山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

涌蓋山(わいたさん)と傾山(かたむきさん) 九州300名山

2011年07月02日 | 200名山・300名山

 6月29日(水)、梅雨明けが待ちきれなくて出かける。

鹿児島辺りはそろそろ梅雨明けらしいとの情報もあり、天気には幾分期待していた。久しぶりに早起きをして九州を目指す。今日は涌蓋山の登山口辺りで泊まり明日の登頂を考えていた。

                          はげの湯から見る涌蓋山

 

              近づきました                       登山口。ここまでの途中に悪路あり。車高が低いとえらいことになる                                  

              

 早めに着いたことと、ここからなら1時間ほどで登れると下山直後の方に聞いたので登ることにする。時期的にもう少し早ければ、ミヤマキリシマの群落が迎えてくれたのだが今は何もない。傾山辺りに遠雷を聞く。梅雨明けにはほど遠い感じがしたが、頂上だけあって涼しい。暫しやすむ。

                        涌蓋山(わいたさん)頂上 1500m 

                  傾山や祖母山、それに阿蘇山などが見えるはずなのだが・・・。すべては雲の中。

                 

 一つ目の山は、あっけなかった。明日と明後日で、傾山と大崩山を登れば九州の200名山と300名山はすべて終わる。良い気分になりはげの湯に浸る。この周辺は温泉銀座のようで、あちこち温泉旅館が並び蒸気が吹き出ている。「はげの湯」の由来は分からない。汗を流してから、「道の駅原尻の滝」に向かう。夕暮れ間近なので駐車場はガラガラ。雨上がりらしく虹を見る。

            車の横にシートを敷いて寝ていたら雨がパラパラ。慌てて車に入る。明日は傾山を目指す予定。

 6月30日(木) 今日も何とか天気は持ちそうなので早めに出発する。登山口は、ここの道の駅から1時間と掛からないはずだが行って見ないと分からない。九折(つづら)登山口を目指した。ところが・・・。

 途中、車の下からガラガラと音がする。車の調子もおかしいので停めてのぞいて見たら、何と排気管がだらりとぶら下がって今にも外れて落ちそうだ。一瞬頭が真っ白になる。気を取り直して車の下に潜り込みスキー板を束ねるテープで落ちないように応急処置をして引き返す。自動車の整備場をさがしウロウロ。運良く整備工場を見つけたがまだ開いていない。「用がある人は電話をしてください」の標示があったので電話を入れる。この後、色々あったが無事修理も終わりまた引き返す。結局、3時間ぐらいの時間ロス。車は、昨日の涌蓋山登山口までの悪路で腹を擦ったのが原因らしい。

                九折(つづら)の登山口駐車場 奥の小屋で登山届けを出すようになっている。左下に会社の建物があり人もいた。

                       

          傾山について詳しくは右ブログが良い     http://www1.ocn.ne.jp/~sobokata/kata.htm

 

 スタートは、10時10分。頂上まで4~5時間掛かるようだが明るい内に戻ればいいと、気楽な気持ちの出発だった。アウトドアショップ菊信で買った新しいトレラン用のシューズを履きルンルン気分。すぐに分かれ道に。右手はすぐに登りになり、左手はしばらくは平坦だが健脚向きとある。よせばいいのに健脚向きの道を進む。沢を渡り荒れた道が続き、また分かれ道に出る。左滝壺コースで右は三ツ尾(?)とあるので右手に入る。すぐに登りになるが道がはっきりせず、目印らしきものは見当たらない。あまり人の入らない感じがする。それでも道らしき後を拾い拾い尾根筋まで上がる。幾分視界は出てきたが踏み跡も目印らしきものもなく不安になる。前方彼方にタケノコのような岩塔が見えるので、方角的には間違っていないらしいとなおも進むと・・・。なんと、崖の上に出た。一瞬、引き返そうかと思った。木々の間から下の方をうかがうと、道らしきものが見える。崖の横手を降りると車も通れる林道だ。この道は、どうも九折登山口のすぐ下にある滝見コースから伸びている砂防ダムの作業道らしい。後で分かったことだが、この林道も登山道として使われている。

