その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

オコちゃん

2014-09-19 22:38:12 | 暮らし

生きること つらさ せつなさ やるせなさ (by 夢屋)

『オコちゃん』は、大正12年生まれの91歳。亡くなった『コウちゃん』の母であり、『夢屋国王』の伯母さんであります。『コウちゃん』の葬儀に先立ち「入棺」の儀式。今は、施設に入所している『オコちゃん』を連れてくると言うのだが…。
『夢屋国王』亡父の葬儀に、連れ合いである母『ハナちゃん』を立ち合わせてやりたい…そんな息子の気持ちを知ってか知らずか、認知症の『ハナちゃん』は夫の事などすっかり忘れてしまい、また、その所作が周囲の者の涙を誘う結果となってしまった。『オコちゃん』はと言えば、まだ『夢屋国王』の顔を識別できるようである。
「伯母!歳、なんぼになったぁ~^^;」(夢屋)
「ん~100歳」(オコちゃん)
「ほだがぁ~^^; 90も過ぎれば、100も90も同じようなもんだなぁ~^^;」(夢屋)
実の息子の死を知ってか知らずか…淡々としている。山形県置賜地方の風習では、「入棺」に際して死装束を整える際には、会葬者は皿と線香を手に儀式を執り行うのであるが、ヤケドなどの危険も伴うので、今では省略形で行うようになっている。『オコちゃん』は、そんな風習を思い出したのか「線香を焚け!線香焚け!」と廊下で車椅子に乗りながら叫んでいる。長生き出来る人間とは、こうして淡々と日々を過ごせることも条件になるのだろうかなどと、棺桶の前で、祖父との別れに花を飾り、急に泣きじゃくる孫娘たちの姿を見ながら思うのであります。


ベニクラゲ(加茂水族館にて)

家族との別れは、辛くさびしいものでありますが、いつの日か『夢屋国王』も棺桶に収まる日が来ることだろう。さて、残された家族たちは、身勝手なオヤジを笑って送ってくれるのだろうか?はたまた、オッカーは涙してくれるのだろうか…?などと、要らぬことを考える『夢屋』であります。
儀式の後の食事を頂きながら、少しばかり残った『だだっ子豆1号』を提供し、ニンニクの話をし故人を偲ぶ。お陰様で商談が2件ほど成立しましたよ…これも『コウちゃん』のお導き…根性という筋が1本据わったような気分であります。
悲しみさえも打ち消され、ただ淡々と儀式を執り行う『夢屋』がそこにあり、今年の冬は『第3次越冬隊』を編成して、『第2サティアン』で冬を越そうと考える『夢屋国王』…『第2サティアン』は、今は亡き『コウちゃん』から譲ってもらった「スーパーハウス」が本体であります。厳しい冬を乗り切ること、商売を軌道に乗せること…人との別れを経験しながら、またひとつ目標を立てる。
つまらぬ男の意地ではありますが、何かを思わなければ前に進めない。「別れ」をも明日への糧にして、将来を哲学する『夢屋国王』でありましたとさ…『コウちゃん』…本当は、今夜から憧れの千葉県横利根に釣りに行く計画だったんだよなぁ^^;(不謹慎!)

コメント
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