春、残雪の立山。春スキーのメッカでもあります。天気予報やら交通状態それに体調などと相談して、いよいよ出かけました。 ところが・・・。
4月28日、夕刻に立山駅駐車場着。 ゴールデンウイークはすでにスタートしていますが天候の加減か意外に静か。どうも山は荒れ模様のようです。 翌、29日も天気はよくありません。仕方なく近くの観光巡り。亀谷温泉につかり立山博物館を見学する。立山曼荼羅をはじめ立山信仰などの歴史を学ぶ。
4月30日。行列のできた切符売り場に並ぶ。今日の予定は雷鳥沢にテントを張る程度なので少しゆっくりと行動する。ただ、室堂から雷鳥沢までスキーで一気にと思っていたけど室堂はガスの中。視界悪く風も強い。時々小雪が舞う。テント場まで行くのに意外に時間を食った。
しかし、テント場はなかなかのものです。管理事務所のお兄さんもいたってのんびり。水も水洗トイレも無料。近くには温泉も。ここでスコップを借りてテント設営をし、午後は温泉に浴しカレーを食べる。これが夕食となってしまった。テントに帰り、ピーナツをかじり、スルメをしゃぶりながらウイスキーをチビリチビリ。携帯ラジオを聞きながら明日を待つ。
5月1日、今日も天気はぱっとしないのでテント周りを整理していたら太陽が顔を出す。雄山が青空をバックにくっきりと見える。山崎カールには人の姿が。
テント場から見る雄山と大汝山それに富士ノ折立。中央が山崎カール。
真砂岳と富士ノ折立(右)。
奥大日岳。 手前の小屋はロッジ立山連峰。位置的に一般客は少ないのでは?
テント場より一の越へ。キャタピラが通っていて道ははっきりしていた。右手方向が浄土山。その下に一の越を目指す人の列が。
山崎カール途中から雷鳥沢のテント場が見えますが・・・。奥は奥大日岳。
急遽スキーの準備をする。時間に制限のある人たちは少々の悪天でも出かけているようだ。 真っ白な雪の斜面をひたすら登る。目指すは山崎カール。できれば雄山頂上から滑れたらと思いつつシールを滑らす。板にはシールとクトーを装着しているので安心して歩ける。 かなり登った辺りでまたガスにおおわれ、特に稜線辺りは視界ゼロの様子。はじめての場所なので無理をせす途中から滑ることにした。ボリュム感たっぷりの斜面はやはりアルプスならではのものだ。様々なルートが思いのままに取れるのはいいが、 あっという間にテント場に着く。
いつの間にかテントが増えていた。
左手に雷鳥沢ヒュッテ。温泉通いにいいです。手前にロープ式のリフト。
テント場から温泉に向かう人。
もう一本滑る元気はないので温泉へ直行。近くでロープのみのリフトがあって怠け者(?)はここでスキーを楽しんでいる。一回200円也。ただし、5回券ごとにしか買えないが、6回券を1,000円にしてくれた。この日、御山谷で雪崩があり1名死亡、1名が重傷とのこと。早月尾根でも1名死亡。
5月2日。天気は良くなった。気合いを入れて奥大日岳のスキー登山とする。朝早いと斜面がカリカリなので登りにはアイゼンを使用し、板は担ぐことにする。シールにクトーもいいがこの方がよっぽど能率がいい。先行していたシール使用のスキーヤーたちにすぐに追いつく。彼らは、斜面のトラバースになれないらしくトロトロしている。
室堂乗越。遙かに剣が。
雷鳥沢から奥大日までは意外に近い。360度の景観。剣岳もよく見える。下の写真奥は大日岳。
帰りはスキーだが登りもありあまりおもしろくない。室堂ノッコシ辺りで立山川へ滑り込りこもうとしているパーティーを見つける。
まずボーダーが飛び込む。あっという間に見えなくなった。
話によると、馬場島まで雪の切れはなくチャンスだそうな。それではと、自分もドロップイン。出だしは結構急だが雪質もよく滑る危険は感じない。ただし、雪崩のことはわからないが・・・。
途中、馬場島からシールで登ってきた男性に出会う。大変なアルバイトだろう。
一ヶ所スキーを脱いだ。
1時間ちょっとで馬場島へ。
馬場島荘は改装されていました。感じ良くなりました。
1時間ちょっとで馬場島へ。途中であったおじさんが富山駅まで車に乗せてくれた。ありがたいことです。立山駅に帰り着き食料の調達をする。ついでに亀谷温泉へ。夜は我が車でゆっくり休む。
5月3日、好天。ゴールデンウイークもいよいよ佳境を向かえたらしく4時過ぎから切符を求める人の行列が。少し遅れ目の切符を買ってふたたび室堂へ。今日は立山の縦走をすることに。8時30分立山駅スタート。
一の越からオートルートを見て。
雄山頂上を目指す。
大汝辺りから雄山を振り返る。右斜面が山崎カール入り口。
剣岳も見えて。
内蔵助カール。若者が滑っては登り返していた。
真砂岳から雷鳥沢のテント場までいい斜面が続く。今日はこれ一本。
ついでに山崎カールをのぞいてみる。このカールは、雄山神社のすぐ下にあり立山の室堂側では一番長い斜面を持っている。途中岩なども現れていて迫力もある。雄山~大汝山~富士の折立と縦走し内蔵助カール上に降り立つ。このカールもスキーヤーたちにとっては気になるところ。やはり幾人かのチャレンジャーがいた。滑りたいのはやまやまだが今日はこのまま大走りの斜面を滑りテントに帰る。
5月4日、御山谷。テント場から一の越まで1時間少々。先日雪崩の事故があったばかりだが今日はどうだろうか。
様々な登り方(歩き方)があります。ボーダーはスノーシューが多いが、アイゼンを着けている人もいた。スキーヤーはシールが多いが、スノーシューやアイゼンもいた。
一の越には大勢の人がいる。雄山へ登る人、浄土山へ向かう人、東一の越からタンボ沢へ滑り込む人そして御山谷へと。ここに立つとオートルートに向かった時のことを思い出す。遙かに槍ヶ岳が姿を見せている。
御山谷を望む。
少し緩みだした斜面へ飛び込む。斜度はあまりないが谷筋の滑降なので周囲が気になるのはしょうがない。見上げると東一の越へ向かうパーティーが見える。デブリに注意しながら快調に滑ると黒部湖への屈曲点にさしかかる。この辺りからは斜度も落ちるので気分的には楽になる。しかし、ブロック雪崩が発生したのはここから下のこと。
デブリの跡。鬼岳方面からブロック雪崩があるようだが、今回の雪崩遭難は黒部湖に近い辺りで発生したらしい。
黒部湖が見えてくるとスキーも終わりに近い。
ロッジくろよんで小休止。ここからダム駅までは近い。
途中、タンボ沢を滑ってきたパーティーに出会い情報交換。一の越から東一の越までのトラバースは、部分的に凍結していて怖かったそうだ。
黒部平からタンボ沢方面。中央左が東一の越。右手が雄山。御山谷よりだいぶおもしろそうです。
黒部ダム駅から黒部平までは順調に帰れたが、ここで何と1時間30分ほど待たされた。外国の観光客が多い。 何とか室堂まで帰り、室堂山荘横から雷鳥沢まで滑ってテント場へ帰る。 8時テント場発で、15時40分着。