YS Journal アメリカからの雑感

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政治家の唯一の商売道具「言葉」

2011-03-28 00:30:55 | 政治の話題
オバマ政権のリビアに対する対応は、ころころ変わっていて、戦争したいのか、人権擁護したいのか、良く解らないのだが、批判が高まった事を受けて、先週土曜日のラジオ演説(オバマになってビデオ演説になっているが)で、人権擁護という方向性で一所懸命、自己弁護をしている。

さて、演説の1分47秒頃に、"countless civilians" を救う事が出来たと自慢しているが、リビアの人口は、カダフィ側を含めても全部で642万しかいないので、”countless” を使うのは不適当であろう。

アメリカ大統領ともあろうお人が、こんな意味の無い情緒的な言葉を演説で使う事は、基本的に間違っている。以前からオバマのスピーチライターの資質に疑問を呈しているが、書く方も書く方なら、それを承認して読んでしまう政治家も政治家である。

政治家の唯一の商売道具は「言葉」である事を考えると、由々しき問題であろう。

さて、「言葉」が唯一の商売道具で有る職業として、アジテーターとか職業的左翼があるが、これらの人々は、意味の有る言葉を使う事と論理が成り立たなくなるという不思議な職業である。よって、意味も無く大げさで、情緒的で、感情的な言葉を連ねる事を生業とする奇怪な存在である。

残念ながら、"change" を掲げたオバマに "change" は無く、オバマ本来の生業として、唯一の商売道具「言葉」を使ってしまったという事であろう。

料理人には良く切れる包丁が必要だが、良く切れる包丁は殺人者も必要なのである。罪無き「言葉」”countless” に同情してしまう。


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2 コメント

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Unknown (toku)
2011-03-28 15:56:27
オバマのリビア対応は、なんだかよく訳がわかりませんね。フランスに引きずられただけにしか見えないです。
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中東問題 (ysJournal)
2011-03-28 19:56:39
toku様
確かにフラフラしてます。

アメリカとしては、リビアとは直接的な利害関係がないので、放ったらかしたら良いと思うのですが、エジプトでムバラクを追い落とした片棒を担いだ関係で、最初、オバマもカダフィ出て行けなどと言っていたのですが、40年のベテラン独裁者に翻弄されてます。

確かに、ヨーロッパとしては目の前でドンパチやられると困るので、なんとかしたくて、その後逃げ腰のアメリカを引っ張り込んだのではと思いっております。

カダフィも、地中海を火の海にしてやるとか、怪気炎をあげ、良い味出してます。やられると一家郎党とも殺されるので必死でしょう。

オバマの様な甘ちゃんとはものが違います。
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