その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

決断…

2014-08-13 12:04:13 | 暮らし

盂蘭盆会 殺生禁じた 祖母憶う(by 夢屋)

この時期、ようやく田んぼ仕事も一段落し、二日に一度程度回れば良い水見の日課ではありますが、昨日見つけたカメムシのことが気になって、『夢屋国王』得意の捕虫網による「50回すくい取り法」で、カメムシの発生状況を観察するのであります。まずは、一番気になる荒れた畑との境界線から…1匹。引き続き50回…2匹。ここで、朝仕事中の『トヨハラ氏』から声が掛かる。

「どう、いるかいカメムシ?」(トヨハラ氏)
「トヨハラさん、カメムシのこと知ってるんですか?」(夢屋)
「ああ、俺の実家は百姓だから^^;」(トヨハラ氏)

『トヨハラ氏』は婿殿。スーツ姿が似合う営業畑のサラリーマンでしたが一昨年リタイアし、雇用延長を断って、義母の『ミヨシさん』が長年作ってきた畑仕事を趣味でこなすようになりました。初めのうちはぎこちなかった農作業も、お隣の名人『チエちゃ』の指導の下、見違えるような作物を作るようになりました。

「今度は秋野菜ですねぇ。」(夢屋)
「ああ、秋の菜っ葉を作って、来年別のところに移動だな。」(トヨハラ氏)
「???…。」(夢屋)

『トヨハラ氏』が作付する畑と『夢屋』が耕作する田んぼを分ける畦道一本。聞けば、この畦を境界に東側の地権者が来年から太陽光パネルによる発電事業用地とすることに同意決定したらしい。年明け早々から、太陽光発電の話が持ち上がり、一時は『夢屋』が耕作する田んぼも候補地のひとつであったのですが、地権者や水利組合の合意が得られず二転三転、結果、この畦畔を境に畑や以前は企業用地(グランド)だったエリアが選定されたようです。10a当たり35,000円の補償で貸与期間20年…水田の小作料が10a当たり19,000円が今の最高値だから、破格の提示価格であります。(土地が宅地課税されることになるので、差額はどうなるか分かりませんけど^^;)
正直なところ、未整理地で作業効率が悪く、自宅からも離れていることから、もし『夢屋本田』が事業地に採択されたら、『夢屋農園』の田んぼに集中し、畑作中心で経営を考えようとしていた矢先でありますから、少々がっかり…『夢屋本田』事業維持継続決定の瞬間であります^^;

獲らぬ狸話は置いといて、カメムシ、カメムシ…昨日見つけた箇所を中心に網を振ること50回…6匹。今度は『唐傘屋のヒコさん』に声を掛けられる。

「カメムシいるかい?」(ヒコさん)
「居るいる。今年は多い。防除する必要があるようだ。」(夢屋)

不思議なことに農家ではないオジさんたちがカメムシのことを知っていて、早朝から虫取り網を振っている『夢屋』の姿を奇異の目で見る人が居ない。網の中には、クモやハエの類、蚊、イナゴにバッタ…そしてカメムシ。最も安心できる『善助さん』の田んぼとの境界部分でも1匹。例年であれば、1匹も捕獲できない状態であるのに今年は多過ぎるのであります。「50回すくい取り法」で何匹以上いる場合は危険信号ですなどという基準でもあれば良いのだけれど、そうしたデータも無いから、自分で判断せざるを得ないのでありまして、出穂期で下部の穂が出揃っていない今の状況では、防除すべきと『夢屋』は決断したのであります。
ただ、『夢屋国王』が防除を躊躇するのは、殺虫剤を散布することは簡単なのですが、何の罪もないクモやハエの類まで同時に殺生してしまうことに少々後ろめたさを感じ、何とか選択的にカメムシだけを叩ける農薬があればと思うのでありますけれど…。

子どもの頃、竹の延竿を持って近くの水路で鮒釣りをすることが、夏休みの唯一の遊びでありました。
「お盆の時くらい、生き物を殺生するのは止めなさい。」今は亡き私の祖母は、毎日のように釣りに出掛ける少年『夢屋』に言って聞かせたものであります。いつの頃からか、食べない鮒は川に戻すようになった『夢屋』がここにおります。明日は、お盆であります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする