~の案内に想う

2023年07月13日 07時20分37秒 | しゃしん
最後の最後まで頑張っていた矢野建彦氏の関係者が届けてくださった写真展 「矢野建彦(やのたてひこ) 遺作展 ~ 大和路をみつめて ~ 」。

日程は、1カ月先の7月14日(水)から7月19日(月)までの6日間・・・ 終わりました

展示会場は、奈良県大和郡山市北郡山町211-3 「DMG MORI やまと郡山城ホール」



高名な矢野建彦とはじめて会話したのは、平成27年5月3日。

第20回目になる「入江泰吉と水門会写真展」だった。

会場は、旧イイトーヨーカドー(※現在はミ・ナーラ)5階にある奈良市美術館。

知人の写真家たちが、出展していた写真展

その会場におられた矢野建彦に、ドキドキしながら会話をさせていただいた。

そのときをキッカケに矢野建彦氏が主宰する修羅の会の会場にも伺うようになった。

写真家さんたちとの会話が広がる知人の輪つながり。

その後も、会場にお逢いした矢野建彦氏との会話の話題は、退院後の身体状況。

病いは異なるが、復帰に命を得られた身体は、今まで以上に気を配る大切さ。

ご互いの健康を気遣い、手を握り合ったぬくもりは、今も忘れない。

在りし日の矢野建彦氏を中心に、長年に亘った写真家仲間たちのつながり。

笑顔で立つ姿に、仲間たちも微笑んでいた第二回フォトクラブ矢野写真展が最後になった

(R3. 6. 9 SB805SH撮影)

県立民俗博物館企画展・「雨降る季節のくらしと言葉」に、再びブトクスベを観る

2023年07月12日 08時07分40秒 | 民俗を観る
企画展に「雨降る季節のくらしと言葉」をテーマに特別展示をしている、と聞き、急遽出かけた県立民俗博物館。

梅雨どきであるが、この日は、真っ白な雲に、透き通った青さの空。

気持ちいいぃ梅雨の晴れ間に、雨の民俗を見ることにし。

雨にまつわる暮らしの民俗。



企画展の入口に並べたカラフルな和傘が美しい。

五つの和傘から、思い浮かべた番傘。

そう、白波五人男が番傘を手にして格好に見えを切る伊達男の姿。

置いてあるだけで、人の姿を感じる。

そういえば、この和傘を観るのは、今日が初めてではない。

3カ月前の3月7日。

杉皮屋根の葺き替え工事を終えた旧前坊家・古民家のお披露目に拝観した屋内。

三畳間の「みせ」にあったカラフル唐傘。

バックライト効果が利いたデイスプレイに、シャッターを押した見学者も多かったろうょ。

今日の展示も梅雨の晴れ間の新緑色が利いている。

展示内容は、テーマ別に「夏のはじまり」。



田植え道具に野神のまつりのツクリモノなどの展示。

「暮らしの中の雨」は、和傘、泥よけ付きの下に防水の知恵など。

「動きがわかる動画収録期の民俗行事」に、虫送りや雨乞い、夏越しの祓いなどに関する映像記録。

ほとんど視聴していたので、お昼時間に間に合うよう、失礼はしたが・・・今も変わらぬ暮らしの民俗に関心をもってくださればありがたい。

さて、私が見たい今回の目玉は、雨天にも使用していたと想定する「ブトクスベ」である。

地方によれば呼び名が違う「ブトクスベ」。



山口県・萩博物館企画展「百年の布」にツイートしていた「ブトフスベ」

”燻蒸“、”燻製”からわかるように、“・・クスベ”の語源は”燻べる”にある。

つまりは、煙をもって燻すことにある。

その”燻す”をキーに見つかったと、教えてくれた写真家Kさん。

メールで伝えてくれたそのキーワードは”ブトイブシ”。

愛媛県生涯学習センターが伝えていたデータベース「えひめの記憶 虫よけ」にあった”ブトイブシ”。

ちなみに、ウエブリボにあがっていた季語・季題辞典にも「ブトイブシ」が見つかった

夏の季語の「ブトイブシ」なら、「ブトクスベ」も同じ季語になりそうなものだが、該当するのは”ブト”だけのようだ。

また、 “くすべる”ワードは、鹿児島弁や土佐弁にもみられる

ブトクスベは地方語なん?と、思って念のためにぐぐったネット。

武蔵野美術大学美術館・図書館に「ブトクスベ」が見つかった。

使用されていた地域は、山口県阿武郡。

神奈川県歴史博物館・特別展示出品目録にあった。

実物がどんなのかわからないが、事例の一つに揚げられるような気がする。

農作業の邪魔をする、煩い、刺す虫たちを燻し、作業の邪魔をせんよう、避けるための農道具。



燻して虫を追いやる農道具。

材は、燃えにくい木綿の生地。

主に端切れを用いてつくったブトクスベ。

火を点けても燃えることなく、じわじわ燻る道具。

虫よけの香取線香が世に出て追いやられたブトクスベ。

“ブト”は刺しよる。

痛いからたまらん、という“ブト”であるが、聞き取りした農家の方々のほとんどが“ブヨ”か“ブユ”と、呼んでいた。

ブトクスベの名称は、そのまんまだが、虫だけを呼ぶ場合は、”ブト”でなく、“ブヨ”か“ブユ”である。

ドラッグストアに売っている虫よけスプレーに“ブト”の表記は見られない、という特徴もある。

そこらへんが、暮らしの民俗である。

展示解説は、「私がとらえた大和の民俗」写真展に、たいへんお世話になっているMさんにTさん。

実は、関東が出身のMさんは、ブトクスベの名称が難しかったそうだ。

と、いうのも、関東では“ブヨ”と呼ぶのが一般的。

なるほど、である。



展示の現物がここしかなくて、と云われるほど、今では希少価値のある農具である。

写真は、上手く撮れなかったが、野神(ノガミ)の板絵馬は、地黄町野神神社に供える絵馬

で、あるが、展示出品の絵馬に年月日表記が見られない。

おそらく、寄贈目的のため、日付けは書かれなかったのでは、と思った。

ちなみに、現物、現役のブトクスベを拝見したことがある。



用途は、田畑を荒らすイシ(猪)除けになったが、なかなかの利用価値があったようだ。。

(R3. 6.15 SB805SH撮影)