山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

平成24年度 200名山・300名山 安平路山 池口岳 黒法師山

2012年06月04日 | 200名山・300名山

 南アルプス南部、赤石山脈が太平洋側に延びその高度を落とす辺りに、最後の砦のような山々がある。安平路山、池口岳、黒法師山、大無間岳などがそれである。安平路山と池口岳は前回の山行の際登山口の様子など下調べをしている。中でも安平路山は、途中まで登ったが天候やら積雪やらで引き返した山。あれから2週間ちょっと経ったので雪も消えたことだろうと勝手な判断をして、再度挑戦となった。

            道の駅から恵那山を望む                    摺古木山・安平路山登山口にある休憩舎横

                  

 5月24日、朝早めに松江を発つ。いい時間に登山口に着いた。中央高速を飯田で降り、大平街道に入る。人気の無い大平宿を横目に、摺古木山への案内板の前から林道に。しばらく進むと下山者に出会う。丁度下山してきたところだった。この男性、道路に張られたロープの手前に車を置いて歩いたそうだ。ここから歩くと、登山口まで約1時間30分は掛かる。自分も、ここから歩くつもりだったが、心変わりがしてロープを外す。車を入れてまたロープを締め、休憩舎まで慎重に行く。この道を行くのは冷や汗ものだが、腹をこすることなく何とか到着。今日は誰もいないので気楽だが、ちょつと寂しい。車中泊とする。

 翌25日は曇り。5時40分スタート。先般歩いた道の記憶を辿りながら進む。雪はほとんど消えていたので道に迷うことはない。

                       分岐。直登コースと展望コーとスに分かれる。直登を登る。

                 

 前回、この辺りはほとんど雪におおわれていたが今回は、雪も溶けて登山道がはっきりと現れている。もう迷うようなことはないだろう。7時に2169mの摺古木山山頂。途中、シャクナゲの林を抜けたがまだまだ花は早い。この辺りは、シャクナゲでも有名なようだ。

                      積雪が有り、視界が悪いとここら辺りで迷うらしい。

     

         笹におおわれた斜面を下り、さらに登り下りを繰り返しながら2265mシラビソ山着。雪も出てきました。

      

 雪の多さに驚きながら、目印をたよりに進む。視界があるからいいものを、ガスったりしていたら困っただろう。慎重に進むと安平路避難小屋が見えて来てホットする。

           8時55分、安平路避難小屋着。水場が少々遠いのが難点か。雪はあるのだが・・・。後ろが安平路山。

    

                土間の奥にこざっぱりとした部屋があります。土間では火がたけそうです。

     

 小屋の後ろをしばらく登ると水場あり。但し今は雪に埋もれている。 10時、2363m安平路山頂上着。天気のせいか眺望はあまりありません。

         雪におおわれた水場                             頂上はシラビソの林                      

      

 天気の具合が思わしくないのですぐに下山。休憩舎で昼食を摂り少し休む。この頃から小雨がぱらつき、遠山はガスにおおわれる。11時50分シラビソ山、13時15分に分かれ着。14時無事下山するもびしょ濡れ。休憩舎で着替える。どうしたことか靴下もグショグショになった。クツの防水能力も低下したらしい。

                       雨に濡れて咲くいわうちわ。私も濡れました。    

     

   落石と土砂崩れ、それに車の腹がこすらないように気を配りながら林道を退散する。道の駅「遠山郷 かぐらの湯」までが遠かった。

    

 26日(日) 晴れ

 今日は遠山郷和田宿で休養日としてぶらぶらする。町中を歩いていたら珍しいお店を見つける。肉屋なのだが普通の肉屋ではない。何と熊の肉をはじめとしてシカ、イノシシ、ウマ、ヒツジなどを売っている。熊の肉などちょっと手に入らないと思うが、ここでは普通らしい。夕刻池口岳の登山口で泊まることにしていたので、少々買って行くことにした。

                     熊鍋 ゴボウにキノコやモヤシを入れて煮込む。地酒も良かった。

                                                   (肉のスズキヤ http://jingisu.com/)

