年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

何をして欲しい・と聞く

2017-10-03 00:00:00 | Weblog
 カウンセラーの名がつく仕事が年々増えている。今日も郵便ポストにメガネ屋さんからのDMでメガネの色の相談を受け付けるというカウンセラーがいることを知った。近年カタカナ横文字の仕事の名前が増えてきて自分は混乱している。

 散歩の途中烏瓜を見つけた。
 心理カウンセラーなど流行りの仕事のようだ。臨床心理士、産業カウンセラー、精神保健福祉士などともすれば対象者の一段上の位置にいて相談に乗っかかっている印象さえ受ける。私にしてもおんなじこと、精神対話士、メンタルケアスペシャリストなどとメンタルケア協会発の資格を履歴書に書くことはあっても、ソリャ何じゃぁ~の疑問を持たざるを得ない。その疑問の元になるのは、「解決」「納得」のことがある理由に因る。もしかして〇〇カウンセラーさん自身の人生上の悩み、苦労、疑問を解消するために様々な問題を抱えた対象者がそこにいる・・・ような。あたかも相談者がカウンセラー自身の現在位置を確認するGPSになっているような錯覚。

 いろんなカウンセラーさんが言ってる。自分の価値観を出しながらの対話の愚のこと。黙って対象者の話をうなづきながらしかも、同感ではなく共感しながら聴けとか・・・自分がイメージすることに、そのような先生が私の前に現れると、きっと無口で上品な育ちの良さを全身から表出しながらも笑みを浮かべ優しさが滲み出るオーラを感じる人の…そう、観音菩薩を想う。それでフト思い出した。
 この井上靖「星と祭」
 ずいぶん前に読んだこの本に解決・癒し・納得のことを連想した。おぼろげながら思い出すのに、お子さんの水難事故死のことをめぐって、ヒマラヤ山中(かつて私も歩いた道であるが)での出来事を通して琵琶湖湖北の秘仏11面観音を拝む観ることで癒やされていく・・確かそのような記憶がある。(秋の夜長の読書にお薦めです。)


 今日の受刑者Yの年齢は34歳。今日の相談として唯一の手がかりは「就労支援の依頼書」1枚のみ。内容に「出所後の仕事がありませんので支援を希望します。」と自筆で書かれてある。

 このような支援依頼を就職できる会社に単純に案内する・・方向に走ると痛い目に合うことを自分は経験から学んでいる。本人の興味能力価値観などの法則からの質問はない。ただ一つだけの最初で最後の質問は、仕事をどのように考えておりますか、そのために私に何をして欲しいですか、今から50分間お聞きしますので自由に話してください、だけ。あとは口出ししない。黙って聴くだけ。途中、続けてください、と促すことがあったが、他の質問はない。10分過ぎるころには相談者は話すことがなくなったようで沈思黙考、当然自分も黙る。5分間くらいの静寂な時間が過ぎたころ(階下からは刑務官の大きな号令は聞こえるが・・)・・Yが言ったのは、僕は不安なんです・・・。黙って黙って聴き続ける。共感とか同感とか向こうの世界のこと。聴きつづけること50分が来たので、終了の宣言。それでは次の機会、連行の機会があるまで・・と言って相談室を出て行った。

 アケビを牧師から先日の日曜日に頂いた。種ばかりだが口に含むと甘い。

 先日の同級会の出席者56人。唸り声のように話が弾んでいた。笑い声が9時間連続した。でも私もその楽しい光景を見ながら見つけたのに、笑みを浮かべて友人の話を聴く方が多い人、怒鳴るように誰か同級生にしゃべりっぱなしの人がいた。その両極を発見したことがなぜか宝物を見つけたようであった。