YS Journal アメリカからの雑感

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Tron Legacy

2010-12-27 11:58:45 | 映画
日本へ出発する前日のクリスマスイブに手持ち無沙汰だったので、思い立って Tron Legacy を観にいった。クリスマスホリディの映画シーズンだというのに(と言うかシーズンだからこそ)、是非観てみたいという映画がなく、子供向けの映画が多かった。Tron にしても間口を大きく取れば子供向けの範疇に入る。

オリジナルも観てないので、復習はさっぱり、予習もあまりしないままでの突入であった。

結論としては、何から何まで普通で途中で居眠りしそうにった。話題の3D も見慣れてきているせいか、あんなものだろうと言う感じである。

あらすじとしては、ジェフブリッジス扮するオリジナルの主人公が20年前から失踪(仮想空間に閉じ込められている)しており、息子が父を助け(?)にいくと言う話である。結局、父は現実の世界へ連れ戻せないのであるが、仮想空間で一緒に戦った女性(彼女が何者なのかの説明があったが今一よく理解できず)を連れ帰ってくるというドタバタSF活劇である。

たいした映画ではないが、最近のアメリカの映画の傾向が透けて見えるような気がした。

まず、父と息子の関係。2、30年前までは非常に珍しいかったギークの父を、息子が軽々と超えていくことである。スターウォーズでも葛藤しながらではあるが超えていく(ダースベーダーはギークではないが)事がモチーフとなっている。空間的に断絶しているが根の所では共通なものがあり、父の存在を定義し直しながら超えていくイメージである。離婚などで父親と同居しない息子(そして父親)の関係を暗示しながら、何らかの因縁があり関係修復出来るという、父親にとっても息子にとっても非常にポジティブで力強いメッセージがあるような気がする。(映画を作る人たちは、このような父親であったり、息子であったりするのであろう)

もう一つは、仮想空間で戦う相手は人の形をしたプログラムなのであるが、やられて死ぬ(壊れる?)時の映像イメージが、バンパイヤーがやられたのとまったく同じなのである。最近、バンパイヤー絡みでは、バンパイヤーと人間の恋物語まで登場しており、私にとっては理解不能なブームなのであるが、一番遠い仮想空間の中での死に方がそっくりと言うのが、バンパイヤーブームの根の深さを感じさせる。

映像的には、30歳若いジェフブリッジスを登場させているが、30歳若い本物のジェフブリッジスを知っている身としては、画像処理の限界を見たような気がする。画像処理した30歳若い彼と記憶の中にある30歳若い彼の微妙に違う気持ち悪さを、意図的にやっているとすれば、それはそれで脱帽である。(まあ、そんなことはないであろう)

唯一興味が湧いたのが、息子が現実に連れてくる女性である。仮想空間では前髪を斜めにカットしたおかっぱで、無機質な化粧と人工皮膚のようなボディコンスーツで存在感抜群なのであるが、最後の現実でのシーンでは普通の髪型、化粧、格好になって、思いっきり現実的になり、思いっきりガックリ。ナタリーポートマンのアミダラ女王といい、私は、整った顔で変な髪形と化粧の女性が趣味の様だ。

暇に任せて観たものの、お勧めしません。世界同時公開のようなので、既に見ている人はご愁傷様です。

入場料は $7.50、ランチを食べた直ぐ後だったのでポップコーンと飲み物は Kids Combo で$5(聞いてみたら OK だったので、今後はこれでいこう)、ポップコーンは物足りないが、飲み物は 16oz (約450cc) もあるので充分であった。


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