                     

              

 遠山要氏(故人)宅前に車を停めさせてもらう。主のいない家は何ともわびしい限りです。料理をしていたら、近くの住人が犬を連れてやって来た。聞くと、そろそろ熊が出始めるので様子を見に来たとのことでした。しかし、すぐに帰って行った。熊とは、人間の事なのかもしれないなあ・・・。写真左手をさらに入ると登山口です。翌朝、そこまで車を入れることにし、今日はここで泊まる。登山口は見晴らしも悪くちょっと暗い。

             

 熊肉をつつきながら地酒に酔う。いい気分で眠る。

 27日(日) 

 朝早めに起きて登山口へ移動。車が1台止まっていた。多分、昨日山に入った登山者のものだろう。左手が登山道入り口。最近、ここまで車が入るようになったか?すぐ近くに避難小屋もある。

           

 昨日食べた熊肉のせいか朝5時、元気にスタートする。池口岳は登り6時間、下り3時間30分。遠山邸前のボックスの中に登山者のための詳細な地図が入れてあり、その地図に、登り下りの所要時間が書いてあった。

 7時20分、黒薙三角点着。かなりのペースだ。ガイドブックには、ここまで4時間20分程度掛かるようだがこのタイムはテント泊を想定した重荷を担いだ場合のようです。休憩していたら後から来た男性に追い越された。

                              左が池口岳、右は鶏冠(トサカ)山

      

                     写真中央の白くガレた地点が黒薙三角点 池口岳方向から見る。

                                                                   

                                       ザラナギ平のテント場付近  水場がない。                                        

      

 サラナギのテント場を越した辺りから、急な登りが待っていた。ここから約2時間かけてやっと北峰頂上に着く。

                       北峰頂上 2392m 頂上からの景色はあまり無い

       

     時間的な余裕が出来たので北峰頂上まで行ってみる。ここも眺望はないが、鶏冠山方面に下るといいらしい。  

                                     鶏冠山方面

      

                                 樹間から南アルプスを望む。

     

 帰りは幾分ゆっくりと下山する。黒薙三角点14時20分、駐車場着が16時頃か? くたびれてまたまた「かぐらの湯」までかえり車中泊。明日は、黒法師岳へ向かう。

 28日(月)

  今日は黒法師岳2067mへの下見だ。遠山郷から国道152号線を途中から兵越林道に入り、山王峡のそばの水窪ダムに行く。登山口は、このダムの横を入るのだが、奥でゲートに阻まれる。車はここまでだ。               

                   ゲート前 ここから右手の林道を1時間30分ほど歩くと登山口だ。                                                              

       

 水窪ダムまで引き返し、休憩所や公衆電話・トイレ等がある駐車場で車中泊の予定だった。まだ時間があるので「秋葉山」に行く。この神社は、火難から身を守る神社として有名。今も「秋葉街道」の名前が残っている。

          

 

          

 ちなみに、こちらは京都の「愛宕神社」。火災火難から逃れられるという御利益がある。山は、300名山でもある。

          ファイル:Atago05.JPG

 

 秋葉詣での後、水窪に帰るが、途中お茶畑に寄る。静岡は茶畑が多い。この場所は、静岡県でも有名なお茶の棚田。老夫婦が管理しておられました。他で聞いたがこのあたりも後継者に悩んでいるらしい。

           

 夕刻、水窪ダムまで帰ったが大雨と雷。気持ちが悪いので町まで帰り、町の無料駐車場に車を停めここで車中泊とする。夜中、県警のパトロールに職務質問を受けた。

 29日(火) 曇り時々木晴れ

 早朝、水窪ダムから林道ゲートまで移動。ゲート前に車を置き自転車を押しながら登山口を目指す。しかし、行けども行けども登山口の標識は出てこない。途中、山に入る道はあったが登山口の標識がないのでここではないだろうと、どんどん奥へ進む。時間ばかりが経ち不安になる。1時間30分を過ぎても登山口は現れないので行きすぎたのかと思い、引き返そうかと思っていたらやっと現れました。ここまで、1時間45分かかりました。

  

 自転車を置き、登山道に入る。今日はゴムの長靴を履いての登山です。山によってはこの方が歩くのに気持ちがいい。このあと、高塚山も大無間岳もずっと長靴で登りました。

 黒法師岳は、とにかく登りっぱなしの山。登り下りではなく、登り登りです。その分帰りは楽か?                      

