マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小倉観音寺観音講会式

2008年10月31日 08時59分22秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
持ち寄った野菜で人の顔などを造って供える珍しい風習が続けられている奈良市小倉の観音寺。

早朝に集まってきたのは檀家総代6人(丸山、西区、東区、中区、南出、北出の六垣内代表者)と責任役員のおふたり。

畑でできた野菜の種類はジャンボカボチャ、ゴーヤ、オクラ、サツマイモ、ジャガイモ、ヒョウタン、ピーマン、トウガラシ、ウリ、サトイモ、トマト、ナスビ、エリンギ、ダイコン、エダマメにケイトウの花など盛りだくさんだ。

野菜のどれを利用しようかなと、事前に考えた設計図に目をおとす。

切ったり貼ったりして思案しながら造っていく。

夢のなかにできあがったもんがでてくんやという人や、その場でぱっとひらめいて材料を選ぶ人。

創造の達人たちは完成した造りものをお堂の棚に並べていく。

今年は話題が盛り上がっているセントくんやマントくんもひな壇に並ぶ。

うなだれる姿のペンギンやウリ坊のイノシシやワニなどさながら動物園のような造りものもあるが、立派な姿の人面が多い。

その年、その年によって変わったものが造られる今日17日は観音講会式の行事だ。

ダイコンの茎葉とカボチャを盛った板の七つ皿。

10枚で合計70皿となるお供えは村の軒数を会式に添えられる

赤飯も盛られていたようだが、いつのころなくなったという。

おそらくゴゼンの名残りと考えられる。

昼頃近くになると地区の人らも加わって般若心経が唱えられる。

ご本尊の前に大きなズイキを供え灯明に明かりを灯すと、役員が木魚を叩くと、揃って心経三巻を唱和する。

そのあとパック御膳を並ぶ席に座って直会。

稲の刈り取りも終わり今年の豊作に、神さんとともに感謝しますと挨拶される区長さん。

檀家さんは子どものころは野菜の造りもんが本尊の周りにぐるりと供えられていたなあと懐古された観音講会式。

村の行事はいつまで続けられるんやろかと呟かれた。

(H20. 9.17 Kiss Digtal N撮影)