 しかし、案内板にあった健脚向きの登山道はどうなっているのだろう。今でもわからない。廃道になってしまったのかな。それにしてもいい加減な案内標識だぞ。 ジープなら通れそうなこの道を登山口をさがしながら進む。時折、テープの巻いてあるのを見るがこれは工事現場用の目印で、登山用のものではない。一体どうなっているのだろう。30~40分も歩いたのだろうか、やっと登山口(道)を発見。健脚向きでない方のコース(九折越え)をたどるとここに出るようだ。

        

 写真左手に登山道があります。ここからは、道もはっきりしてくる。100mごとに標高を示す標識でてくる。一汗も二汗もかいてやっと頂上が見えてきました。

         キャンプ場だそうです。近くに水場や避難小屋が。                       右手が後傾、左が本峰の前傾       

                    

 この辺りから雲行きがおかしくなり頂上辺りに雷鳴を聞く。  頂上まであと1時間あまり。しばらくは平坦な道が続くがすぐに急な登りとなる。岩場が現れ始めしばらくすると頂上らしき頂に着いた。こには後傾の標識があり、本峰はもう一つ先。傾山は双児峰ということ。尾瀬の燧岳を思い出す。あのときもえらいガスで何だか分からず仕舞いの登山だった。

  

  昨日に続き、今日も眺望なし。すぐに下山とするが雨がパラパラときて頭の上で雷鳴と稲妻。同時に本降りとなる。雷をこんなに近くで聞くのは多分初めてだと思う。ジリジリジリ、シュウーそしてドカン。しばらくの静寂の後、またしてもジリジリ、バリバリが始まり、ドカンが来る。頭の上辺りで発生しているのが感じで分かる。静電気がたまり、臨界点に達すると放電が始まりドカンと来るらしい。そんな様子が間近で起こっているいるので気が気ではない。必死で下山するが、足下は小川のように雨水が流れ、汗と雨によってめがねは曇り、おまけに辺りは暗くなる。気はせくものの思うようにならない。一~二度ものすごく大きな音がした。一瞬立ち止まりしゃがみ込んだが生きた心地はせず、こんな所で死ぬのかなと思ったりもした。「年配の登山者落雷に遭い死亡か?傾山縦走路に変死体」などと新聞にでも載ったらあまりかっこよくないな、などと本気で思いながら下る。ドガンの後はしばらく静寂が続くので、この間に高度を下げる。何だか雷に追いかけられているようだった。幸いなことに、立木にも落雷はないようで、もっぱら空中戦の様子。しかし、こんな時に立木にでも落雷があったら人間への影響はどうだろうか。

 必死の思いでキャンプ場まで降りたら、雨も小降りになり、雷も遠のいていた。とりあえず林道まで下ることにする。この時、時計は3時を少し回っていたように思う。ホッとしたものの次の課題が待っていた。この後の下山路をどうするかである。登って来た道を引き返せば良いのだが、今回はそうはいかない。九折へと示された尾根道を下り、沢を抜けて帰る道をとるか、林道をたどるかだが林道は時間が掛かりそうだ。それに、この林道が本当に九折への道路につながっているのかも自信がない。暫し迷ったが、結局林道を下ることにする。だいぶん下ったところで、傾山へのもう一つの登山口に出会う。やはりこの林道は登山道として利用されているらしいが、あまり利用者は無いようだ。5時15分、やっと見覚えのある道路に出て、すぐに九折の駐車場に着く。この時のうれしかったこと、大いに感激しました。下山届けをしようとしたら、届け出を書いたはずの用紙がない。朝にはあった昨日の登山者の届け出用紙も無いから、誰かが回収して持って行った模様。仕方がないからもう一度登山届けを記入しそれに下山届けとする。 今日は朝から良いことなしの一日だった。道の駅まで引き返し、原尻の滝を見物する。

                                          原尻の滝

    

          落差はないが結構な滝です                                           滝見の吊り橋

                   

  日も暮れかかってきたので、早々に明日の目標である大崩山を目指す。今夜も近くの道の駅泊まりだ。夜、暑いので道の駅内の通路の踊り場のような所にマットを敷いて寝る。一晩中雨。

 6月1日(金)

 やはり朝から雨。それも本格的に降る。新聞の予報では、しばらく好天は望めそうもないので、またも大崩山はあきらめて帰ることにする。松江着が19時過ぎでした。大変疲れました。今年の200名山と300名山が思いやられる。

 

 

コメント
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