                     ツツジの花がきれいでした。(山ツツジか三つ葉ツツジだろう)

      

                               アカヤシオではないと思うが・・・。

    

                                  急な山道がつづきます。

     

  そして、稜線に出ました。視界が広がります。黒法師岳や丸盆岳が見えて来ます。

                            奥に見えるのが黒法師岳。最後のがんばりです。

    

                                 こちらは、丸盆岳。

    

                             着いた着いた、とうとう着いた。 

    

 6時30分ゲート発。8時15分登山口。11時10分頂上着。頭の上はいい天気だが周囲の山々は雲の中。時々雷がなる。天気さえ良ければこれから登る高塚山や大無間山も見えるはずだ。

 登山口まで下り、自転車に乗ろうとしていたら大きなザックを背負った男性がやって来た。浜松市の方で、今日は登山口にテントを張って一杯やるそうです。 帰りの自転車は正解でした。ルンルンでゲートまで。しかし、この後大変な事が待ち構えていました。 

 ゲートまで帰り車に自転車を入れていい気分で動かす。何か変? 妙な音がするし車が左に寄っていく。何だろうと思い車を停めて点検してびっくり仰天。前輪左のタイヤがパンクしてペッタンコ。ガックリきた。この車にはスペアータイヤは無い。JAFを呼ぼうにも携帯はつながらない。水窪ダムの休憩所に公衆電話があることを思い出しパンクのままユルユルと車を動かす。この間00分は何と言ったらいいのだろう。寿命が縮む思いとはこのこと?それでも最後まで車は動いた。水窪ダムまで帰りタイヤを見たら凄い。左前のタイヤは大きくすれて外れ、ホイールはむき出しで傷だらけ。公衆電話からJAFに連絡して応援の要請をする。気持ちのいい登山の後にこんな事が待ち構えているとは思いもしませんでした。車は水窪町の修理工場まで運んでもらい修理を頼むが田舎なので(?)タイヤはすぐには手に入らない。 翌日まで待つことになったが今度は泊まる宿が満員で無いとのこと。どうしようかと思ったら工場の2階にある従業員の部屋が空いているからそこに泊まればいいと言われてホッとする。 夜、大雨とかみなり。浜松の男性はどうしているのだろうかと心配しながら眠る。

  30日(水)

 今日は朝から暇。タイヤが届くのがお昼頃だと言うから暇つぶしに自転車で水窪をうろつく。民俗資料館があったが開館には早いので駅まで行き電車に乗る。佐久間ダムに近い駅で降り喫茶店を探すが見当たらない。閑かな町で、目立っものといえば病院と老人の施設と学校とそれに川。しばらくぶらついて駅にかえろうとしたら駅の近くにお店がありパックの寿司があった。店の中にばあさんが3人いた。焼酎のようなものを飲んでいるので聞くとやはり焼酎でした。こちらはビールでパックの寿司を食べる。氷川きよしの写真が至る所に貼ってあった。この店の主人(ばあさん)が大のファンだそうで、死ぬまでに一度福岡に行きたいと言っていた。福岡は、氷川きよしの故郷らしい。帰り際、ばあさんに「また来てね」と言われる。「それまでおればね(生きていればの意)」といって店を出る。水窪駅まで帰り民俗資料館に入る。折口信夫や山頭火の記録があった。

    

 

                                                                                                                                                  

  昼過ぎて工場へ帰り車を受け取る。午後遅く山を越えて島田市に入り道の駅「川根温泉」に車を停める。

 

 

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