マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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復元おんだ牛耕

2008年04月30日 03時45分32秒 | 奈良市(東部)へ
昨年、64年ぶりに復活した御田植えの牛耕は、ひょんなことから実現された。

奈良市秋篠の在住するOさんは、日笠町に住むYさんの茶仕事に訪れている。

氏子のYさんは日頃からおんだ祭には牛が出ててそれは賑やかだったと回想しておられた。

それを聞いた秋篠の八所御霊神社の宮座十人衆のOさん。

うちでは牛面を被って田植え所作をするんだと。

それなら参考にさせてもらって復元できそうだと話がまとまった。

カラスキを後方にたずさえた牛は素晴らしいできばえ。

しかし、途絶えてから60年も経つとどのような所作をしていたのかまったく判らない。

牛役になられたIさんは牛を観察して、見ようみ真似で所作を生み出した。

前足を象った二本の棒を持って杖をつくような感じで田んぼを耕していく。

前足はときおり土を蹴るような足さばき。

もうー、もうーと発して、反時計回りに三周する。

懐かしい牛耕所作に田原の里人は大喜びだ。

(H20. 3.16 Kiss Digtal N撮影)


奉納田原祭文語り

2008年04月29日 07時46分09秒 | 奈良市(東部)へ
御田植え神事を終えると田原伝統芸能保存会が継承されている田原の祭文語りが舞殿で奉納される。

祭文は神前で奏する祝詞から発展したもので浪花節の原型とされている。

法螺貝を口にあてて「でれん、でれれん」と唱えて、右手に持った錫杖を振り鳴らし、奏でながら語る。

全国的にみれば当地と山形県に一例だけ残るというたいへん貴重な民俗芸能。

耳からしか覚えるしかないという祭文技術の習得は難しいとおっしゃる。

(H20. 3.16 Kiss Digtal N撮影)

続、日笠今井堂天満神社おんだ祈年祭

2008年04月28日 08時38分40秒 | 奈良市(東部)へ
神職や役員は舞殿に登壇すると祈年祭が執行される。

御田植えの祝詞が奏上されたあと、神職によって御田植え所作が始まり、スキやクワで丹念に畦を耕していく。

次に松苗を順に植えていく。

そして、右手でカマを持ち、左手に松苗を持ちあげ、ひと束ずつ刈り取っていく。

一般的におんだ祭は苗を植えるところで終えるが、こちらは実った稲に見立てた松苗を刈り取っていくたいへん珍しい所作である。

御田植え神事を終えると玉串奉奠。

今年も豊作になることだろうと心から祈願される。

(H20. 3.16 Kiss Digtal N撮影)

日笠今井堂天満神社おんだ祈年祭

2008年04月28日 08時35分42秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市街地から山を越えて東方面に行くと茶畑や田園が広がる田原の里に着く。

緑豊かな山間部の里は歴史が詰まっている。

今日は日笠町に鎮座する今井堂天満神社で豊作を祈願するおんだ祭が行われる。

同神社は同町と大野町、沓掛町の三町の氏神さん。

氏子総代や長老、役員らは早朝から集まって準備に忙しい。

舞殿にはカマス、生タマゴ、コンブなど神饌を供え、傍らに松苗を置き御田植え祈年祭を待つ。

絵馬を飾る神社参籠所は公民館で地区例会などの寄り合い処。

祭りに奉納される田原伝統芸能保存会の皆さんは衣装に着替えて出番を待つ。

なお、茗荷町の天満神社と隔年周期で祭事場所が入れ替わるので開催年を調べておかねばならない。

(H20. 3.16 Kiss Digtal N撮影)