その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

赤まんま

2014-09-27 12:19:26 | 暮らし

値くずれに よろこび半値の 赤まんま (by 夢屋)

赤まんま(イヌタデ)は、子どもの頃のママゴトに使われた素材…オジさんは、おママゴトはしませんでしたけど^^; お祝い事があれば、お赤飯(赤まんま)を蒸かして皆で祝ったものであり、子どもの頃はお赤飯が大好きだったのですが、いつの間にやら食べると胸焼けがして量を食べられなくなってしまいました。前日から小豆を茹でて、茹で汁にもち米を浸して色付けし、蒸し上げるなどという手間を掛けてくれる人(祖母やお袋)がいなくなり、自然と家で食べることなどなくなりました。
さて、山形市在住の『山形組事務局長:さくら子ちゃん』が、彼女のブログの中で農家所得を試算してくれています。地元スーパー「生活応援」の26年産はえぬきが、消費税込で10kg当たり3,682円…60kg換算で22,092円で売り出されております。農家の集荷業者への売渡価格が8,500円と発表されましたから、その差額13,592円はどこへ行くのでしょう^^;
彼女が指摘している搗き減り1割(石臼で搗いている訳ではないので、私の経験ではそこまで搗き減りしないと思うが、今度確認してみます。)としても、22,092円×54/60=19,882円…差額は60kg当たり11,382円であります。当然、農協(集荷業者)や経済連手数料、市場手数料、…一番大きいのが一年間安定的に供給するための倉庫保管費用になると思います。今では、米も入札に掛けられるから、人気のあるブランド米は高値で取引されることは当然で、予め出荷する供出米(事前に集荷業者と契約します。)は、入札結果を踏まえながら、3年間掛けて米価が精算されます。(3年間?それだけ米が余っているということです^^;)新聞紙上で公表される買い入れ価格は、当初の集荷時の買い入れ価格(仮契約価格)ということになります。

余り話題になることは少ないのですが、米選別機(ライスグレーダー)の網目…小さな米をふるい落とすのですが、特に固定された基準がなく、例えば品質を保証するために、JA山形おきたまでは、1.90mm(LL網)を推奨しております。さらに、品質を上げるために1.95mm(GL網)を求める場合も…。目幅1.70mmなどというオプションもありますから、LL網を通した後の米を屑米(加工米)として販売した場合、丁寧にS網でふるい直せば、身は細いけれども食味はさほど変わらない米を作り出すことができます。低価格帯のお徳用米などは、こうした米や古米が混ぜられることもあるようです。(品物を扱う者の良心だけの問題かも。)『へそ曲がりおじさん』がおっしゃっている「農家は、屑米を食べている。」というのは、こうしたふるい直した米を食べている農家があるということだと思います。
私の周囲の専業農家は、15町(15ha)程の水田を寄せて(買ったり、借りたり)おりますが、生産調整目標として37%程度の転作を余儀なくされていますから、実質的な米の作付面積は10ha弱、10a当たり11俵の「はえぬき」が収穫できた場合、8,500円×11俵×100=9,350,000円の売上です。生産費は、各農家ともバラバラですが、機械の大型化とともに9割前後まで上昇しているのではないでしょうか? 9,350,000×0.1 = 935,000円という所得(費用を変動的に見ているので、固定費用を考えれば赤字転落です。)を高いと見るか安いと見るか?生産費は変わらず、むしろ、石油の高騰で上昇している昨今、1俵当たり2,500円の買い入れ価格の下落は、直接手取り所得を直撃し、大規模な農家では、
2,500円×11俵×100 = 2,750,000円の所得減となるはずです。
山形県には「つや姫」1俵当たり12,500円があるではないか…ええ「つや姫」は種苗法で護られ、認定農家(一定条件下の大規模農家)しか作付することが出来ないのであります。

今日は『夢屋本田』はえぬきの稲刈りであります。収穫の喜び半分…複雑な収穫の秋を迎えておりますよ。

コメント (2)
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