マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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山坊見納め長男誕生祝いのコイノボリ

2016年04月10日 08時17分17秒 | 河合町
写真家Nさんから杉葉付きのコイノボリの支柱が見つかったと連絡があって急行した河合町山坊(やまのぼう)。

長男が生まれた年だけに見られる県内事例は数少ない。

訪ねた家は旧村。

4月初めころから5月の末まで揚げるという。



40年前、長男が生まれたときは所有する山から杉を伐って杉皮を剥いた。

当時はおじいさんがそうしてカド(庭)に立てた。

婦人が云うにはコイノボリは嫁の実家が贈っていた。

撮らせてもらったコイノボリは長男の子供。

お孫さんにあたる。

長男のときと同じように嫁の実家の贈り物。

てっぺんに杉葉をつけた木材は桜井市の材木屋に仕立てもらってトラックで運ばれた。

支柱を立てたのは旦那さん。

孫からいえばおじいちゃんだ。

4月に立てたときの杉葉は青々してもっと多かった。

2か月も経てば枯れる。

風が吹いてカドや民家外まで飛んでいった。



残った杉葉がみすぼらしい状態なので申し訳ないと云われた貴重なコイノボリ風習。

記録の意味で撮らせてもらった。

翌日に降ろすコイノボリ。

来年に立てる際には杉葉を伐りとってカラカラ回る矢車に取り換える。

これもまた県内の風習事例である。

帰路は斑鳩経由の県道を走る。

大和川を越えた辺りだったろうか。

右手にあった小さなコイノボリ。

いわゆる団地サイズのコイノボリがあった。

団地サイズといっても立てていた家は新築2階建て。

若い人の家のように思えた。

おそらくは取材先と同じように今月末まで立てていると思われるコイノボリの風習を知っていたとしたら嬉しいものだと思った。

ちなみに我が家も新興住宅地。

在居して30数年にもおよぶ。

表通りの一角にこの日も揚がっていたコイノボリもあれば先だって拝見した奈良市六条町の旧家も5月末まで。

もっと多くのお家で揚がらないものかと思う。

近年は奈良県内のコイノボリは少なくなったと話していたカメラのキタムラ奈良南店の店員Fさん。

大阪市内から引っ越してきた女性店員も同じように感じていた。

彼女がいうには個人情報保護・プライバシーの影響からそうなっているという。

コイノボリを揚げていれば子供が居ることを、知らない人に知らせていることになる。

子供の安全を考えれば揚げないほうがいいと思う若い人の考え方である。

子供に関わるメールやチラシが配達されるのはプライバシーを感知する人が居るということだと話す。

なるほど、と思うのである。

子供の祝いに揚げるコイノボリの風習は近年における個人情報保護・プライバシーもあれば輸送の問題も絡んでいた。

なお、日本トイザラスが収集したコイノボリ事情のアンケートやベネッセコーポレーションの端午の節句アンケート結果によれば大半が住宅事情であったことを付記しておく。

(H27. 5.30 EOS40D撮影)
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