その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

儚き…

2014-09-18 01:25:42 | 暮らし

朝露の 乾く間も無く 野辺送り (by 夢屋)

従兄の『コウちゃん』が亡くなりました。享年67歳…もう少し…出来れば来年まで…息を引き取るときは一気に持っていかれるだろうなどと予感はしておりましたが、唐突に彼の奥さんから携帯に知らせが入っておりました。今年は手抜きの屑ニンニクを売ってくれた。「来年はいいやつを作れ、俺が売ってやるから…。来年はこんなやつだよなぁ。」と親指と人差し指で輪を作り品物の出来を指示したのが、彼との最後の会話でした。彼の遺言となってしまった、ひとつ目の『やり残し事業』の目処が立ち、奥さんを通じて約束は果たせそうだと伝言をお願いしたのが2週間前。ふたつ目の「ニンニク」は、良しやってやろうじゃないかい。これから種球を買い込んで、しっかりした玉張りの最高級ニンニクを来春、彼の仏壇に供えてやるよ。

『コウちゃん』はアホだけど、人の良さだけは際立っていた。こんな形で励まされ、バトンを渡されるとは思いも寄らなかったけれども…。畑に植えたニンジンは、果たして収穫できるだろうか?夏場は草に負けてしまうところを、秋取りを目指して播いてはみたものの、やはり草の中…ようやく本葉がでたところで草の海から解放してあげました。何がこの畑に適していて、効率よく換金できるのか。『夢屋実験圃場』は、多種多様な作物を試験栽培しているのでありますが、まだ、これといった作物に巡り会えておりません。ニンニクだけは外せなくなったよなぁ…気合を入れ直す『夢屋国王』であります。

ハクサイだけは、今年の天候が合ったのか実に生育が順調であり、他に分けても有り余るほどの量であります。そうそう、友人『ノロ君』が分けてくれた「だだちゃ豆1号」は、収穫適期を逃したのでありますが、出稼ぎ先の婦女子にすこぶる評判が良い。昨日、ひと鍋茹でて、出稼ぎ先のおやつに配ったのでありますが、孫が来るからとか、娘が好きだからとか言ってお持ち帰り…「子どもは正直だよねぇ。晩ご飯も食べずに豆を頂きました。」なんて褒められるとお調子者の『夢屋国王』は、もう少しあるよと、無償配布してしまうからお金にならない。まぁ、今のところは損して得を取る。『夢屋農園のだだちゃ豆』なら買っちゃうという評価に結びつけば、来年からの商売の目処が立つというものでありますよ。

有り余る金を持ちながら、貧しき食生活の庶民たちよ。旬の美味しい物を美味しいと食べられる健康のありがたさ。疲れ果てて自信を失いかけた『夢屋国王』に、再び挑戦する勇気を与えてくれた『コウちゃん』への鎮魂歌を捧げるのであります。

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