マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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御所池之内・今年の2月に見た藁積みは、ススキ代わりに立てた屋根あり家形藁積み

2023年07月29日 07時36分42秒 | 御所市へ
目的地は大淀町大岩にある平日・午後1時までの営業の喫茶きまぐれや

なにかとお世話になっている喫茶店。

その行先、道中に出合った農の景観にひと呼吸の停車。

今年の2月に見た藁積みは、もう消えていた。

積んでいた藁は、消耗品。

農の作業にたぶん必要としている藁。

どなたか、この付近におられたら聞いておきたい農のあり方。

現場から見渡した、その先に人物の姿が動いた。

たぶん田主さんでは、と思って、おられる場に向かって歩いた。

すみませーーん、と声をかけたら振り返ってくださった。

自己紹介に名刺を渡して、要件を伝えた。

1年と数か月前に初めて見た屋根のある家型に積んだ藁積み。

田主さんはここ御所市池之内在住のUさんに、やっと出会えた。

その屋根のある家型に積んだ藁積み。

以前は、ススキと呼ぶ心棒に藁を積む形であった。

で、あったが、労力を考え、野菜造りの下地保護に使うためにマクラを置き、藁束をさらに束ねた藁を水平に積み、数段重ねてからハザカケするように、藁束をまた広げて屋根のような形にした。

土の日除け、湿気含みの排除に、作物の育成に邪魔する雑草も生えないようにする役目をもつ稲藁。

代替にシートを敷き詰める場合があるが、強い風に煽られるシートなら捲れて難儀する。

それこそ、突風に吹かれて飛んでしまうシートに対して、稲藁は、ほんと大丈夫。

必要な湿り気もある稲藁を欲しがる人も、増えつつある。

昨今では、藁束そのものを売る店も増えてきた。

需要があれば、捨てていた藁も金になるし、にわかでなくても家庭菜園に使われることが増えている。

U家は、稲作が主。

今年もまた育った稲を刈る時季がくる。

家族そろって稲刈り。

収穫作業は忙しい。

U家の稲刈りは、通常年であれば10月10日。

収穫に必要な農機具は、1条刈りハバインダー。

刈り取り時に、自動で束にしてくれる機械だから、すぐにハザカケができる。

一方、コンバインは、籾収穫が主で、茎などはバラバラにするから藁にはならない。

村の祭りに、池之内の神社に奉納する数段の提灯がある。

垣内ごとに奉納する提灯があった・・・が・・

100戸の集落の池之内は、北・南・中垣内など他の垣内もみな提灯をしていたが、高齢化に少子化。

若者は中抜け状況に、体力を有する茅原型ともいう逆さ型とんども、みなしなくなった。

現在のとんどは藁をとんど場に持ってきて、燃やすだけになった、と話すUさん。

提灯がどんな形だったのだろうか。

御所市の山麓地にある村々では、ススキ提灯とか、十二振り提灯の名があったが、結局、聞けなかった。



ところで、秋の収穫の稲刈りにハザカケを、今も垣内集落でしていのは、U家ともう一軒。

いや、二軒。

U家を入れて、合計3軒のお家が継承してきたハザカケ。

今年もかわりなくする予定だ、というUさんに、取材・撮影をお願いした。

予定の10日がずれる場合もあるので、念のために、と云って電話番号も教えてもらった。

(R3. 6.29 SB805SH撮影)