知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

グランドデザイン

2020年06月15日 | 国家論
今回のコロナの対応を見て、
 この国は、大丈夫なのだろうか
と不安になった人が多いと思います。

こんな危機管理能力で、 
 弱肉強食の国際社会と対等に渡り合っていけるのだろうか?
 今まで築いた財産を奪われてしまうのではないだろうか?
 領土や領海もどんどん取られてしまうのでは?
 自分たちの老後は、安泰なのだろうか?
 子供達は自分たちと同じように豊かに暮らせるのだろうか?

なんとなく、
 衰退している
という不安。

 成長しているベンチャーのような勢い
を感じられない。

この問題の本質は、
 縦割り行政の弊害

 官僚任せの政策決定
にあります。

国会議員は、専門家ではないので、
 非常事態時にどうしたらよいか
分かりません。
これは、仕方がないことです。

そのために、
 官僚や学者がいる。

ここで、
 官僚や学者が優秀であれば、その知恵を利用し、政策を決定し、
 自ら責任を取るというスタンスで実行する
ことができる。
これが、政治家の仕事です。

ただ、
 官僚や学者は縦割りである
ため、
 自分たちの領域の知識はあるが、そのほかの領域の知識はない。

そのため、
 厚生労働省による感染予防の専門家が中心となる
と、
 経済活動を無視した行き過ぎた予防策を決定する
ことになる。
官僚や学者は責任を取ることを嫌うので、このときの議事録の公開もしない。

そのデメリットをなくすために、
 専門家会議には、あらゆる分野の専門家を入れる
必要があるが、 
 経済の専門家を入れるのが遅れたため、行き過ぎた経済への影響が大きく出ることになる。

経済への影響の対処のため、
 雇用調整助成金
 持続化給付金
 10万円支給
などの財政出動を行う必要が生じる。

しかし、
 配布の仕組みができていない
ため、
 大混乱し、未だにスムーズに支払いがなされていないケースがある。

すべての発端は、
 非常事態宣言
にあります。

日本の感染状況であれば、経済活動を維持しながら、
 早期発見、隔離、治療を徹底する
ことで、対応していれば、
 経済に大きな傷跡を残す
こともなかったわけです。

ただ、結果論となってしまうので、この点については、
 検証が必要となる
わけですが、
 こういった検証は痛みを伴うので、国家はあまりやりたがりません。

自己の正当化、すなわち、
 緊急事態宣言により、感染を大幅に防止できた。
 仮に実施していなければ、何十万人も死んでいた。
という報告書となるはずです。

ただ、これが、現在の日本の問題なわけです。
責任逃れに走る大企業も同じ構造で、
 衰退していく
ことになります(大企業病)。

ベストな解決を追及しようとせず、
 場当たり的に対応し、誰も責任を取ろうとしない。

国民も、その点について、
 ワイドショーで騒ぐ程度で、行動の変革につながる解決策を模索しようとはしない。

変革は、 
 痛みを伴うので、誰もやりたいとは思いません。
国民自身もです。

大企業が倒産するのは、
 リーダーが時代に合わせた変革を行うことをためらった
ためです。

富士フイルムが、カメラフィルムを未だに作り続け、
 化粧品や医療の分野に進出していなければ、コダックと同様に、倒産していた
はずです。

日本は、
 変革しようとせず、国債を発行することで、なんとかやりくりをしている
というのが現状です。

ちなみに、
 最近では、自国通貨を発行している限り、デフォルトはありえないというMMT理論

 非常事態という大義名分
を掲げ、
 国債の発行により対応しようとしています。

ただ、
 ケインズ主義同様、将来、利益となって返ってくる分野への投資は、
 財政出動の意味がある
わけですが、
中国のゴーストタウン(鬼城)のように、
 使われない施設を作っても、結局は無駄になってしまう
わけです。
 一時的な建設業者の売上げにはなる
ものの、
 経済への波及効果は少ない。

