YS Journal アメリカからの雑感

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アメリカ議会はお休みに

2010-09-30 17:29:22 | アメリカ政治
中間選挙を一ヵ月後に控え、アメリカ議会は重要な案件を棚上げしたままお休みに入るようだ。

一番、無責任なのは来期の予算審議を放棄して、暫定予算を通した事である。本格的な予算審議を中間選挙前に行わない事は、民主党の不利が言われ出した数ヶ月前から、噂があったのだが、現実となった。

基本的に選挙に不利になる審議を、民主党は選挙前にする気が無い。代表的なのは、ブッシュ政権の行った減税の延長審議と民主党の古参黒人下院議員の倫理を問う審議である。

2003年から7年間の時限で行われたブッシュ減税は、大規模なものであった。元々、民主党は延長する気が無かったのだが、景気回復が遅い現状で、実質増税となる減税の打ち切りについて、民主党内でも意見が割れてきている。民主党は、年収$20万(個人、$25万(世帯)以下は減税を続ける部分的延長等の妥協案を出してきていたりするのだが、共和党は、全面的な延長を強く主張している。

倫理問題では、ニューヨーク州の議員(Charles Rangel)が海外資産を何年にも渡り申告していなかったことを認めている。(未納税金は支払済み)、又、カリフォルニア州の女性議員(Maxine Waters)は、夫が関連する住宅ローン会社が政府の救済措置を受けていた事が報道されている。

二人とも喚問については、いつでも受けるとしていただけに無責任である。

審議を仕切るのは、両院の議長である。現在は両方とも民主党で、下院はこんな事を言う Nancy Pelosi、上院は、今回の中間選挙で落選する可能性もある Harry Reid であるので、薄汚い議会運営になっているのも納得がいく。

民主党議員が苦戦している中での両院閉会でもあるので、逆効果になる可能性もあるが、そんな事を言ってられないのであろう。

中間選挙後落選が決まった死に体現職議員の任期は来年一月まである。現在、下院は民主党が過半数を大きく上回っているし、上院もフィルバスターには足りないものの過半数を占めている。

そこで、民主党は、11月、12月にヤケクソ法案を一杯(20法案と言われている)可決するのではないかと言う噂がある。民主党の自殺行為ではあるのだが、議会を通過してしまえば、オバマ大統領が拒否権を発動する事は無いと思われるので、成立してしまう。もし、そんな事になれば、今でも民主党議会、オバマ政権の無能さで混乱しているアメリカ政界は大混乱になるであろう。

中間選挙、「死に体」議会、破れかかぶれで民主党から何が飛び出すやら。