湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

すごい体験をさせてもらった日

2007年05月05日 | 自転車生活


 今日は新緑が映える絶好の好天の空の下、横浜市青葉区の轍屋さん主催の丹沢半周80km耐久ツーリングに参加させてもらってきました。リンク先の案内では距離が70kmになっていますが、今年からオプションコースがひとつ追加になったからか、走行距離は80km強になっていました。4つのオプションコースをすべて完走すると合計の登坂標高が3500mを超えるという超ハードコース。80kmで登坂標高3500m超・・・。おそらくほとんどの方と同様、「いったいどういうコースなんだ」と僕が愕然としたのは言うまでもありません・・・。

 今回僕がこのイベントに参加することができたのは、“職場の親切な自転車仲間”であるTさんのお誘いがあったから。実は僕は轍屋さんには一度も顔を出したことがないので、厚かましいのではと少し躊躇もあったのですが、Tさんから店長に話をして頂いて、参加の運びとなりました。おかげで今日は今までしたこともないような体験ができました。そんなわけで、まずTさんと轍屋の鏑木店長には本当に感謝です。ありがとうございました。

 今日のコースは本当にきついものでした。ただどのコースもそのきつさを補って余りあるくらいに楽しく、また走破したあとに充実感や達成感を味わえるものでした。皆さんの背中を追いながら僕は、「こんなルートをさがしだしてきて、こんなコースをつくっちゃうなんてホントにすごい」と何度も思わざる得ませんでした。相当な情熱と根気と体力がなければできないことだと思いました。あまりにすごいコースの連続で、きつさのせいだけでなく、ある種の感動で僕はもともと多くなかった口数がさらに減っちゃいました。

 それから今日感じた久々の気持ち。それは最後のオプションコースを前にした最後の舗装路の峠で“心が折れかかった”こと。最初のうちは先頭を走っていた方についていくよう頑張っていたのですが、途中からそのペースにまったくついていけなくなり、さらに後ろにいた方たちにもパスされはじめました。このとき感じた「あぁ・・・、もう駄目だ」感。僕はいつもほとんどひとりで走っているので、最近はこういう気持ちになったことはありません。スバルラインを日帰りしたり、伊豆一周をしたときに少しそういう気持ちを感じたこともあったけれども、そういうときはすぐに自転車を降りて休んでしまいました。でも今日は足手まといになってはまずいという気持ちもあって、簡単に自転車を降りることができませんでした。そんなこともあって、このときは軽いハンガーノックになってしまったようでした。結局、これはまずいとようやく足をついて補給をしたのですが、このときは本当に最後のオプションコースは諦めざる得ないのではないかと思いました。この時点でかなり時間は押していたし、連れて行ってもらったら絶対に迷惑をかけてしまうと思ったのです。

 その舗装路の最後の峠に着いたときは本当にホッとしました。そこでまだ到着していない人たちを待つあいだ、僕はせっせと補給に努めました。最後に残っていたおにぎりを食べ、梅干をかじり、黒糖の飴玉を3つくらい口に含みました。それでようやく、なんとか落ち着いた気持ちになることができました。

 最後のオプションコースをどうするかは本当にすごく迷ったのだけれども、峠での補給と休憩で少し元気を取り戻したのと、せっかくここまで来たのだからということでやはり連れて行ってもらうことにしました。そしてようやく最後のピークにたどり着いたときの達成感、充実感はここ最近では感じたことのないようなものでした。それは舗装路のツーリングでは感じられない種類のものでした。変化に富んだ荒れた路面を走り、押し、担ぐ。テクニカルな下りをこなす。薮を漕ぎ、ずり落ちそうな斜面を恐る恐る自転車を前に推し進めたりした。前を行く人の背中を追って、ひとりだったら絶対に降りて上り、下るようなところを、実力以上の力で頑張ってみた。途中で後輪のスポークが1本切れ、ある下りではロックアウトを解除し忘れたこともあってかなり派手に転等してしまい、枝の出た倒木に突っ込んで顎と首と胸を切った(でもたいしたケガではなかったです^^)。そういった様々なことをくぐり抜けての80kmは本当に感動的でした。

 それから自分の完走以上にちょっと感動してしまったのは、この日走られた方々の(うまいことばが出てこないけれども)こういった場所を走る際のモラルの高さ。鏑木店長はハイカーが置いていったゴミの詰まったビニール袋をしっかり自分のザックに押し込んでいた。ハイカーが目に入ると、どんなにテクニカルなコースにいるときでも手信号か声だしで注意を呼びかけ、しっかり停まってハイカー優先を皆が実行していた。それから僕はこの日ウエストバッグのボトルホルダーにボトルを入れて走っていたのだけれども、下りで何度かボトルを落としてしまった。そういうときも後続の人が必ず拾ってくれる。かなりハイペースで下りをこなしているようなときでも。2コ持っていたうちの1コは気づかぬうちに紛失していたのだけれども、それも集合場所の駐車場に戻ったら届いていた。オプションコースをカットした人が、拾ってそれをずっと持って走って届けれてくれたようだった(ありがとうございました)。こういうひとつひとつが、とっても感動的でした。僕も近くの里山で遊ぶさいは、さらにしっかりしたマナーで楽しむようにしたいと思いました。

 自分ひとりでは決して体験できないような得がたい体験をさせて頂いたことを本当に感謝しています。そして体力的にはむちゃくちゃきつかったけれども、こんなにも充実した気分を味わわせて頂いたことを本当に嬉しく思いました。心から参加して良かったと思いました。誘って頂いたTさん、参加を快く承諾して頂いた鏑木店長、そしてこの日一緒に走っていただいた参加者の皆様、本当にありがとうございました! 


最初のオプションコースでのTさん


舗装路を移動中


上手い方の走りは本当に勉強になります


自転車にも体にも生傷をつくってしまったけれども、なんとか全コース走破!ものすごい充実感です!!


最後はTさんとZUND-BARのラーメンを。疲れきった体に塩分たっぷりのラーメンは最高だった。もちろん汁まで完食!


皆様、今日は本当にありがとうございました!