全国民に10万円ばらまいて、一時的な消費を高めるよりも、
 将来の日本経済を支える技術開発につぎ込んだ方が、実は全国民の利益になる
ということです。

では、どうしてそうならないのかというと、
 票集めの目的

 現状維持のバイアスがかかる
からです。

各省庁は、前年と同じような予算を組みます。

今回のコロナ対策のような特別事情があれば、その分を増額する。
そして、
 予算をたくさんゲットできれば、その官僚は評価される
ことになります。

そして、予算は使い切らないと、
 翌年減らされてしまう
ため、
 使い切ることになります。

使い切る先は、
 今回、明らかになったように、官僚OBがたくさんいる業界や会社、関連団体
というわけです。

これでは、
 国家をよくしよう
 未来の収益源となるような新たなプロジェクトをしよう
という革新的な分野には、
 お金が回らない
ということになります。

そもそも、ベンチャーの分野には、
既得権益の恩恵にあずかっている元役人のOBがいない。

それどころか、
 そういう業界に対しては、既得権益が害される
ので、
 邪魔する
ことさえあります。

日本で、
 ドローン開発

 自動運転
が中国のように進まないのは、
 国土交通省の厳しい規制がある
ためです。

中国などは、
 金になることは人権侵害があろうが、官僚の独断で行われる
ため、
 実証実験が進んでいく。

日本のベンチャー企業は、
 今回の持続化給付金でも、虐げられている。

結局、
 若い社員を育てる
ことができない企業が、
 アイデアが陳腐化して大企業病でどんどん倒産していく
ように、
 若いベンチャー企業を育てる
ことができない国家も、
 国力がどんどん減っていってしまう
ということです。

今、元気な企業の一つとして、
 漫画、アニメ業界
があります。

成功した漫画家は、
 労働基準法など無視した過酷な労働環境において、
 打ち切りの恐怖に脅えながら、
 徹底した弱肉強食の世界で勝ち抜いた強者たち
です。

ここで生み出された漫画が、
 アニメやグッツなど関連商品を生み出し、一大産業となっていく。

ここには、国家の支援など皆無です。

電通や大手メディアには、
 選挙の度に税金から大金が支払われています。

国民の税金が、
 将来の国民のために直結しない業界や既得権益を得ている会社に流れている
わけです。

これを変えるには、
 行政改革を本気で行える政治家
が必要です。

日本の悲劇は、
 国民が政治家を育ててこなかった
ことにあります。

今の国会を見ても、
 パフォーマンス
やら、
 悪口や品のないヤジ
やら、
 自分たちの票田の代弁者
ばかりだと気がつくと思います。

 これをパネルにして、キャッチフレーズにして繰り返せば
 今夜のニュースに取り上げられて、国民にアピールできるぞ!

これは、広告メディアが行う扇動の手法です。

小池都知事が、造語(「東京アラート」「自粛から自衛へ」)を使いたがるのも、元キャスターであるため、
 そのことをよく知っている
からです。

内容がないため、
 別にそのネーミングを使わなくてもいいんじゃない?
と思う人も多いと思いますが、
 報道されることが重要なわけです。

報道されれば、次の選挙でアピールできるからです。

このつけは、
 じわじわ上がっていく社会保険料や雇用保険料、介護保険料、消費税、所得税
に現れてくると思います。

国民の願いは、
 幸せに暮らす
ということ。
その国家は、
 税金や社会保険料の負担が安く、
 そのコストに見合った最大限のサービスが受けられる
ことです。

民間企業で成功しているところは、
 徹底的なコスト削減策を行い、
 比較的安価な値段で、質の高い商品やサービスを提供している。

国家は、
 競争原理が働かず、
 赤字でも国債発行すればいい
と思っているため、
 創意工夫により、少ない税負担で最大の効果を目指す
という仕組みになっていないわけです。

そんなアイデアを考えるよりも、
 予算をたくさん引っ張ってきて、無駄なサービスにお金を使わせ、
 OBの会社にお金を流し、再就職先を確保した官僚の方が、評価され、出世する
からです。

そういう仕組みをぶち壊す
 グランドデザインを描ける政治家
が残念ながらこの国にはいないということが、
 この国が徐々に衰退して行っている
ことの理由です。
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