暘州通信

日本の山車

◆谷口與鹿 伊丹風俳諧 二五

2011年02月10日 | 日本の山車
◆谷口與鹿 伊丹風俳諧 二五
 照顔齋は、花ノ本の称号授与を受けるyため、花ノ本 八世 林□(□は文字なし)をはじめ、谷口與鹿、橋本香坡、岡田糠人、それに伊丹郷町の俳人たちがうちそろって京都に上った。仙洞御所での拝受も無事に西之一色町終わり、引き続いて、観月会に移った。当時の記録には【月の御会】とある。おりしも仲秋の名月である。
 ここで與鹿は帝に自作の香盒を献上した。帝は親しくこれを手にとって観賞されたが、いざ蓋を開けて中をごらんになろうとしたところ、驚いたことにこの蓋が開かないのである。居並ぶ公卿たち数名もこれを空けようとしたが、やはり蓋はあかず首を傾げるばかり。香盒は、一回りして帝の前にふたたび戻った。この有様を固唾を呑んで見守っていた伊丹郷町の人々は青くなった。

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