YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

オバマ外交戦略の失敗と日本の集団的自衛権

2014-06-22 18:36:55 | 政治の話題
集団的自衛権の本質は、中東での軍事行動をする為の法整備であろう。日本も否応無しにイスラム過激派、テロとの戦いを意識せざるを得ないのだ。

オバマ政権は、『アラブの春』で、リビア、エジプト、シリアのイスラム過激派の台頭を、独裁政権に対する民主化運動と勘違いをして支援したので、今日のイラクの混乱を招いた。オバマは、ブッシュによるイラクへの侵攻が間違っていたと激しく非難していたが、同じ間違いを犯している上に、やっとの事で落ち着いたイラクから撤兵する事で、イラク戦争以前より悪い状態にしている。イラクの混乱は、シリア、イランに拡大してしまった。

アメリカの厭戦気分は根強いが、国際外交舞台でのオバマ政権のあまりの拙劣振りに、支持率が最低レベルまで下がっている。先週イラクへの軍事アドバイザーの派遣を決定してるが、何をしたいのかハッキリしておらず、取り敢えず行動をとったと言うアリバイ作りでしかない。

中東の石油が世界にとって重要なのは間違いないが、アメリカ国防上の重要性は下がってきている。アメリカは資源開発の規制緩和と移民政策を厳しくすれば、孤立主義に向かう事も出来のだ。

中東の石油に大きく頼っているのは、中国と日本だ。日本は石油資源を中東に頼る以上、今後いやが上にも巻き込まれてしまうだろう。

集団的自衛権の根底には、自国の権益を守る為には世界へ出て行かざるを得ない国際経済の悲しい運命がある。そして、世界経済を混乱させるのは、イスラム過激派が暗躍する中東の国々なのだ。

中東では、日本が軍事的脅威と意識している中国と共同で軍事行動をする事になるであろう。

日本が軍事行動、特に中東に関与したく無いなら、ロシア、カナダ、アメリカとの石油、天然ガスの取引拡大と原子力発電の再開でエネルギー源の多様化が必要になる。アメリカ一辺倒では回らなくなってきている天然資源の無い日本は、外交的に巧みに立ち回るしか無いのだ。

自衛隊が中東でドンパチは理不尽だが、日本だけ平和で高見の見物とは行かないのだ。悲しいかなその遠因は、オバマ政権の戦略が無く失敗続きの外交政策にあるのだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