知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
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社会について考える1

2014年02月13日 | 国家論
不況になると、
 ナショナリストが増える。

第一次世界大戦、第二次世界大戦など典型例。

ヒトラーやムッソリーニが台頭したのもそうです。



どうしてか?

生活が安定していると、人は国家という物を意識しません。
法律もあまり必要ありません。

例えば、
 仕事が安定
 給料も安定
 将来の不安もない
 犯罪も少ない
 不満も少ない。

こういうときは、国家の運営はそれほど難しくありません。
高度成長期の日本はまさにこんな感じ。

しかし、
 仕事がなくなる
 給料がなくなる
 将来の不安が襲ってくる
 犯罪の増加
 不満が高まる。

こういうときは、
 国民は「はけ口」を求めるようになります。

はけ口を自国政府に向けた場合、
 デモ
という形で現れます。
これが、タイや欧州のデモ。

はけ口を「敵国」に向けた場合、
 ナショナリズム
という形で現れます。
これが、中国、韓国、日本の最近の動き。

領土問題、愛国心…


責任をどこにぶつけるのかによって、
 自国政府にぶつければ革命
になり、
 他国にぶつければ戦争
になるというわけです。

基本、原因は同じ。


 国民の生活が厳しくなり、不満が渦巻いている
ということ。


今後、中国の経済成長が鈍化し、
農村部や都市部の低所得層が、
 はけ口を内に見出せば、共産党独裁の破綻。
 はけ口を外に見出せば、武力衝突。

こういうシナリオを取ることになります。

そのため、
 いずれにせよ、軍備の拡張が不可欠なわけです。

よく中国の軍事費の伸びがクローズアップされていますが、
 対外的な要因のほか、
 暴動の鎮静化のために強力な軍が必要となる
という内向きな理由もあると思います。 
今後、第二の天安門事件が起これば、迷わず軍を出すはず。
波及すれば、国家が崩壊しかねないからです。

そして、日本も同じようなもので、
 ナショナリズムの力が増えつつある。

国家を考えること自体は、決して悪いことではないわけですが、
 権力者に洗脳され、いつの間にか、国家が国民の権利よりも上に位置づけられるようになる
と、
 国民が不幸になります。

この点が重要です。


つまり、国家を愛するという愛国心の教育や、日本国の誇り、道徳教育はよいものだとしても、
 日本国の為に、自らの命を犠牲にすべきだ
という思想観は間違っているということです。
戦時中の日本は、思想統制を行い、反体制的な思想を弾圧しました。

愛国心教育を重視し過ぎると、
 一人の国民の価値よりも、国の価値が上だという誤った発想
につながるおそれがあります。

そのあたりをうまく教えることは本当に大変です。

 国を守るためには、犠牲はつきものだ。
 ドラマ「24」のテーマ。
 ジャックバウワーは国を守るために個人の命が犠牲にされてもやむを得ないという発想の持ち主。
 そのため、時には拷問など暴走をする。

ここで、マイケル・サンデル教授の「正義」の講義とリンクする。

数人の命を救うために、一人の命を犠牲にすることはできるか?
電車が数人いるところに、突っ込もうとしている。
あなたは、線路を切り替えるポイントに立っている。
あなたが、切り替えると電車の進路が変わり、数人の命が助かる。
しかし、切り替わった先にいる一人の命が失われる。
あなたは、線路を切り替えるか? 


弁護士であれば、切り替えないはず。

なぜか?
(このあたりは次回)
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