軸の写真( 部分 )
四国八十八ヶ所札所めぐりは、真言宗の寺院巡りだ。真言宗とは、弘法大師空海が中国に渡り、恵果から引き継いだ密教の教えだが、密教とは文字通り秘密の教えであり、呪文を称え護摩を焚くといった儀式的な傾向が強い。
日本のインド仏教学者の第一人者でもある中村元博士(故人)は、密教がバラモン教に似ていると指摘している。護摩を焚き火をおこして呪文を唱え神・仏に祈る形式は、バラモン教のやり方だ。お釈迦さんは、このバラモンの教えを克服して新しい教えを説いた。それが後に仏教と呼ばれることになる。
従って、弘法大師が持ち帰った密教・真言宗とはある意味において今までの仏教を否定する危険性がある。なぜ密教(真言宗)が、当時の天皇や貴族たちから支持を集めたかというと、当時の仏教は鎮護国家を目的としているし、特に密教はその神秘性と圧倒的な荘厳(派手さ)にあるのだと思う。
ご本尊はキンキラキンに飾られて荘厳である。
お釈迦さんは、権力者に近づくこと嫌われたし、形而上学的な話(死んだらどうなるのかなど)はされなかった。しかし、天台宗の最澄や真言宗の空海などは全く違う。この辺のことは、なぜなのかよく分からないのだが、多分に聖徳太子から続く鎮護国家のための仏教という考え方から抜け出せなかったのだろう。この反動は、後に法然・親鸞、日蓮、道元などの新しい教えによって現れてくる。
墨書と朱印
各寺で墨書と朱印をもらうわけですが、ある時ふと考えました。一体何が書いてあるのだろうかと・・・。上の文字が読めますか。
墨書は、真ん中に本尊名、左に寺院名が書かれるようです。右手に何が書かれているのかは、まだ解明していません。朱印は、右と真ん中に押されます。右には八十八ヶ所札所の番号、真ん中は本尊の像印です。
さらに付け加えますと、墨書の本尊名のうえに梵字が一文字書かいてあります。本尊を表す梵字イニシャルだろうと思います。
続く
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