もち求め ジジとすずめの 知恵比べ (by夢屋)
カラカラに乾いた畑に恵みの雨…出稼ぎ先から帰る道すがら傘をさすのは野暮というものである。我が尊敬する「上杉鷹山公」の雨乞いの逸話にならい、傘をささずに濡れて天に感謝するのが礼儀と心得る『夢屋』であります。
さて、朝の水遣りから解放されれば、のんびりとモーニングコーヒーを楽しんで次の作業を考える。あれまぁ、朝の5時だというのに小雀たちが、ぶどうの雨除けハウスの骨材に止まって何やら密談をしているではありませんか。「お~い、まだ早い…。」と声を掛ける暇もなく、小雀たちは一斉に「ヒメノモチ」に飛びかかるのでありました。「ああ、今年も小雀たちとの知恵比べが始まる。」と心の中で呟く『夢屋国王』であります。事の真偽は別にして、昔、新潟県と山形県の県境に棲むスズメたちは、山形県のササニシキには目もくれず、新潟県産コシヒカリだけに群がる。雀たちも美味しい米を知っているのだ…などという逸話が新潟県民によって語られたとか^^; 『夢屋水田』の場合、「ヒメノモチ」と一等米「はえぬき」が一本の畦を挟んで植えてあるのでありますが、雀たちは間違いなく「はえぬき」には目もくれず「ヒメノモチ」に飛びつくのであります。収量の半分と言えば大げさではありますが、毎年、杭掛けした稲束の下には4分の1位の食事の跡が残されるのであります。
案山子や黒い木綿糸、テグスにキラキラテープetc.何をやっても効果は無く、最後はプロパンガスの爆音砲を炸裂させるのでありますが、慣れてしまえば平気の助であります。食い逃げされるのも癪なので、2年ほど前に購入した秘密兵器「ハッ!鳥君」を田んぼに張り巡らせてみる。ラメ入りの黄色い防鳥糸なのでありますが、小雀たちがハウスの骨材の上で考え込んでいるところを見ると少しは効果があるのかも知れない…これも慣れという時間の問題かも知れませんが^^;
奴らも生活が掛かっているから必死なのである。こんな糸程度で怯えていたら、家に帰ると恐い『オッカースズメ』に、「家の父ちゃんは稼ぎが悪いんだからぁ~!!!」と詰られるに違いない。などと、我が家の有り様を思い浮かべながら、相憐れむ『夢屋国王』でありましたとさ。