山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

大山山系 大山山頂でテント泊 (12月25日)

2010年12月26日 | 訓練

 12月25日、久しぶりに大山へ。南光河原駐車場に車入れる。スキーシーズンだが、雪がないため管理人はいない。当然無料。数台の車がおいてあった。今日は、元日の富士山への準備登山です。元日の富士山へはこれで11年目となるけれど、最近だいぶんくたびれてきたような気がする。昨年(今年の正月)荒天のため8合目あたりから退却でした。この日頂上に立った人はいなかったようだが・・・。

                                                    これの写真は翌日26日のものです

                      

土曜日、天気も良くないから登山者も少ない。今日は、日帰りではないからゆっくりできるが荷物は重い。食料など二泊分の準備をし、水2リットル、焼酎500ミリリットルほど。冬山の訓練を兼ねた登山で雪の中での幕営が目的です。10時40分にスタートする。登山道までは、河原の横から入る。大半の人はいったん道路に出てから登山道に入るが、どちらが早いだろう。 登山道にはトレースがあり歩くのは楽。以前、早くスタートしたためラッセルに苦しめられた経験がある。それ以後は、冬期の大山登山は人が登り始めた後の9時以降にすることにした。5合目でアイゼンを着ける。私は、冬の(登り)大山ではいくら凍結していてもアイゼンはザックに入れておいても使用しないことにしている。大山の縦走でもそうだ。今回は富士登山の予行演習を兼ねているので装着した。時には使っておかないといざ必要になったとき不具合が生じることがあるから。アイゼンに頼りすぎる人は、雪を見るとすぐに着けたがるがこれは何かと問題がある。多くの雪山を歩いた人はその理由はわかるはずだが・・・。

 途中、行者谷から登って来たご夫婦に出会う。6合目の避難小屋に数名の登山者が休憩していた。一人に話しかけたら「コリア」との返事。お互いに英語の方がいいかと聞いたら笑っていた。13時30分頃、頂上の小屋に到着。視界はなく風の吹きさらしなので頂上に立つ気がしない。小屋の裏にテントを張ることにする。雪洞もおもしろそうだと考えたが雪が少ないので無理。雪を掘り起こしてスペースを確保する。この辺りの雪面は堅いのでピッケルではがさないといけないが、これが結構大変な作業だ。柔らかい層が出てきたらスコップで掘って先に進む。こういうことの繰り返しで1時間30分くらいかかった。テントが飛ばされないようにということだけでなく、大量の降雪のことも考慮に入れて設営をすれば良かったと思ったのは夜が更けてからのことでした。途中、横に置いていたスコップが見えなくなった。風で流されたようなので探しに行くと、しばらく下がったところに引っかかっていた。ちょっとしたハプニングだった。もう少し下まで滑っていたら加速度がついて大沢へ滑り込んでなくしていたことだろう。富士山でこんな目にあったら大変なことだ。富士山でのテント張りは、風対策が大切。まず一番は安全な場所を見つけること。富士吉田からのルートでは、6合目辺りから夏に営業していた小屋があるからその蔭に、風をよけられそうな場所を見つければいい。小屋は、7合目から9合目までに集中しているので、自分の場合、天気具合や時間などを考慮しながらこの間で見つけるようにしています。頂上にテントを張る場合はちょっと勇気が要る。それこそ雪洞の方が良いかもしれないが、雪面が堅くなっていて簡単に掘れないこともあるので要注意。とにかく富士山の風のすごさは超一級です。昨年の片山右京の件もあります。

 自作の竹ペグとピッケル、スコップなどでテントの周囲を固定しホット一息。これで明日の朝まで何もすることがない。天気が良ければ周囲をぶらつくのもいいが、吹雪いているのでじっとしているより他にしようがない。何だか耐寒訓練のようだ。お湯を沸かして焼酎の湯割りを飲む。いよいよ暇なので、携帯で菊信(http://kikunobu11.exblog.jp/アウトドアー菊信:中国地方では知る人ぞ知る松江の登山専門店、経営者藤田氏は岩と雪のスペシャリスト。山スキー・テレマークスキーに詳しい。機嫌が良いとコーヒーが出る)と話す。菊信からの情報では、明日に向かって冬型の天気配置になるとのこと。

           寒々としたテントの中。何を好んで、いい年をしてこんな訓練をするのだろうと、思うことがある

                   しかし、たまには自分にぎりぎりの課題を課せることもいいか?

 

                          

 気がついたら外は真っ暗だ。テントが風にたたかれ、パラパラとあられのようなものが降る音がする。ラジオの天気予報では北陸から東北にかけて冬型が強まり、大雪になるので山陰地方も風雪が強まりそうだ。  ここは大山の頂上だから積雪の可能性は大きくテントが埋まりはしないかと少々不安になる。小便に外に出ると粉雪が風に舞い猛烈に寒い。雪を入れないようにテントに入るが、中はどうしてもしめっぽくなる。夕食を終え、残りの焼酎をチビリチビリやりながら時を過ごそうとするが時計の針はいっこうに進まない。仕方なくシラフに入りラジオを聞いていたらいつの間にか寝ていたらしい。それでもまだ9時過ぎだから先は長い。酒のせいか寒さのせいか知らないが、たびたび尿意を催す。外に出たくないのだが、これだけはしょうがない。チャック付きのビニール袋を持ってくれば良かったと反省する。ラジオ深夜便を聞きながら寝たりおきたりを繰り返していたら、雪でテントが埋まってきているのに気がつくが外に出て雪かきをする元気もないのでじっとしている。外をうかがうに、どうも風にあおられた雪がテントと掘り起こした雪の壁の間にたまり込んでいるらしい。何とか朝まで持ってくれと思いながらううとしていたら本気に寝込んでしまった。

 朝6時はまだ暗いが簡単な朝食を摂り、益々狭くなってきたテントの中でもぞもぞと片付けを始める。湿っぽくなった寝袋を袋に押し込むのに一苦労し、登山靴をはいて完全武装を終了させ外に出る。外は吹雪で寒い。

                

 撤収のポイントは、テントをいかに早くザックに詰めるかで決まるが、山陰地方独特の冬の天気で湿っぽくなったテントはたたんでも押さえてもいつものように小さくならなずでうまくザックに入らない。そのうちに手がかじかんでくる。仕方がないので荷物を小屋に移動してパックすることにした。雪が少ないので小屋の入り口は夏場と同じ。人気のなくなったがら~んとした小屋でもさすがに落ち着く。早々にパッキングを終え荒れ模様の頂上を後にする。ふと縦走して帰ろうかとも思ったがやめにした。吹雪の中、方向を間違えないよう夏道を慎重に下山する。冬の大山は、登りより下り(帰り)が怖い。夏道登山での遭難は大概下山時に発生しているはず。頂上小屋から8合目辺りまでで激しく吹雪かれると方向を見失うことがある。足下さえ見えなくなることもあるから危険度は想像を絶する。だだっ広い場所では目印がなくポールが立ててあっても見えない。何度も登っているここ大山でもそうだが冬は特に慎重でないといけないと思っている。今日は、心配していた帰りのトレースが何とか確認できたので幾分緊張しながらも安全に下山できた。

                          雪の阿弥陀堂 ここまで下ればもう安心

               

8時30分、駐車場着。荒れ模様の大山だが、この日も、登山者はいた。今年の富士山、天気はどうだろうか?

 

コメント
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