5月2日(金)
早朝、鳩待峠に向かう。駐車場は満杯に近かったが何とか確保出来た。薄暗いのは、朝早いのと天気がパッとしないからだ。スキーヤーたちがどうしようかと迷っていた。隣に停めてある車の男性は至仏山へむかうそうだが、私が景鶴山へ行くというと驚いたような顔をしていた。もう若くはないのだから驚かれるのはしょうがない。山の鼻への入り口で板を着ける。もう一人、幾分年配の方がおられたので話すと自分も景鶴山へ行くとのこと。昨年は、ヨッピ橋経由のルートをとったら時間が掛かってダメでしたとのこと。
ガスがかっていたが滑るには視界は充分。6時スタート。ザラメ加減の斜面に飛び込む。鳩待峠から山の鼻へは、沢の右側に沿って下るのだが、沢の上部は雪で被われていてどこが沢やらよくわからず、とにかくトレースに沿って滑っていたら沢の左側に出ていた。右手に川を見ながらなおも下ると、1カ所スノーブリッジがあり無事右岸にわたることが出来た。このスノーブリッジも間もなくつぶれてしまいそうで、そうすれば、左岸に下りて来た人は大変なことになりそうです。
何とか山の鼻まで下り売店でポカリを1本買う。7時に、猫又川を目指してシール歩行に入る。尾瀬ヶ原の雪もだいぶ柔らかくなり始めていたが、早朝なので濡れることはない。ルートは、猫又川に沿って登り、途中から右又に入ることになるのだが、雪の状態によってはさらに奥から回り込まなければいけない。トレースがあるので忠実にたどることにする。猫又川の水量は多く、右岸にわたれそうな場所はさっぱりみあたらない。
結局、トレースは左又に入り、川の埋まっている場所で右手の沢(尾根)にわたっていた。この沢は、上部ではワル沢と呼ばれている。ひとがんばりで尾根にあがりしばらく進むと右手下に猫又川右又の沢が見下ろせる。
樹林帯の中なので景鶴山はよくみえないが、ここらあたりで自分なりの判断をいれればよかったのだが、いよいよはっきりしてきたトレースを追っていたら先行者が見えて来た。少し安心したのもつかの間、先行者が引き返し始めた。どうも道を間違えたようだ。とりあえず外田代に滑り込み、カッパ山と景鶴山との間あたりまで進もうと考えていたら、またまたトレースが現れたのでその跡を追うことにした。この判断もよくなくて、結局、苦労して登ったのはカッパ山の頂上近くでした。そこからは、景鶴山もよく見えていたので後は勘に任せて滑り下りってから登り返すとやっと目指す景鶴山の基部に出ることが出来た。
左手の雪渓から取り付く。右はヨッピ沢へ落ちる。
スキーをおいてとにもかくにもがむしゃらに登り始める。岩と木をホールドにして手前の岩峰を回り込んだあたりで反対側からから来た男性に出会う。スキーを担いでいてこれから平ヶ岳へ向かうとのこと。
そして、ついに頂上です。
ヨッピ橋方向からのトレース。右下がヨッピ沢。
猫又方向へは、道も何もあったものではないですよ。
時計は、12時30分。幾分空模様も良くなってきた。とにかく登れた。 眼下に、尾瀬ヶ原、左右に燧ヶ岳と至仏山。ヨッピ沢への下りが素晴らしい斜面に見える。
景鶴沢と尾瀬ヶ原
スキー板が待っています。
景鶴沢は滑るにはもってこいの斜度でしたが、昨年池とうに落ちた経緯もあり素直に来た道を引き返すことにする。湿原まで滑りトレースをさがしながら何とか猫又川右又とワル沢の間にある尾根に登り返す。ここでスキーをつけてワル沢側の斜面通しに一気に下る。猫又沢分岐まで戻りホット一息。この頃からどっと疲れが出、足に出来たらしいまめが痛む。シールを着けてしばらく進んだが板が妙に重く進むのがきついのでシールは外して「引っ張り」に替えてツボ足で歩く。ゆっくりだがこの方が楽でした。
途中、猫又川の水を飲んだりしながら山の鼻に帰り着く。午後6時でした。
皆さん夕餉の支度に忙しそうでしたが、私はこれから2時間の登りが待っています。
板を引っ張りながら、暗くなった道をヘッドランプの明かりをたよりに歩く。途中、道を失いそうになりながら何とか鳩待ち峠駐車場着。8時でした。
戸倉まで引き返す途中、雪崩が発生したらしく道路だ雪でふさがれていました。「まじか~」とおもいました。また、鳩待峠まで引き返すことになるのかと一瞬思う。しかし、よく見ると谷側に車の轍があり、乗り越えることが出来ました。それにしても、運が悪ければおだぶつではないか。道路管理が不十分だな。想定外では済まされない。
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