知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

国民の退廃~政治記者の芸能記者化

2010年05月03日 | 国家論
鳩山首相は確かにどうかと思うこともありますが、
それでも、
 国民が選んだ国会議員によって選ばれた首相
です。

国民の信任を受けている。

その人に対し、メディアは軽く見すぎている。
良い点を評価せず、悪い点を指摘し続ける。

子供を育てるときに、悪い点ばかり指摘すると、
委縮してしまい、行動力のない子供が育つ。

自分がサークルなどのリーダーに選ばれたとして、
 他のメンバーに悪い点ばかりつつかれまくったら、やりにくくて仕方がない
と思います。

メンバーは、リーダーの話を聞き、
意見があれば言えばよいわけですが、
代替案を示すなど、
協力すべきところは協力すべきです。

メンバーが文句ばかり言って、何もしないようでは、
チームは成り立たない。

人ごとのように考えずに、
 メンバーが自分はチームのために何ができるのか
を考えることで、
 チーム全体がうまくいく
ことになります。

メディアは、視聴率が取れればよいので、
 国民受けするような批判ばかりして、
 政策をつぶして喜んでいる。

小沢議員や鳩山首相が辞任会見を開けば、
 視聴率が取れるぞ
 新聞がたくさん売れるぞ
とうれしくてたまらないわけです。

これは、自民党時代からも同じ。
首相があんなにころころ変わったのは、メディアの弊害が大きい。

その後に言うセリフも面白い。

 こんな短命政権ではいけませんね。


表現の自由だから、何を言ってもよい?

総合的、多面的な意見を報道し、国民に多様な情報を提供し、
 国民が政治的な意思をもてるようにする
ことが、 
 報道の自由
を支えています。

一面からの報道では、洗脳と変わらない。
そこに、視聴率や部数向上といった私欲が絡めば、
 もはや表現の自由を語る資格はなくなる。

広告表現の自由は、営利目的で行われるので、
 強い規制が可能である
とされています。

たばこの広告、通販の広告などで、
 広告という表現を、消費者が犠牲にならないように制限している
わけです。

メディアが視聴率や部数にばかり、目を向けていたら、
 営利目的での広告表現
とそれほど変わらなくなります。

放送法では、番組構成をある程度規制していますが、
 視聴率重視の番組制作が続いていく
と、
 番組の編成が偏っているぞ、なんとかしろ
という
 国民の強い世論
のもと、
 メディアに対する規制が高まっていく
可能性があります。

こうなると、
 今度は、権力がメディアを利用する
ようになり、
 表現の自由の危機
が生まれるかもしれません。


ただ、そんな報道メディアの退廃傾向を受け、
 インターネットに人が流れていっている
ので、そのころには、メディア規制をするまでの必要性はなくなるかもしれません。

テレビ、新聞メディア自体の影響力がそれほどなくなっているからです。


インターネットのニュースであれば、
 いろいろな情報提供先から、情報を多面的に入手する
ことができるし、
 テレビのように素人コメンテーターの余計なコメントがついてこないので、
 情報を効率的に入手することができる
からです。


現在のテレビや新聞のメディアは、
 政治記者が芸能記者化しています。

そして、
 政治家が芸能人化しています。

全体的に、軽い。

芸能人の離婚の経緯の取材と同じように、
新党立ち上げの経緯の取材を行っている。

取材対象を見ずに、記者のみを見た場合、
 政治部記者なのか、芸能リポーターなのか
よく分からない。

一昔前の政治部記者は、
 今よりもプライドをもっていた
ように思われます。

今の記者よりも、
 大学で、きちんと政治経済や法律を勉強して、自分の理想国家像をもち、
 政治家が発する言葉の裏の意図まで考え、
 自分の足で、いろいろな方面から複合的に取材し、
 しっかりした記事を書いていた。
 
今の記者は、情報をくれる人にくっついて、そのまま報道している。
おそらく、
 アダムスミス、マルクスを読んだことも、
 マックスウェーバーを読んだことも、
 芦部憲法(佐藤憲法でもよいですが)を読んだこともない人
が多いはず。

なりたての記者だと、衆議院と参議院の区別や二院制のメリット(個人的にはいらないと思いますが)、選挙制度の違いなどの説明ができないかもしれない。

ベテラン記者から、
 ●●議員に張り付いて、情報を取ってこい
とだけ言われて、ICレコーダーを抱えて、そこにいるのかもしれない。
 ICレコーダーを、机の一番いいところに置いたぞ。
 今日は、いい仕事したなぁ。


社会が複雑化して忙しすぎて、
取材を丁寧にやれないという面もあるかもしれないですが、
それでは、素人と大して変わらない。

政治部記者の書いた記事が、国民が世論を形成し、選挙での投票行動に出る。
そのため、政治部記者も政治家と同じように、国家を支える貴重な仕事を担っている。

だからこそ、取材源の秘匿や報道の自由が認めらている。

にもかかわらず、視聴率や発行部数に思考がシフトし、
 質が高いけど視聴率が取れない報道番組
は無価値なものとされてしまっている。

 世の中、金だという拝金主義を批判するメディア
こそ、
 拝金主義におぼれている
ことに気が付いていない。

そして、フリーの思考が強いインターネットに
 広告収入を奪われる
という皮肉な結果を招いている。

そうなると、
 一層、何とか売り上げを上げろ。視聴率を取れ。
という動きが強まる。
番組制作費が削られ、取材費用も経費で落ちにくくなる。


最も簡単で支持を集める記事は、
 お客さんが喜びそうな内容を書く
ことです。
 顧客満足。

仕分け作業でも分かるように、
 お客さんである視聴者・読者(国民)は、悪人を懲罰するドラマが大好き。

そのため、
 悪人を作り出す。
 悪人を叩きのめす。

この作業に入ります。
 犯罪が起これば、逮捕者を犯罪者とみなし、
 悪行の様子、性格の異常性を事細かに報道する。←悪者を作り出す作業。
 逮捕されてざまぁ見ろ的な雰囲気を醸し出す。←悪者を叩きのめす作業。

 与党政治家がどんなに無能であるか、悪いことをしているのかを報道する。←悪者を作り出す作業
 秘書の逮捕、支持率低下、別の与党幹部の発言などを載せ、没落していく雰囲気を醸し出す。←悪者を叩きのめす作業。

 芸能人の豪遊ぶりを報道する。←悪者を作り出す作業。
 芸能人の没落ぶりを報道する。←悪者を叩きのめす作業。
 
 他人の不幸は、蜜の味。

 これで、数字は取れる。

いろいろなところで、視聴率を上げたり、部数を上げたりするために、
このような作業が行われていると思います。


賢い人たちは、そのことをよく知っているので、
 あまり、テレビや新聞の報道をうのみにしていない
と思います。

そして、一部の人たちは、
 ネットを通じて、いろいろなところから、自分で情報を入手する
ようになっていっている(ロイター、共同通信、海外メディア・・・)。

その情報を利用して、
 自分の能力を開発し、知的に成長し、お金を稼いでいる
わけです。

国内の報道メディアに対しては、
 「勝手にやっておいて」といわんばかりに。
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