暘州通信

日本の山車

◆02790 三柱神社大祭(おにぎえ)

2010年03月26日 | 日本の山車
◆02790 三柱神社大祭(おにぎえ)
福岡県柳川市
三柱神社
□祭神
梅岳霊神(戸次道雪)
松陰霊神 立花宗茂(藩祖) 
瑞玉霊神 ぎん千代(宗茂の妻)
□祭は
□山車(どろつくどん、藝屋臺)
□汎論
 三柱神社は柳川の基礎をきづいたぎん千代の父親である戸次道雪、道雪の養嗣子である立花宗茂(藩祖)、宗茂の妻であるぎん千代の三柱の神を祀る神社である。当初は、天明四年(一七八三)ころ、道雪を祀る神社が建立され、その後、宗茂とぎん千代夫妻の霊は市内坂本町の日吉神社近くの唯一宮に祀られたが、文政三年(一八二〇)ころ三神は合祀され三柱神社となった。文政八年にあらたに社殿が造営されることになり、翌文政九年には新たに三柱神社「御新宮」が完成しとよばれるようになって三神は遷宮となった。境内には多くの石造物があり、柳川出身の名横綱雲龍久吉が奉納した燈籠もある。
 三柱神社の大祭は「おにぎえ」とよばれる。市中や近隣あるいは遠方から多くのひとびとが集まり「大賑わい」
となることから転化したことばだという。祭には、「どろつくどん」とよばれる、重層の山車が曳かれる。この名称は山車囃子から出たといわれる。
 山車は、通し柱の重層(二層)で、唐破風の屋根の上に紅色の帽冠を巻いた傘鉾がたち、さらにそのうえに拵え物がのる。北九州では例を見ない特異な形式の山車である。
 旧城の周りは堀になっていて、年間を通じてさまざまな行事が行われ、多くの人々をあつめる。福岡県柳川市沖端町には北原白秋の生家がある。新潟県出身の宮柊二は北原白秋に師事し、魚沼川にちかい郷里の堀内町で歌壇コスモスを主宰した。堀の外周道路沿いには名物の「うなぎの蒸籠むし」のお店がある。
 安政四年長崎からの帰途柳川に立ち寄った谷口與鹿と橋本香坡は、うなぎの蒸籠むしを食べながら、伊丹郷町(兵庫県伊丹市)に町並みがよく似ていると感傷的になり、里心を呼び覚まさせている。たしかに、いまでも土地に無縁の人でも柳川には故郷を思わせる郷愁が秘められているようだ。

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